受験戦争

清水レモン

バラード

 ありとあらゆる記憶のなかで、ひときわ異彩を放つものたちがある。どうしようもなくて扱いに困るけれど、まぎれもなく自分自身のことだから諦めます。容赦なき再生回数が絶望を映し出したとしても、それはもうすでに感情から切り離された偶像でしかありません。いつまで飾っておきますか。気にしなければ、しないですむのですよ。これは自戒です。よみがえる思い出に酔っては、なりませぬ。あれは幻、都合よくセレクトした破片にすぎないからです。
 さあ、なぜ、あなたは届けようとするのです。なにゆえ心の解放を得てもなお、茨を求めてしまうのでしょう。いえ愚問。そうでした、あなたには使命がおありのようですね。

 アドバイスを宇宙からのメッセージとして伝えたことがあるのですね?
 ならば簡単な話です。どうぞ、続きを。いまなお輪廻は呼吸の律動を守りながら、旋律を求めております。私も、そのひとり。観測者の顔をしてましたが、まぎれもなく受験生でした。どっぷり、ひたっていたのですよ。あなたの話のように接していましたが、まぎれもなく私そのもの。そうでした、私には役割を果たす責務があるのです。なあに、簡単なことで、要約すればひとこと『安心してね』大丈夫よ。あなたが生き抜いた日々は、自分自身の発掘の旅でもあったの。いつも旋律が寄りそっていたことを思い出してみてください。懐かしくも思い出しきれない、新しくてトガリまくっているのに優しく甘く力強く芯から芯へ伝導するあの歌。アルバムを締めくくるバラッドではなく、コンサートの開演を告げるバラードです。




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