呪いを解くには、セ×クスするしかありません?!

文野

CEO……?!2

 混乱を抱えて停止していた思考は、家にたどり着いたとたんに活発になった。
 えっと、何だったっけ会社名。
 曖昧にしか思い出せなかった。スイカ? スカイ? 
 え、天(スカイ)、馬(ホース)?
 そうだ、天馬くんの名前で検索すればいいじゃん。
 桐生天馬で、検索すれば、すぐに出てきた。
 スカイホース社CEO。アメリカの友人と共同でアプリ開発。起業6年目にして年商30億。
 会社紹介記事にはすごそうなことが並べられて、天馬そっくりの人が美麗に笑っている。
 顔も名前もそっくりさん?
 萌はそう思おうとした。
 そうだよ、あの天馬くんがITベンチャーのCEOのわけがない。
 ジャージだし、子ども部屋おじさんだし、泣き虫だし。
 美人秘書にも女優にも狙われているCEOのはずがないじゃん。そう、これは何かの間違いだ。
 私と同じフリーターのはず。

 夜になって帰ってきた母親に訊いてみた。

「あのさー、天馬くんって、もしかして、会社経営してる?」
「自営でしょ? 結構稼いでるみたいよ、自動車だって良いの乗ってるし」
「自動車? あれ、高いの?」
「高いでしょ、レキサス、だとか、レクシスだとか、高級車みたいよ」
「ふうん」

 萌はしょっちゅう天馬を足代わりにしている。
 ちょっと買い物に行きたい、程度の用事でも、天馬は気軽に車を出してくれる。
 そういえば、毎年のように自動車が新しくなってるような気がする。
 私は高級車を足に使っていたの?
 天馬の窓を見張っていたが、その日は電気が点くことはなかった。
 定職に就いてないから、不定期に出て行っているのではなかったの? 
 CEOだからだったの?
 そんなわけないよね。
 ただの子ども部屋おじさんだよね。

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