ほっとけないよ?
ガラス窓うつるマリオネット
「ときどき思うんだ。おれなにやってんだろって」
口が勝手にしゃべりだす、とはこのことか。
自分の希望も相手の要望も気にしなくなったとき、まるで自分が操り人形みたいにしゃべりだすことがある。
どせこかで誰かが「自分を操作している。現実に声を出しているのはおれだけど、まるで遠いどこかで誰かが台詞を言わせてくる。
自動発声装置な状態だ。
おれは続ける、
「今日も。今朝もだよ。ほんと、おれなにやってんだろなって」
すると彼女が反応した。
「つまり今朝のことも?」
「今朝のこと?」おれは聞き返す。
「ええ。今朝よ。なにを思ってたの」
「そうだな。学校いきたくねー。かな」
「え?」意外ねみたいな顔で彼女が言う「学校、きらいなの?」
「きらいじゃない。むしろ好き。友だちもいるし仲間と会えるのは嬉しいし楽しい」
「だったらどうして」
「つまんないのさ」
「友だちや仲間といても?」
「ごめん、うまく言えなくて。なんていうのかな。そのアレだ、友だちがいるけどずっと一緒でいられるわけじゃないし仲間と過ごす時間は限られてる。一日のうち、何分だろな」
「分単位…なのね」
「そういうわけじゃないけど、授業とか雑用とかやらなきゃいけないこととかやってテストあったりして勉強してっていうか勉強? いや、勉強できる時間がないんだよな実際」
「わかる」
え?
おれは驚いた。
わかるって、なに。なにがわかる。おれの話したことの、どこに理解や共感の要素があったと。
「私も思う。学校は勉強するところ、でしょ」
「まあな」
「ぜんぜん勉強できない」
「!」
「同じよ、たぶん」
おれは彼女を凝視する。真剣なまなざしに力強い光を感じた。まるで暗闇で見つけた遠い灯火のようで、かごの中でじっとしていた小鳥が突然ピピッと鳴いたみたいに。
おれは脳内で繰り返す、同じよたぶん。
そっか。同じなのか。
少しづつ暗くなってきた商店街、窓越しに人波ざわめきは聞こえないが雑踏の空気感は伝わってくる。窓ガラスほんのり自分たちの姿が映っている。糸なんてない、監視されてるわけでもない、でも。
操られているみたいな感覚を強烈に感じた。
口が勝手にしゃべりだす、とはこのことか。
自分の希望も相手の要望も気にしなくなったとき、まるで自分が操り人形みたいにしゃべりだすことがある。
どせこかで誰かが「自分を操作している。現実に声を出しているのはおれだけど、まるで遠いどこかで誰かが台詞を言わせてくる。
自動発声装置な状態だ。
おれは続ける、
「今日も。今朝もだよ。ほんと、おれなにやってんだろなって」
すると彼女が反応した。
「つまり今朝のことも?」
「今朝のこと?」おれは聞き返す。
「ええ。今朝よ。なにを思ってたの」
「そうだな。学校いきたくねー。かな」
「え?」意外ねみたいな顔で彼女が言う「学校、きらいなの?」
「きらいじゃない。むしろ好き。友だちもいるし仲間と会えるのは嬉しいし楽しい」
「だったらどうして」
「つまんないのさ」
「友だちや仲間といても?」
「ごめん、うまく言えなくて。なんていうのかな。そのアレだ、友だちがいるけどずっと一緒でいられるわけじゃないし仲間と過ごす時間は限られてる。一日のうち、何分だろな」
「分単位…なのね」
「そういうわけじゃないけど、授業とか雑用とかやらなきゃいけないこととかやってテストあったりして勉強してっていうか勉強? いや、勉強できる時間がないんだよな実際」
「わかる」
え?
おれは驚いた。
わかるって、なに。なにがわかる。おれの話したことの、どこに理解や共感の要素があったと。
「私も思う。学校は勉強するところ、でしょ」
「まあな」
「ぜんぜん勉強できない」
「!」
「同じよ、たぶん」
おれは彼女を凝視する。真剣なまなざしに力強い光を感じた。まるで暗闇で見つけた遠い灯火のようで、かごの中でじっとしていた小鳥が突然ピピッと鳴いたみたいに。
おれは脳内で繰り返す、同じよたぶん。
そっか。同じなのか。
少しづつ暗くなってきた商店街、窓越しに人波ざわめきは聞こえないが雑踏の空気感は伝わってくる。窓ガラスほんのり自分たちの姿が映っている。糸なんてない、監視されてるわけでもない、でも。
操られているみたいな感覚を強烈に感じた。
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