呪いを解くには、セ×クスするしかありません?!
CEO……?!5
萌はすこぶる好調だった。
ナレーションの仕事は好評だった。
それを実績として、事務所のHPにも載せれば、反響があったようで、新たなナレーション仕事が舞い込んだ。
SNSにも載せれば、しばらく会っていない同級生や顔見知り程度の知人からも反応があった。
着実に前に進んでいることを感じている。
天馬に報告に行けば、やはり、自分のことのように喜んでくれた。
「実績って大事なんだね。ナレーション仕事のおかげで道が開けた気がする」
「これからもどんどん道は開けるよ」
天馬は、別れ際には、毎回、キス待ち顔をするようになった。
頬にしようとすると、すっと顔がずれて、唇が重なってしまった。それ以来、唇へのキスが習慣になった。
チュ、とついばむだけのキスを交わす。
そのうち、天馬に引き寄せられて、天馬の膝に横座りするようになった。
だんだんと、唇を唇で食むようにキスされるようになった。
キスの間じゅう、天馬は手のひらで萌えの背中を撫でている。
天馬の膝の上で天馬に両手ですっぽりと包まれて、萌は安心する。
口に舌が入ってきて、萌は戸惑った。萌が身じろぐと天馬は唇を外した。
萌が少しでも後ろに引くとすぐに離れてくれるものの、天馬がそれ以上に進みたがっているのもわかっている。
「萌、好きだよ」
そう言って目を細めてくる天馬からは色香が漂っており、それに萌はドキドキしてしまうも、そこから先は尻込みしている。
天馬くんとはキスもそれ以上も多分できるけど、今はただ私を応援してくれる手下分の天馬くんにそばにいて欲しい。
そういう関係になって自分の中で何かが変わってしまうのは怖かった。声優になる以上に天馬に夢中になりそうな予感もあった。
早く声優って言えるようになりたい。天馬くんとのことはそれからだ。
これは我がままなのかな。
でも、天馬くんなら待ってくれるよね?
清掃員の仕事も順調にこなしている。オフィスでときおり見かけるCEOの天馬にも慣れてきた。
ここまで来ると、天馬のオフィスで清掃をしていることを言い出しづらくなっている。
だが、黙ったままなのは騙しているようで悪い気もする。
でも、私に気づかない天馬くんも悪いよね、と開き直る気持ちもある。
それに、結構、秘書とイチャイチャやってるしさ。
といっても、秘書のほうが、天馬の背中に手を当てたり、やたらと口を天馬の耳に寄せて、ひそひそと喋ったりするだけで、天馬の方はまったく興味がなさそうではあった。
だって、天馬くんは私のことが好きなんだもんね。
その日、CEO室のモップをかけていた萌に、ふとピンナップボードの写真が目に入った。
仕事に余裕が出てきた証拠だ。
あ、これ、あのときの写真だ。
天馬がアメリカに行くとき、見送りに行った空港で撮ったものだ。
天馬に萌に、天馬の両親に萌の両親も一緒に写っている。
あ、これ、私とのツーショットだ。
専門学校の卒業式の日の写真だ。そのときにも天馬が送迎してくれた。
萌の振り袖姿を撮ってくれて、そのあと、二人でも撮った。
やだ、恥ずかしい。
この写真を撮った頃から、冗談っぽく「好きだ」と天馬は伝えてくるようになった。
ユニフォーム姿の天馬がチームメートらしき仲間と肩を組んで写っている写真もあった。
高校時代の天馬くん、わあ、若い。
あれ、この人………?
天馬の隣で笑っている顔に萌はハッとする。
会社案内ビデオのナレーションをやった会社の会長に似ている。
見れば見るほど似ている。
その会社は、やはりITベンチャーの会社だった。会長の松本は、オーディションにも録音のときにも顔を出していた。
三十前後の松本会長は、萌に人懐っこく声をかけてきて、名刺をくれた。
萌の声を気に入ってくれて、これからも使いたいと言ってくれた。
松本会長と、天馬くんは知り合いだったの?
萌の心はざわついた。
家に帰って検索してみると、松本会長と天馬は高校時代のバスケットボール部の先輩と後輩であり、ネットで少し調べるだけで、二人の仲が深いということはすぐにわかった。
これって…………?
これってどういうことだ…………?
このオーディション、どうやって知ったんだっけ。
記憶をたどって萌は凍り付いた。
オーディション情報、天馬くんが教えてくれたものだ……!
