実話「静かに…」怪談

実話怪談の人

「静かに…」

実家暮らしで、夜勤×日勤交代制の
職場で働いている男性です。
怖い話や怪談の類を聞くことが好きで、
通勤時間や寝る前など、いつもスマホから
お気に入りの怪談をBGMにしています。
自分の祖父、曾祖母が「祈祷師」という
仕事をやっているのを小さい頃から近くで見ていた為、中学生頃には自分の心には

「幽霊が見たい、幽霊と話したい」

と思うようになりましたが、当然そんな力はつくはずもなく、ただただ怪談好きに育っていきました。
いつしかそれは、怪談たくさん聞いて、
霊感つけて、死んだばあちゃんに会いたい、死んだばあちゃんと話したい。
そう思うようになりました。



僕の仕事は日勤と夜勤の交替制で、その日は夜勤だったので朝の6時30分に自宅に帰りました。
そしてこの日も夜勤だったので、昼過ぎに寝て、夜起きようと計算をして、お風呂に入ってお酒を飲んで、時計をみると13時30分を過ぎていたので眠気が勝り、2階にある自室に行くことにしました。
リビングには妹がいたので、念の為に

「起きれなかったら20時に起こして」

と頼んで自室に入り、ベッドに横になったのです。横になりながらスマートフォンでいつものお気に入りの怪談や怖い話を流していると、少ししてから眠気が落ちてきて、そのまま眠り込んでしまいました。


何時間寝たのか、ふと意識がぼんやりして、耳にはスマートフォンから流れる怪談が薄く聞こえてきてます。
「まだ寝れるんわ…」
と思い、布団をかけ直して壁側に横向きになって目をつぶりました。
耳にはまだかすかに怪談が聞こえてきてる、
フワッと眠りに入れそうだったその時、
「クンックンッ」
と、布団からはみ出たTシャツの裾を2回程
引っ張られる感覚があり、
「ん?」と少し考えて「猫かな?」と思ってまた寝ようとしたのですが、
(家では猫を飼っていて自室で寝てるとたまにベッドに上がってくる)
「猫は引っ張らん!」
そう思った瞬間一瞬で身体がピシッと動かなくなってしまいました。
金縛り…かよ、と思いましたが普段金縛りのときには口を開けて声を出そうとしたり、身体を力任せに無理やり動かそうとすると大概解ける事を知っていたので、今回も身体を無理やり捻って動かそうとしましたがなぜかビッシリ固まって動かない、ならばと思い口を開けて声を出そうとしても声が全く出ない、
なんだこれちょっといつもと違うかもと思い

「あっ…ああぁ…あ…」

思いっきり出そうとしても声がかすれて全然出ない。まいったなぁと思って再度口を開けた時、

「静かに…静かに…」

全く聞いた事のない男なんだけど年齢もわからない声が頭に入ってきました。
壁側を向いている自分の後ろに何かが、誰かが居ると思った瞬間

「うわああああ!」

声と身体が同時に自由になり、怖さのあまりそのまま1階のリビングへ駆け下りて行きました。
リビングにいた妹に、焦った僕はその事を話すと、チラッとこっちを見てから

「たまに足音するしね、連れてきてる時あるよね」

参ったなぁと思いながらも携帯も何もかも
ベッドにある為2階に行かなければ…
その時にはもう、ただ怖すぎて冒頭で話した
「霊がみたい」「霊と話したい」
そんな事は頭にあらず恐る恐る部屋に行くとそこはもういつもの部屋でした。
もう少し寝なければならないため、昔祖父に教えてもらった『霊を怒って祓う』という方法を思い出したので、

「もう、来るなよ!!」

と、少し強めに言ってビビりながら布団に入りました。
その後なにも起きることなく仕事まで寝れましたが、あれが誰で何をしようとして来てたのかはわからないです。
もしあの引っ張られた時振り向いていたら、
声を聞いても好奇心から、金縛りを解こうとしないで身を任せていたらどうなっていたかはわからないです。色々すっきりしなくて、でもなんかその時はものすごく怖いと思いました。


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