ほっとけないよ?

清水レモン

読んでくれる人

 「ときめく感じ」
 かな、とおれがく。

 「うーん」
 彼女は、うなった。

 「ああでも小説ってなると中身の話はネタバレしちゃうとアレだから話すのって難しいよね」おれは言う。まだかな飲み物。

 「ネタバレっていうか、むしろありきたりっていうか」

 「さらりと言うね」

 「私、自分じゃ書かないから。読むだけです。
  だから好き勝手に言えるんですよ?」

 「好き勝手に言われて友だちのほうは」

 「喜んでくれるし『ありがとう』って言われる。
  でもたま~に、しょげてるかも」

 「ある意味おれは書くがわになるのか」

 「いちおう言っておきますけど、読むほうも時間かけてますからね。
  
  時間ですよ?

  時は金なりの貴重な時間をかけて読むんです、言いたいこと言わせてもらって当然じゃないですか」

 「気遣い無用ってこと? かい」

 「あたりまえじゃないですか」

 「ある意味それって手厳しい…けどたしかに作り手にとっちゃ、ありがたいか? かな」

 「ありがたくはないと思いますけど」

 「いやいや、とてもありがたくて本気で喜んでるんだと思うよ友だちも」

 「だったらいいのですけど」

 「そういう関係には憧れちゃうな」

 「シュートにもいるのでしょ」

 「いるって何が、ていうか誰が」

 「読んでくれる人」

 どうだろう。

 「ていうか読ませたい人かしら」

 どうだっけ。


 あれ?

 おれって、いったい。

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