外れスキルは、レベル1!~異世界転生したのに、外れスキルでした!

武蔵野純平

第16話 ダンジョン探索

 ――翌日!

 朝起きて冒険者ギルドへ行くと、既に沢山の人がいた。
 出発する冒険者パーティーもいる。

 冒険者ギルドのロビーに入ると、既にミレットが来ていた。
 ミレットの隣には、金属製の甲冑を着た女騎士が立っている。
 昨日と同じ人だ。
 護衛かな?

 ミレットはロビーの大きな掲示板に貼付けてあるメモ書きを見ていた。
 俺はミレットに声を掛けた。

「おはよう! 遅くなってごめんね!」

 ミレットが振り向きニコッと笑う。

「わたくしも今来たところだから大丈夫です」

「何を見ていたの?」

「依頼を色々見ていました」

 ミレットによれば、この掲示板に貼付けてあるメモは、冒険者への依頼なのだ。

 薬草を集めてきて欲しい。
 特定の魔物のドロップ品を集めてきて欲しい。
 隣の城塞都市まで護衛して欲しい。

 などなど様々な依頼が貼付けてあるそうだ。

「俺たちに出来そうな依頼はある?」

「いえ。どれも八等級以上の冒険者でないと受けられません。わたくしたち新人は十等級冒険者ですから、まだ、無理ですね」

 昨日、研修で説明を受けた。
 冒険者のランクは、冒険者ギルドへの貢献度や強さで決まる。
 冒険者ギルドへ、どんどん獲物を売却すれば貢献度が上がり、同時にレベルアップをして強さを上げていけば良いのだ。

「じゃあ、しばらくはダンジョンで魔物のドロップ品集めだね」

「そうですね」

「よし! じゃあ、今日もよろしくお願いします!」

 俺は元気よくミレットに頭を下げた。

「こちらこそ。よろしくお願いします」

 ミレットはクスクス笑いながら、俺に礼を返す。

 護衛の女騎士と別れて、俺たちはダンジョンへ向かった。

 新人からベテランまで沢山の人がダンジョンへ向かう。
 途中の分かれ道で、新人は右へ進み初心者に向いた難易度の低いダンジョンへ向かう。

 幸いなことにジャイルとは出会わなかった。
 ミレットが気にしていたみたいだから良かったよ。

 俺たちは、初心者ダンジョンの一階層に入った。
 ミレットが腰にぶら下げたポーチから、四つ折りにした紙を取り出して広げた。

「ええっと……」

 ミレットが眉根を寄せて考えている。

「どうしたの?」

「わたくし……地図は苦手なのです……」

 意外だ……。
 ミレットにも苦手なことがあるんだ……。

「じゃあ、俺が見るよ」

 ミレットから地図を受け取る。

「これは、一階層の地図?」

「そうです。わたくしの護衛騎士のシンシアが書いてくれたのです。ほら、先ほど冒険者ギルドで会ったのがシンシアです。彼女は元冒険者なのです」

 へえ。それはありがたい話だ。
 色々と教えてもらえそう。

「シンシアによれば、まずはレベル2になることを目標にすると良いそうですわ」

「わかった。じゃあ、この地図を頼りに進んで行こう。今日の目標はレベルアップだね!」

「はい! そう致しましょう!」

 俺が先頭に立ちダンジョンの通路を進む。
 ダンジョンの中は不思議と明るい。
 通路のの天井がほんのりと光っているのだ。
 通路は真っ直ぐなので視界も効く。

 俺は右手に地図、左手に盾を持つ。
 俺たちの他にも新人冒険者パーティーがいる。
 中には地図を持っている子もいるが、脇道にそれていった。
 獲物を探しに行ったのだろう。

 俺は地図に従って、二階層へ下りる階段を目指す。
 五分も歩かずにホーンラビットと遭遇した。

「前へ出る! 魔法よろしく!」

「はいっ!」

 ミレットにひと声かけて俺は駆け出す。
 地図をショルダーバッグに突っこみ、空いた右手で剣を抜く。

 ホーンラビットもこちらに気が付いて、ピョンピョンと跳ねて来た。
 ホーンラビットは、直線的な動きの上に、俺が距離を潰しているので、それほど速度は出ていない。

 俺は余裕を持って盾でホーンラビットの突進を受け止めた。

(おや?)

 盾の扱いが非常に楽だ。
 スキル【盾術】を取得したせいだろうか?

 突進してくるホーンラビットを盾で防ぎ、時計回りに動く。

 これでミレットからホーンラビットが見やすくなる。
 ミレットが狙いを外す確率は減る。

「撃ちます!」

 ミレットから声が掛かった!
 俺は右に飛んで、ミレットの射線から退避する。

「ファイヤーボール!」

 ミレットの杖の先からソフトボール大の火の玉が発射された。

 ゴウ!

 ファイヤーボールは、唸りを上げてホーンラビットに襲いかかった。
 ミレットが放ったファイヤーボールが、ホーンラビットの頭部に直撃し、ホーンラビットは煙になって消えた。

 ホーンラビットが消えた後に、小さな魔石がドロップした。
 俺はドロップした魔石を拾い上げ、ミレットに声をかける。

「さすがミレット! 一発でやっつけたね!」

「ユウトが引きつけてくれたからですわ!」

 二人で微笑み合う。
 初戦から良い感じだ。

 これで俺の討伐ポイントは3。ミレットは6だ。
 レベル2にレベルアップするには、討伐ポイントが10必要だと新人研修で聞いた。

 そうすると、俺は後ホーンラビットを七体。ミレットは四体だ。

「よし! 引き続き探索するよ!」

「了解です!」

 俺とミレットはダンジョンの奥へと進んだ。

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