よりによって人生で最悪な時に再会した初恋の人がじれじれの皇太子だったなんておまけに私死んだことになってましたから
42
 私は元自分の部屋として使っていた部屋に連れて行かれるとすぐに優しくベッドに寝かされた。
「シャルロット大丈夫か…もう、君には驚かされっぱなしだ。こんな身体で無理をするなんて…どこか痛いところはないか?」
アルベルト様はずっとわたしを抱いていたのに疲れた様子も見せずに呆れたような顔をしていた。
でも、その声はとても心配そうで私の心はうれしさで震えた。
「ごめんなさい。まだ身体はだるくて立っていることも出来そうにありませんが…そう言えばヨーゼフ先生は?」
「なんだ?もう彼の心配か」
「いえ、彼に解毒の薬草を…」最後まで言わせてもらう間はない。彼が言葉を遮った。
「彼らは牢に入ってる」
「あっ、そうだった。ヨーゼフ先生も…じゃあどうして助けなかったんです。私より先に…」
「何を言ってるんだシャルロット。君は死ぬところだったんだ。君の救出が最優先に決まってるじゃないか!…シャルロット…シャルロット?大丈夫か?おい誰か」
私はまた気を失ったらしい。きっと無理に力を使ったからだろう。
真夜中だがアビーがすぐに駆け付ける。
気が付くとマリーとアビーがすぐそばに付いていた。
「わたし…」
「もう、シャルロット様は無理しすぎなんです。毒がまだ抜けてもいないのにご無理なさったらしいですね」アビーが小言を言う。
「もうお姉さんったら、そんなにシャルロットさんを責めたら可哀想だわ。彼女のお陰で助かったのよ。シャルロットさん、解毒の薬を飲んで下さい。それとドクダミの入ったお茶も飲みましょう」
「ええ、ごめんなさい」
私は少し起き上がるとその薬とお茶を飲む。ドクダミ特有の嫌な臭いもハチミツが入っていておいしかった。
ほっと落ち着くといつの間にかドレスから寝間着に着替えている事に気づく。
そこにアルベルト様が入って来た。
「アビー?シャルロットは大丈夫そうか?」
「はい、旦那様。先ほど気が付かれてたった今解毒の薬を飲まれたところです。なにか消化に良い食べものをご用意しますので旦那様お願いしてもいいですか?」
「ああ、わかった」
アビーとマリーはすぐに部屋を出て行った.
「いえアビー、あの…そんなのいいから」
だって、寝間着姿を見られるのは恥ずかしいもの。
「そんなに嫌か?俺がそばにいるのは」
アルベルト様は少しいじけたような顔で眉間を寄せた。
「違うんです。だって…恥ずかしいから」
「本当か?恥ずかしいからだけか?さっきは一番にヨーゼフの心配をしていた」
「だって…私…身体じゅうがだるくて仕方なかったんですものヨーゼフ先生なら薬をお持ちだと」
「ああ、それはわかってる。だからすぐにアビーを呼ぶつもりだった」
アルベルト様は私のそばに来ようとはしない。ベッドの端に立たれたままで私をじっと見つめたままだ。
もう、私ったら彼がずっと私を抱きかかえて助けてくれたお礼も言っていなかったわ。
「あの…アルベルト様先ほどは本当にありがとうございました。私をずっと抱きかかえていただいて、腕は大丈夫ですか?」
「ああ、いいんだ。君のためならこんな腕の一本や二本どうってことはない」
彼はたくましい腕をぐっと折り曲げて見せた。
「いいから座って少しお休みになってください。もう夜の遅いのに申し訳ありません」
「気にするな。それで身体は少しは楽になったか?」
私は上掛けをぐっと引き上げて顎の下まで手繰り寄せるとやっと安心して彼と視線を合わせた。
ほっとしたからか、またアルベルト様が来た時みたいに身体が温かくなっていく。力が湧いて来て魔力が増えて行く気がした。
「不思議です。アルベルト様効果ってあるんですかね?」
私は思わずつぶやいた。
「何だそれは?」
「えっ?いえ、あなたがいると何だか、ホカホカするって言うか…力が沸き上がるって言うか…不思議なんです」
「それはどういう意味だ?」
もう…あなたが好きって事ですから、言え、それだけではないかもしれませんが、とにかくあなたがそばに来ると私は燃え上がるみたいでして…何て言えるはずもなく。
