消え残るアクアマリン

清水レモン

観察されている

 なあ、それは山門?
 重厚なる木造建築は必要以上に重々しく瓦屋根を披露する。
 屋根てっぺん鳩?
 ほぼ動かないが命の気配あふれ、観察されている気すらしてくる。
 いや、歓迎かな。
 ちょっとなんだろ、笑いたくなる。
 このまま山門をくぐりたい気分だ。そう思いつつ、あらためて眺めてみた。
 天空を背にそびえたつ。空は青く、その青さは透明感がある。
 夏とは異なる色彩模様。
 ガリッと靴の裏で、段差のような気配がした。なにか踏んだか。大きくない。固い砂利ではなくアスファルトのかけらのようだ。

 山門の手前やや広く、バス停がある。
 なるほど、バスも利用できるのか。
 バス通学っていうのも、ありなのかな。
 はたして、おれは毎日ここに通うようになるのかな、と思いながら視線を意図的に校門の方向へ。

 校門… 

 すっかり開放されていて、おりたたまれた黒い金属カーテンの気配を感じる。

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