ナレーションの仕事は好評だった。
それを実績として、事務所のHPにも載せれば、反響があったようで、新たなナレーション仕事が舞い込んだ。
SNSにも載せれば、しばらく会っていない同級生や顔見知り程度の知人からも反応があった。
着実に前に進んでいることを感じている。
天馬に報告に行けば、やはり、自分のことのように喜んでくれた。
「実績って大事なんだね。ナレーション仕事のおかげで道が開けた気がする」
「これからもどんどん道は開けるよ」
天馬は、別れ際には、毎回、キス待ち顔をするようになった。
頬にしようとすると、すっと顔がずれて、唇が重なってしまった。それ以来、唇へのキスが習慣になった。
チュ、とついばむだけのキスを交わす。
そのうち、天馬に引き寄せられて、天馬の膝に横座りするようになった。
だんだんと、唇を唇で食むようにキスされるようになった。
キスの間じゅう、天馬は手のひらで萌えの背中を撫でている。
天馬の膝の上で天馬に両手ですっぽりと包まれて、萌は安心する。
口に舌が入ってきて、萌は戸惑った。萌が身じろぐと天馬は唇を外した。
萌が少しでも後ろに引くとすぐに離れてくれるものの、天馬がそれ以上に進みたがっているのもわかっている。
「萌、好きだよ」
そう言って目を細めてくる天馬からは色香が漂っており、それに萌はドキドキしてしまうも、そこから先は尻込みしている。
天馬くんとはキスもそれ以上も多分できるけど、今はただ私を応援してくれる手下分の天馬くんにそばにいて欲しい。
そういう関係になって自分の中で何かが変わってしまうのは怖かった。声優になる以上に天馬に夢中になりそうな予感もあった。
早く声優って言えるようになりたい。天馬くんとのことはそれからだ。
これは我がままなのかな。
でも、天馬くんなら待ってくれるよね?
清掃員の仕事も順調にこなしている。オフィスでときおり見かけるCEOの天馬にも慣れてきた。
ここまで来ると、天馬のオフィスで清掃をしていることを言い出しづらくなっている。
だが、黙ったままなのは騙しているようで悪い気もする。
でも、私に気づかない天馬くんも悪いよね、と開き直る気持ちもある。
それに、結構、秘書とイチャイチャやってるしさ。
といっても、秘書のほうが、天馬の背中に手を当てたり、やたらと口を天馬の耳に寄せて、ひそひそと喋ったりするだけで、天馬の方はまったく興味がなさそうではあった。
だって、天馬くんは私のことが好きなんだもんね。
その日、CEO室のモップをかけていた萌に、ふとピンナップボードの写真が目に入った。
仕事に余裕が出てきた証拠だ。
あ、これ、あのときの写真だ。
天馬がアメリカに行くとき、見送りに行った空港で撮ったものだ。
天馬に萌に、天馬の両親に萌の両親も一緒に写っている。
あ、これ、私とのツーショットだ。
専門学校の卒業式の日の写真だ。そのときにも天馬が送迎してくれた。
萌の振り袖姿を撮ってくれて、そのあと、二人でも撮った。
やだ、恥ずかしい。
この写真を撮った頃から、冗談っぽく「好きだ」と天馬は伝えてくるようになった。
ユニフォーム姿の天馬がチームメートらしき仲間と肩を組んで写っている写真もあった。
高校時代の天馬くん、わあ、若い。
あれ、この人………?
天馬の隣で笑っている顔に萌はハッとする。
会社案内ビデオのナレーションをやった会社の会長に似ている。
見れば見るほど似ている。
その会社は、やはりITベンチャーの会社だった。会長の松本は、オーディションにも録音のときにも顔を出していた。
三十前後の松本会長は、萌に人懐っこく声をかけてきて、名刺をくれた。
萌の声を気に入ってくれて、これからも使いたいと言ってくれた。
松本会長と、天馬くんは知り合いだったの?
萌の心はざわついた。
家に帰って検索してみると、松本会長と天馬は高校時代のバスケットボール部の先輩と後輩であり、ネットで少し調べるだけで、二人の仲が深いということはすぐにわかった。
これって…………?
これってどういうことだ…………?
このオーディション、どうやって知ったんだっけ。
記憶をたどって萌は凍り付いた。
オーディション情報、天馬くんが教えてくれたものだ……!
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