「あの、アルベルト様って何か不思議な力をお持ちとか?」
「まさか、そんなものはない。あっ、そうだ」
アルベルト様がごそごそポケットの中を探って何かを取り出した。
「早くに返そうと思っていたんだ。でもタイミングが合わなくて…悪いとは思ったんだ。これはムガルの家から勝手に持って来たもので…君のものかと思っていたがカロリーナの櫛らしいんだが…」
アルベルト様が取り出されたのは間違いなく私のお守りの櫛だった。
「あなたが持ち出されたのですか?もう、私大切な櫛を失くしたと思っていたんですよ…」
「えっ?これはシャルロットの櫛なのか?やっぱり?」
「これをいつから持たれていたんですか?」
「夜会の後から…君が捕まって俺は無理やり屋敷に連れ戻されて、君が心配でこれをずっと身に着けていた。でも父の日記の中からアドリエーヌ様の櫛が見つかって、その櫛とそっくりでてっきりカロリーナ殿の櫛を持って来たのかもと思った。でもどうしても離さずにはいられなかったんだ」
私は驚きのあまり声を失う。
もしかして力が蘇って来ていたのはこの櫛のおかげだったの?
牢で凍えそうなときも温かくなってアルベルト様の匂いがして来たのも彼がこの櫛を持っていたおかげなの?
心はむずむずと彼への思いでいっぱいになる。
アルベルト様が私を救ってくれたんだわ。
まさか、この日の為に櫛が彼の手に渡っていたとしたら…
私たちってまさに運命的な関係なのかも…
「でも、驚いたな。この櫛が君の者とは…だってカロリーナもアドリエーヌもコンステンサ帝国の王女だろう?それなのに君も同じ櫛を持っているなんて…とにかく君にこの櫛は返しておく。すまなかった」
「いえ、ありがとうございます」
うっとりした気分はすぐに霧散した。
私はその櫛を彼から受け取る。
彼は視線を向けてくると何か言いたげにしている。
まずいかも…
さすがアルベルト様。勘が鋭い。
私だってつい最近知ったばかりなんですから。その事実は。
ピクリとなった身体を気づかれないように平然を装う。
「だって、私はカロリーナに育ててもらったんです。彼女が作ってくれたんですからよく似ていてもおかしくはありませんわ。きっとカロリーナは自分の櫛を見て私の為に櫛を作ってくれたんでしょう。彼女はそれは優しい人でしたから…」
「ああ、そうだろうな。カロリーナがいてくれてよかった。おかげで君に出会えたんだから…やっと、やっと俺のところに来てくれたねシャルロット…」
アルベルトは納得したらしく、突然彼の顔が途方もないほど甘いマスクになる。
あ、あるべるとさま…
思わずうっとりとなるのも束の間。
でも、ほんとに彼は私をそばに置きたいのだろうかとも不安になる。
だって私たちはただ…ただ過ちを犯しただけで、彼に取ったらあんなのなんでもなかった事で…
どうせ私の事なんか!
私の心は素直にはなれそうになかった。
「いえアルベルト様。あなたのところに来たというより私はここの勝手に連れてこられたんですよ。それでも私はここにいてもいいんですか?」
アルベルト様の顔が強張る。
男らしい眉がギュッと眉間に寄せられて私は睨まれた。
「ああ、シャルロット君は狙われているんだ。そんな君に出て行けなんて言えないだろう?君も危険なことはよくわかったはずだ。だから勝手なことをするんじゃないぞ。俺は忙しいんだ」
ああ…やっぱり。私を救ってくれたのはただの責任感からなんだ。
「わかってますわ。私だってそれくらいの事は…」
私は顔をプイっと背ける。
ちょうどドアがノックされてアビーが温かいスープを持ってきてくれた。
「シャルロット様温かいスープをお持ちしました」
「まあ、ありがとうアビーちょうどスープが飲みたいと思ってたの」
「アルベルト様本当にありがとうございました。私スープを頂いたら休みますので」
「ああ、ゆっくり休んでくれシャルロット。俺は忙しいから明日は顔を出せないかもしれないが無理はするんじゃないぞ。アビー頼んだ」
「はい、お任せください旦那様」
アルベルトは安心したかのようにすたすた部屋から出て行った。
もう!アルベルト様なんか!
