希死念慮のお姫様と臆病な王子様 ~殺してくださいと言われても困ります! 心中はいかがですか?~
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希死念慮のお姫様と臆病な王子様 ~殺してくださいと言われても困ります! 心中はいかがですか?~

  • あらすじ

      母が死んだ。
      父が殺した。
      そして、父は父に殺された。
     
      つまり、心中だったのである。
     
      葬式の参列者は、身内、それも一親等の家族に限られた。
      わたしと乳母、祖父だけ。
      祖母は一人娘の死に耐えきれず、今は生死の境を漂っており、戻ってはこない。恐らく、もう二度と。
      祖父は一度もこちらを見なかった。わたしを抱きかかえた乳母も、わたしの目を見ず、ただ棺桶をじっと見つめていた。
      まだ赤ん坊のわたしが、誕生してから数日後の葬式の記憶を持っているというのも不思議な話だろう。しかし、答えは明快だ。
      わたしが。
      わたしが進んで死ねるよう、神様が用意したプレゼントだからだ。
      神父が痛ましそうに双眸を臥せ、長い祈りを捧げている。
      意味は分からない。けれど、わたしの誕生を呪う歌に違いなかった。
     
     
      これは、死にたい伯爵令嬢と、臆病で人見知りな王子の全く進展しない恋愛物語──

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