組織から孤島に逃げ落ちた元悪役令嬢は花屋を開きモフモフ動物達とスローライフを送っていたら世界トップレベルの魔石商になってしまった件⁉
伝家の宝刀
これは前日の深夜、私達が死闘を繰り広げて宿部屋に戻った直後の事。
「……で、お前らの目的はなんじゃ?」
小次狼さんは、縄できつく縛って身動きが出来なくなった黒ずくめの男達に厳しい口調で問う。
が、静かに目を閉じて、だんまりを決め込む賊3人。
(どちらにせよ、自分達がしょっ引かれるのが理解出来てるだろうし。そりゃ簡単には口は割らないよね……)
「お前達の同志2人は誇り高く戦って死んでいったぞ……」
……その小次狼さんの話の内容に、わずかだが3人の賊の動揺する姿が見られる。
その証拠に今クロウから「心拍数が上がった」と、小声で教えてもらったしね。
(おそらく小次狼さんの事だから、吐くまで誘導尋問していくつもりなんだろうね)
「ふむ、お前達が目的を喋らないのは、お前達がしょっ引かれるのがわかりきっているからであろうが……」
やはり賊3人の反応はそこからは変わらない。
「申し訳ないが、儂はお前達が必ず吐く方法を知っておるし、今までそれを実践してきた。そう、お前達の同胞を簡単に返り討ちしたようにな……」
「また、心拍数が上がりました……」
今度は敢えて自身の言葉を述べるクロウ。
「まあ、イッカ国の法律上生殺与奪権はこちらにあるのは、お前達も理解していよう?」
「また、心拍数が上がりました……。かなり動揺してますね」
そのやり取りにたまらなくなったのか、精神力の一番弱い賊の1人が遂に言葉を放つ!
「お、俺達はどうせ殺される! だからお前達の好きにするがいい!」
そう、おそらく組織の手の者か、それか別のものか分からないけど多分きっとそうなるだろう……。
「この人、言っていることが本当ですね……。2人も同様死覚悟が出来てます」
読心術の魔法で心を読んだクロウは、少し悲し気な表情を見せる。
ここいらが、クロウノの長所であり短所でもある……。
「そうだな。だが、もし生きる方法があるとしたらどうじゃ?」
「……えっ!」
「……3人とも思いっきり動揺してますね。そりゃ本当は死にたくないでしょうから……」
「じゃ、決まりね」
そう、拷問して簡単に吐かせる方法もあるんだけれど、私達はもう裏の人間ではない。
なるべくなら穏便に平和的に解決を願っているのだ。
さっきの戦闘は命をかけた戦い。
貴族風に語るならば誇り高き決闘、相手も当然死ぬ覚悟は出来ているはずであろうしね。
これとはまた別件なのである。
「お前達は禅国というものを知っているか?」
「ああ……死をおそれない義に厚い侍が住む国だろう?」
「そうだ。そこが儂の故郷であり、儂はそこの領主に顔が利く」
3人の賊はお互い顔を見合わせている。
おそらく、どうするかアイコンタクトでも取っているのであろう。
「3人とも心の中では乗り気です。この話と命が助かる話が本当ならば……」
「なるほど、そりゃそうじゃろうな……」
小次狼さんは自身の懐からゴソゴソと何かを取り出し、賊達に見せる。
「こ、これは……?」
「ぜ、禅国の印籠……?」
「純銀ということは、国の貴族か重鎮だぞ……?」
そう、小次狼さんが見せたのは手のひらに収まる黒色の印籠に純銀で禅と書かれたものだった。
よく見ると印籠には金色の龍の根付がつけられている。
「よく見ろ! 印籠にき、金の龍」
「と、という事は、ぜ、『禅国の雷龍』」
「元忍びの統領、雷龍 小次狼……」
3人の賊は小次狼さんの正体を理解し、途端に青ざめてしまう。
「そうじゃ。なに悪い事はせん、儂の国に下り忍びになれば生き残る選択肢があるということを主らに伝えたいだけじゃな……」
「じ、嬢ちゃん、本当か?」
3人の賊は必死になり、クロウに訴えかける。
「思いっきり本当ですし、更に付け加えるなら『儂の部下と貴重な情報源が増えてラッキー!』って小次狼さんは思ってますよ?」
「こ、こらこら余計な事は言わんでよろしい……」