「シャルロット大丈夫か…もう、君には驚かされっぱなしだ。こんな身体で無理をするなんて…どこか痛いところはないか?」
アルベルト様はずっとわたしを抱いていたのに疲れた様子も見せずに呆れたような顔をしていた。
でも、その声はとても心配そうで私の心はうれしさで震えた。
「ごめんなさい。まだ身体はだるくて立っていることも出来そうにありませんが…そう言えばヨーゼフ先生は?」
「なんだ?もう彼の心配か」
「いえ、彼に解毒の薬草を…」最後まで言わせてもらう間はない。彼が言葉を遮った。
「彼らは牢に入ってる」
「あっ、そうだった。ヨーゼフ先生も…じゃあどうして助けなかったんです。私より先に…」
「何を言ってるんだシャルロット。君は死ぬところだったんだ。君の救出が最優先に決まってるじゃないか!…シャルロット…シャルロット?大丈夫か?おい誰か」
私はまた気を失ったらしい。きっと無理に力を使ったからだろう。
真夜中だがアビーがすぐに駆け付ける。
気が付くとマリーとアビーがすぐそばに付いていた。
「わたし…」
「もう、シャルロット様は無理しすぎなんです。毒がまだ抜けてもいないのにご無理なさったらしいですね」アビーが小言を言う。
「もうお姉さんったら、そんなにシャルロットさんを責めたら可哀想だわ。彼女のお陰で助かったのよ。シャルロットさん、解毒の薬を飲んで下さい。それとドクダミの入ったお茶も飲みましょう」
「ええ、ごめんなさい」
私は少し起き上がるとその薬とお茶を飲む。ドクダミ特有の嫌な臭いもハチミツが入っていておいしかった。
ほっと落ち着くといつの間にかドレスから寝間着に着替えている事に気づく。
そこにアルベルト様が入って来た。
「アビー?シャルロットは大丈夫そうか?」
「はい、旦那様。先ほど気が付かれてたった今解毒の薬を飲まれたところです。なにか消化に良い食べものをご用意しますので旦那様お願いしてもいいですか?」
「ああ、わかった」
アビーとマリーはすぐに部屋を出て行った.
「いえアビー、あの…そんなのいいから」
だって、寝間着姿を見られるのは恥ずかしいもの。
「そんなに嫌か?俺がそばにいるのは」
アルベルト様は少しいじけたような顔で眉間を寄せた。
「違うんです。だって…恥ずかしいから」
「本当か?恥ずかしいからだけか?さっきは一番にヨーゼフの心配をしていた」
「だって…私…身体じゅうがだるくて仕方なかったんですものヨーゼフ先生なら薬をお持ちだと」
「ああ、それはわかってる。だからすぐにアビーを呼ぶつもりだった」
アルベルト様は私のそばに来ようとはしない。ベッドの端に立たれたままで私をじっと見つめたままだ。
もう、私ったら彼がずっと私を抱きかかえて助けてくれたお礼も言っていなかったわ。
「あの…アルベルト様先ほどは本当にありがとうございました。私をずっと抱きかかえていただいて、腕は大丈夫ですか?」
「ああ、いいんだ。君のためならこんな腕の一本や二本どうってことはない」
彼はたくましい腕をぐっと折り曲げて見せた。
「いいから座って少しお休みになってください。もう夜の遅いのに申し訳ありません」
「気にするな。それで身体は少しは楽になったか?」
私は上掛けをぐっと引き上げて顎の下まで手繰り寄せるとやっと安心して彼と視線を合わせた。
ほっとしたからか、またアルベルト様が来た時みたいに身体が温かくなっていく。力が湧いて来て魔力が増えて行く気がした。
「不思議です。アルベルト様効果ってあるんですかね?」
私は思わずつぶやいた。
「何だそれは?」
「えっ?いえ、あなたがいると何だか、ホカホカするって言うか…力が沸き上がるって言うか…不思議なんです」
「それはどういう意味だ?」
もう…あなたが好きって事ですから、言え、それだけではないかもしれませんが、とにかくあなたがそばに来ると私は燃え上がるみたいでして…何て言えるはずもなく。
「あの、アルベルト様って何か不思議な力をお持ちとか?」
「まさか、そんなものはない。あっ、そうだ」
