選ばれた花嫁は蛇神の求愛を受ける

麻麻(あさあさ)

蛇神とすもも

旦那様の声だ。

「蛇さんは旦那様なのですか?」

そう問う私に
『そうじゃ。これがワシ本来の姿じゃ。
お前、蛇は苦手じゃろ?怖くないのか?』

と聞かれたが首を横に振ると旦那様は驚いた。

『ワシがまだこの姿で小さかった頃、お前さんは弱ってたワシをかくまってくれたんじゃよ。お前さんのくれた桃は甘かった。ありがとう』

そう言われ私は遠い記憶を遡った。


思い出した。小さい蛇を!

あの時、お父様は子どもの姉や私に怖かった。

でも父に怒られたまだ小さな蛇はもっとかわいそうだった。

私は娘だから父様に殴られるまではされなかったが目の前の蛇はあまりにも痛々しかったのだ。

初めて守りたいと思ったのだ。

厨房の壊れた樽を持って来て蛇が食べ物と水分を取れるよう桃を細かく切って樽に入れた。


なんとか警戒しながらも樽に入った蛇は大人しくなって明日まで元気になるか心配だった。

その姿を次の日見せる事はなかったがどこかで元気に過ごしてるといいなと思っていたのだ。


全てが繋がった。


「旦那様だったんですね」

いつの間にか旦那様はいつもの人の姿に戻っていた。

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