呪いを解くには、セ×クスするしかありません?!
CEO……?!7
そのまま、萌も天馬も互いに行き来することなく、二週間が過ぎた。
そのころには、萌もとっくに反省していた。
私、天馬くんにひどい言葉をぶつけてしまった。
大っ嫌い、出て行って、絶交、なんて。
実際、口も利かないで無視するなんて。
天馬くん、傷ついた顔をしてた。寂しそうな声を出してた。
喧嘩の原因についても反省している。
コネだったことには腹を立てたが、ナレーション仕事以降、ぽつぽつと途絶えることなく仕事が舞い込んでいる。
確かに天馬はきっかけを与えてくれたのだ。
舞い込む仕事には、一回、数千円のものもあったが、小さな仕事でも、軽んじずに丁寧に心掛けた。何しろ、自分のしたかったことだ。それで、お金をもらえるなんて、夢のようだ。
そのうち、萌は天馬と話したくてしようがなくなった。
いつも穏やかに萌の話を聞いてくれた。そして、心に響く言葉をくれた。早くそういうやり取りがしたくなった。
天馬くん、会いたいよ……!
萌の生活に天馬がいないと萌は寂しいのだ。
小さい頃から天馬は萌の味方だった。
親に怒られても天馬の部屋に行けば、完全に味方の立場で話を聞いてくれた。
天馬が中学生になり急に忙しくなっても、部屋に行けば追い返されることはなかった。
天馬も小学生の萌になら弱さを見せられるのか、バスケの試合に負ければ、「萌ちゃん、俺、負けちゃった」と萌の前で泣いていた。
天馬がアメリカに行ったときには、萌も中学でそれなりに忙しかったために、やり取りは途絶えていたが、帰国して顔を合わせれば、二年のブランクなど吹き飛んだ。だから、天馬が泣くのをこらえていたことなどひと目でわかった。
すがりついて泣く天馬の背中を撫でてやりながら、「自分のところに戻った」そんな感覚を抱いて、どことなくほっとしたものだった。
声優の夢を最初に相談したのも天馬だし、背中を押してくれたのも天馬だ。
天馬はずっと萌をそばで支えてくれた一番の手下分だった。
天馬の部屋に電気が点いたら会いに行こうと思うも、ここずっと、天馬は留守だ。
会社でたまに姿を見るも、清掃員の立場では話しかけるのにもためらう。
メッセージでも送ればいいと思うも、メッセージでやり取りするような仲とも違う。
会いたいときに会える人。
萌にとって天馬はそんな人だった。
でも、会いたいのに、なかなか会えない。
もしかしたら、天馬くんが私にいつでも会えるように合わせてくれていたの?
今度会ったら、すぐに謝ろう。言い過ぎてごめんねって。早く仲直りしたい。
謝ればすぐに天馬は許してくれる。いつもそうだったのだから。
CEO室の床に、倒れている天馬の姿を見つけたのはそんな矢先のことだった。
掃除道具を手にフロアに入り、CEO室のドアを開けるなり、萌は立ちすくんだ。
そのころには、萌もとっくに反省していた。
私、天馬くんにひどい言葉をぶつけてしまった。
大っ嫌い、出て行って、絶交、なんて。
実際、口も利かないで無視するなんて。
天馬くん、傷ついた顔をしてた。寂しそうな声を出してた。
喧嘩の原因についても反省している。
コネだったことには腹を立てたが、ナレーション仕事以降、ぽつぽつと途絶えることなく仕事が舞い込んでいる。
確かに天馬はきっかけを与えてくれたのだ。
舞い込む仕事には、一回、数千円のものもあったが、小さな仕事でも、軽んじずに丁寧に心掛けた。何しろ、自分のしたかったことだ。それで、お金をもらえるなんて、夢のようだ。
そのうち、萌は天馬と話したくてしようがなくなった。
いつも穏やかに萌の話を聞いてくれた。そして、心に響く言葉をくれた。早くそういうやり取りがしたくなった。
天馬くん、会いたいよ……!
萌の生活に天馬がいないと萌は寂しいのだ。
小さい頃から天馬は萌の味方だった。
親に怒られても天馬の部屋に行けば、完全に味方の立場で話を聞いてくれた。
天馬が中学生になり急に忙しくなっても、部屋に行けば追い返されることはなかった。
天馬も小学生の萌になら弱さを見せられるのか、バスケの試合に負ければ、「萌ちゃん、俺、負けちゃった」と萌の前で泣いていた。
天馬がアメリカに行ったときには、萌も中学でそれなりに忙しかったために、やり取りは途絶えていたが、帰国して顔を合わせれば、二年のブランクなど吹き飛んだ。だから、天馬が泣くのをこらえていたことなどひと目でわかった。
すがりついて泣く天馬の背中を撫でてやりながら、「自分のところに戻った」そんな感覚を抱いて、どことなくほっとしたものだった。
声優の夢を最初に相談したのも天馬だし、背中を押してくれたのも天馬だ。
天馬はずっと萌をそばで支えてくれた一番の手下分だった。
天馬の部屋に電気が点いたら会いに行こうと思うも、ここずっと、天馬は留守だ。
会社でたまに姿を見るも、清掃員の立場では話しかけるのにもためらう。
メッセージでも送ればいいと思うも、メッセージでやり取りするような仲とも違う。
会いたいときに会える人。
萌にとって天馬はそんな人だった。
でも、会いたいのに、なかなか会えない。
もしかしたら、天馬くんが私にいつでも会えるように合わせてくれていたの?
今度会ったら、すぐに謝ろう。言い過ぎてごめんねって。早く仲直りしたい。
謝ればすぐに天馬は許してくれる。いつもそうだったのだから。
CEO室の床に、倒れている天馬の姿を見つけたのはそんな矢先のことだった。
掃除道具を手にフロアに入り、CEO室のドアを開けるなり、萌は立ちすくんだ。
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