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あらすじ
読切・短編。
中世ヨーロッパ。とある町の領主が教会でミサの最中に倒れ、病床に伏して亡くなる。
原因は、領主が生前に船で訪れた島で、未知の伝染病に感染したせいと思われた。
その証拠に、町民も次々に同じ症状で亡くなった。
亡き領主の一人息子である幼い若君は、自分が「死病をバラまいた暗君の息子」として領民から忌み嫌われるようになったのを知らず、けなげに町に尽くした。
一途に町の平和を祈り続ける幼い若君の枕元に、突然、天使と見まごう美貌の悪魔アルミルスが現れ、「死後の魂と引き換えに、願いをひとつ叶えて差し上げる」と甘言を申し出る。
そこには、狡猾な策略がひそんでいたのだが……
汚れない優しい童心が、悪魔の狡知をひとりでに打ち砕く。耽美で幻想的かつ爽快な読後感のオカルト・ファンタジーです。