選ばれた花嫁は蛇神の求愛を受ける

麻麻(あさあさ)

結ばれた2人


「黙っていて悪かった。蛇が苦手と言っておったから言い出せんかった」

と彼はしゅんとしていたが気遣いが嬉しかった。

「蛇は苦手ですけど旦那様の蛇の姿は別です。
綺麗でしたよ」
と言うと

「男に綺麗はないじゃろ」
と叱られた。

そういうつもりで言ってないのに。

「いいえ、初めて会った時から旦那様は美しかったです」

と言うと彼は呆れたのか
「そうか」と残念そうだ。


彼に機嫌を直してもらいたく持って来た桃を差し出す。

「一緒に食べましょう。旦那様」
と言うと彼は
「仕方ないわい」
とまんざらでもないように笑った。


雨はまだこの村に降っているみたいだ。

「旦那様のおかげで村の干ばつは無事なおりそうですね」

と言うと

「そうじゃな。良い嫁を貰ったし役目は果たさんとな」
と言われ耳が熱くなる。


「なあに、本当の事じゃろ?
今更離さん。狐神のとこにも行かさんからな」

と旦那様はやはり稲荷様を敵視しているらしい。

「行きませんよ。私、お米は作れませんから」

そう返すと旦那様は
上手いことを言うとハハハと笑った。





こうして、村で醜いと言われていた娘は無事、蛇神様に嫁ぎ幸せに暮らし

彼らの村には今、新しい村長と美しい花嫁が村を治め、たまに降る優しい雨によって村全体に平安が訪れ、水と食料に困る事のない立派な村になりました。

時折、雨が上がった後の空には龍みたいな大蛇みたいな雲がかかり村人がそれを見上げている光景が多々あります。



全て昔のおはなしです。


【完】



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