アルベルト様がごそごそポケットの中を探って何かを取り出した。
「早くに返そうと思っていたんだ。でもタイミングが合わなくて…悪いとは思ったんだ。これはムガルの家から勝手に持って来たもので…君のものかと思っていたがカロリーナの櫛らしいんだが…」
アルベルト様が取り出されたのは間違いなく私のお守りの櫛だった。
「あなたが持ち出されたのですか?もう、私大切な櫛を失くしたと思っていたんですよ…」
「えっ?これはシャルロットの櫛なのか?やっぱり?」
「これをいつから持たれていたんですか?」
「夜会の後から…君が捕まって俺は無理やり屋敷に連れ戻されて、君が心配でこれをずっと身に着けていた。でも父の日記の中からアドリエーヌ様の櫛が見つかって、その櫛とそっくりでてっきりカロリーナ殿の櫛を持って来たのかもと思った。でもどうしても離さずにはいられなかったんだ」
私は驚きのあまり声を失う。
もしかして力が蘇って来ていたのはこの櫛のおかげだったの?
牢で凍えそうなときも温かくなってアルベルト様の匂いがして来たのも彼がこの櫛を持っていたおかげなの?
心はむずむずと彼への思いでいっぱいになる。
アルベルト様が私を救ってくれたんだわ。
まさか、この日の為に櫛が彼の手に渡っていたとしたら…
私たちってまさに運命的な関係なのかも…
「でも、驚いたな。この櫛が君の者とは…だってカロリーナもアドリエーヌもコンステンサ帝国の王女だろう?それなのに君も同じ櫛を持っているなんて…とにかく君にこの櫛は返しておく。すまなかった」
「いえ、ありがとうございます」
うっとりした気分はすぐに霧散した。
私はその櫛を彼から受け取る。
彼は視線を向けてくると何か言いたげにしている。
まずいかも…
さすがアルベルト様。勘が鋭い。
私だってつい最近知ったばかりなんですから。その事実は。
ピクリとなった身体を気づかれないように平然を装う。
「だって、私はカロリーナに育ててもらったんです。彼女が作ってくれたんですからよく似ていてもおかしくはありませんわ。きっとカロリーナは自分の櫛を見て私の為に櫛を作ってくれたんでしょう。彼女はそれは優しい人でしたから…」
「ああ、そうだろうな。カロリーナがいてくれてよかった。おかげで君に出会えたんだから…やっと、やっと俺のところに来てくれたねシャルロット…」
アルベルトは納得したらしく、突然彼の顔が途方もないほど甘いマスクになる。
あ、あるべるとさま…
思わずうっとりとなるのも束の間。
でも、ほんとに彼は私をそばに置きたいのだろうかとも不安になる。
だって私たちはただ…ただ過ちを犯しただけで、彼に取ったらあんなのなんでもなかった事で…
どうせ私の事なんか!
私の心は素直にはなれそうになかった。
「いえアルベルト様。あなたのところに来たというより私はここの勝手に連れてこられたんですよ。それでも私はここにいてもいいんですか?」
アルベルト様の顔が強張る。
男らしい眉がギュッと眉間に寄せられて私は睨まれた。
「ああ、シャルロット君は狙われているんだ。そんな君に出て行けなんて言えないだろう?君も危険なことはよくわかったはずだ。だから勝手なことをするんじゃないぞ。俺は忙しいんだ」
ああ…やっぱり。私を救ってくれたのはただの責任感からなんだ。
「わかってますわ。私だってそれくらいの事は…」
私は顔をプイっと背ける。
ちょうどドアがノックされてアビーが温かいスープを持ってきてくれた。
「シャルロット様温かいスープをお持ちしました」
「まあ、ありがとうアビーちょうどスープが飲みたいと思ってたの」
「アルベルト様本当にありがとうございました。私スープを頂いたら休みますので」
「ああ、ゆっくり休んでくれシャルロット。俺は忙しいから明日は顔を出せないかもしれないが無理はするんじゃないぞ。アビー頼んだ」
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