亡命した貴族令嬢は隣国で神のような愛に包まれ、名家奪還の大逆転を遂げます!
Episode11
ライクス王国に亡命しなさい──!?
もう一通の封筒は亡命手続きに関する書類でございました。そして父の遺書はこう締め括られています。
『……私は長年に渡り、国の政権に従事してきた。残念ながら現王族の政治は腐りきっている。いずれライクス王国に飲み込まれるだろう。
フロリアン、不遇な扱いを受けるようならベリューム家から離れる事に躊躇せず迷わずライクス王国に亡命しなさい。手筈は整えてある。そこで幸せに生きて欲しい。──父より』
「お父様……」
「お嬢様、大旦那様は莫大な財産をライクス王国にお隠しになられてます」
「ま、まさか、こうなる事を予測されていたのでしょうか?」
「さあ、私には分かりかねます。しかしあの聡明な大旦那様の事です。ライクス王国へ吸収された後をお考えになられていたのかもしれません」
確かに父は聡明だと思います。私は父から色んな事を教わりました。留学もさせて頂きました。改めて考えますと、父が外交の主宰であったからこそ、カアラプシャン国はどうにかライクス王国と渡り歩いて行けたのです。それがアイツだと……
「大旦那様は散財家と言われてますが、単に贅沢三昧な生活をなさっていた訳ではございません。ライクス王国で事業を行い、お屋敷を建て財産を移しておられたのです」
「そうだったの……」
私は目を閉じて暫く父の面影を偲んでおりました。そして、決心したのです。
「私、ライクス王国へ亡命致します!」
「ははっ、このディーナに万事お任せください」
「お、お嬢様、私もお供したいです!」
「勿論よ、ユリカ!三人で行きましょう!」
゚・*:.。. ☆☆.。.:*・゜゚・*:.。. ☆☆.。.:*・゜゚・*:.。. ☆☆
それから数日間、ディーナのお屋敷で手続きが終わるのを待っておりました。彼は毎日何処かへお出掛けになり、時には戻らない日もございます。
「お嬢様、お手続きって大変なのでしょうか?」
「審査にお時間がかかってるのでしょう。それに……」
一口に亡命と申しましても、そう簡単な事でありません。申告無く勝手に国境を越えると『密入国』となりますし、見つかればその場で捕まるでしょう。因みに密入国者とは、密かに警備の薄い国境を渡るか、就労など一時的に入国したものの、期限を過ぎても居座る人たちを指します。
では亡命とは?でございますが、一般人と貴族で申請が異なります。一般人の場合、入国を管理するお役所に難民申請を致します。ただ、民族紛争、経済的窮乏など、しっかりとした理由が必要になってきます。
貴族の場合、政治的な事情がなければ受け入れられません。私は皇族に公爵家を乗っ取られたのです。つまり迫害を受けました。それに私は長年、外交の主宰であった父の娘でございます。諜報員としての利用価値も多分にあるでしょう。
「でも、お国を売るような真似はしたくありませんわ」
私はユリカに話してるつもりだったのですが、いつの間にかディーナがお屋敷へ戻っていました。
「お嬢様、我が国はライクス王国の庇護を受けた方が豊かになると私は思っていますよ。だから諜報員でも何でも宜しいのです」
「デ、ディーナ!戻ってたの!」
「はい、お嬢様。準備が整いましたので明朝出発致します!」
「明朝──」
い、いよいよですか。私は緊張して今晩眠れそうにありません!
もう一通の封筒は亡命手続きに関する書類でございました。そして父の遺書はこう締め括られています。
『……私は長年に渡り、国の政権に従事してきた。残念ながら現王族の政治は腐りきっている。いずれライクス王国に飲み込まれるだろう。
フロリアン、不遇な扱いを受けるようならベリューム家から離れる事に躊躇せず迷わずライクス王国に亡命しなさい。手筈は整えてある。そこで幸せに生きて欲しい。──父より』
「お父様……」
「お嬢様、大旦那様は莫大な財産をライクス王国にお隠しになられてます」
「ま、まさか、こうなる事を予測されていたのでしょうか?」
「さあ、私には分かりかねます。しかしあの聡明な大旦那様の事です。ライクス王国へ吸収された後をお考えになられていたのかもしれません」
確かに父は聡明だと思います。私は父から色んな事を教わりました。留学もさせて頂きました。改めて考えますと、父が外交の主宰であったからこそ、カアラプシャン国はどうにかライクス王国と渡り歩いて行けたのです。それがアイツだと……
「大旦那様は散財家と言われてますが、単に贅沢三昧な生活をなさっていた訳ではございません。ライクス王国で事業を行い、お屋敷を建て財産を移しておられたのです」
「そうだったの……」
私は目を閉じて暫く父の面影を偲んでおりました。そして、決心したのです。
「私、ライクス王国へ亡命致します!」
「ははっ、このディーナに万事お任せください」
「お、お嬢様、私もお供したいです!」
「勿論よ、ユリカ!三人で行きましょう!」
゚・*:.。. ☆☆.。.:*・゜゚・*:.。. ☆☆.。.:*・゜゚・*:.。. ☆☆
それから数日間、ディーナのお屋敷で手続きが終わるのを待っておりました。彼は毎日何処かへお出掛けになり、時には戻らない日もございます。
「お嬢様、お手続きって大変なのでしょうか?」
「審査にお時間がかかってるのでしょう。それに……」
一口に亡命と申しましても、そう簡単な事でありません。申告無く勝手に国境を越えると『密入国』となりますし、見つかればその場で捕まるでしょう。因みに密入国者とは、密かに警備の薄い国境を渡るか、就労など一時的に入国したものの、期限を過ぎても居座る人たちを指します。
では亡命とは?でございますが、一般人と貴族で申請が異なります。一般人の場合、入国を管理するお役所に難民申請を致します。ただ、民族紛争、経済的窮乏など、しっかりとした理由が必要になってきます。
貴族の場合、政治的な事情がなければ受け入れられません。私は皇族に公爵家を乗っ取られたのです。つまり迫害を受けました。それに私は長年、外交の主宰であった父の娘でございます。諜報員としての利用価値も多分にあるでしょう。
「でも、お国を売るような真似はしたくありませんわ」
私はユリカに話してるつもりだったのですが、いつの間にかディーナがお屋敷へ戻っていました。
「お嬢様、我が国はライクス王国の庇護を受けた方が豊かになると私は思っていますよ。だから諜報員でも何でも宜しいのです」
「デ、ディーナ!戻ってたの!」
「はい、お嬢様。準備が整いましたので明朝出発致します!」
「明朝──」
い、いよいよですか。私は緊張して今晩眠れそうにありません!
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