……険しい目で小次狼さんを見る私に気が付き、慌てまくる小次狼さんでした。
「……で、お前らの目的はなんじゃ?」
小次狼さんは、縄できつく縛って身動きが出来なくなった黒ずくめの男達に厳しい口調で問う。
が、静かに目を閉じて、だんまりを決め込む賊3人。
(どちらにせよ、自分達がしょっ引かれるのが理解出来てるだろうし。そりゃ簡単には口は割らないよね……)
「お前達の同志2人は誇り高く戦って死んでいったぞ……」
……その小次狼さんの話の内容に、わずかだが3人の賊の動揺する姿が見られる。
その証拠に今クロウから「心拍数が上がった」と、小声で教えてもらったしね。
(おそらく小次狼さんの事だから、吐くまで誘導尋問していくつもりなんだろうね)
「ふむ、お前達が目的を喋らないのは、お前達がしょっ引かれるのがわかりきっているからであろうが……」
やはり賊3人の反応はそこからは変わらない。
「申し訳ないが、儂はお前達が必ず吐く方法を知っておるし、今までそれを実践してきた。そう、お前達の同胞を簡単に返り討ちしたようにな……」
「また、心拍数が上がりました……」
今度は敢えて自身の言葉を述べるクロウ。
「まあ、イッカ国の法律上生殺与奪権はこちらにあるのは、お前達も理解していよう?」
「また、心拍数が上がりました……。かなり動揺してますね」
そのやり取りにたまらなくなったのか、精神力の一番弱い賊の1人が遂に言葉を放つ!
「お、俺達はどうせ殺される! だからお前達の好きにするがいい!」
そう、おそらく組織の手の者か、それか別のものか分からないけど多分きっとそうなるだろう……。
「この人、言っていることが本当ですね……。2人も同様死覚悟が出来てます」
読心術の魔法で心を読んだクロウは、少し悲し気な表情を見せる。
ここいらが、クロウノの長所であり短所でもある……。
「そうだな。だが、もし生きる方法があるとしたらどうじゃ?」
「……えっ!」
「……3人とも思いっきり動揺してますね。そりゃ本当は死にたくないでしょうから……」
「じゃ、決まりね」
そう、拷問して簡単に吐かせる方法もあるんだけれど、私達はもう裏の人間ではない。
なるべくなら穏便に平和的に解決を願っているのだ。
さっきの戦闘は命をかけた戦い。
貴族風に語るならば誇り高き決闘、相手も当然死ぬ覚悟は出来ているはずであろうしね。
これとはまた別件なのである。
「お前達は禅国というものを知っているか?」
「ああ……死をおそれない義に厚い侍が住む国だろう?」
「そうだ。そこが儂の故郷であり、儂はそこの領主に顔が利く」
3人の賊はお互い顔を見合わせている。
おそらく、どうするかアイコンタクトでも取っているのであろう。
「3人とも心の中では乗り気です。この話と命が助かる話が本当ならば……」
「なるほど、そりゃそうじゃろうな……」
小次狼さんは自身の懐からゴソゴソと何かを取り出し、賊達に見せる。
「こ、これは……?」
「ぜ、禅国の印籠……?」
「純銀ということは、国の貴族か重鎮だぞ……?」
そう、小次狼さんが見せたのは手のひらに収まる黒色の印籠に純銀で禅と書かれたものだった。
よく見ると印籠には金色の龍の根付がつけられている。
「よく見ろ! 印籠にき、金の龍」
「と、という事は、ぜ、『禅国の雷龍』」
「元忍びの統領、雷龍 小次狼……」
3人の賊は小次狼さんの正体を理解し、途端に青ざめてしまう。
「そうじゃ。なに悪い事はせん、儂の国に下り忍びになれば生き残る選択肢があるということを主らに伝えたいだけじゃな……」
「じ、嬢ちゃん、本当か?」
3人の賊は必死になり、クロウに訴えかける。
「思いっきり本当ですし、更に付け加えるなら『儂の部下と貴重な情報源が増えてラッキー!』って小次狼さんは思ってますよ?」
「こ、こらこら余計な事は言わんでよろしい……」
……険しい目で小次狼さんを見る私に気が付き、慌てまくる小次狼さんでした。
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