一途な淫魔の執着愛

森本イチカ

ーー4ー4

「日和がすげぇ締めつけてくる。俺の事離さないって思ってくれてるのか?」


 大切な場所が繋がったまま洸夜は日和の顔をしっかりと見つめてくる。屈託のないまっすぐな質問にいつもは素直になれない口が勝手に「うん」ともらしていた。離さない、そう思える人に、人、ではないのかもしれないけれど洸夜は洸夜だ。初めて男の人に対してこんなにも熱い感情を持てたのは洸夜が最初で最後だろう。


「やば、いまのでイキそうになったわ」


「何言ってるのよ……」


「素直な日和とか反則だから」


「あぁぁぁっ! 急にっ……! あっ、アっ、あぁん!」


 しっとりと濡れた肌と肌がぴたりと重なり、洸夜の心臓の音が振動で伝わってくる。どくどくと自分と同じくらいの鼓動の速さに嬉しくなった。あぁ、自分はこんなにもこの男に愛されているのだと。


「あぁっ……きもちい……あっ、ンっ……ぁあっ!」


「おまっ、俺を殺す気かよ……くっ……いいな。明るいと日和の可愛い顔が見れて」


「やぁぁっ……見ないでよ! あんっ、変態……!」


「変態で結構。俺は日和の全てを見たいんだよ」


「なにいってん、ンぁあッ……やだ、ヤダっ、ああッ」


 もう身体も頭もとろけておかしくなりそうだ。喉が枯れるくらい喘がされて、どうしようもないくらいの快感が渦を巻いて攻め込んでくる。きゅうっとお腹の奥で絞られ、あっという間に快感の渦が弾け飛んだ。


「あぁ……あんッ……! も、ダメッ……あぁんっーー!」


 弾け飛んだ快楽に腰がひくんひくんと痙攣する。潤んだ視界には眉間にシワをよせながら愉悦に耐えている洸夜のどこか勝ち誇った顔。その顔が腰を折り曲げて近づいてくる。


「日和、まだ終わらねぇぞ」


 ゾクリとするような言葉を耳に注ぎ込まれ、ドキリと全身が反応した。


「え……」


 スポリと抜かれてしまった。その切なさは大きく、埋めてほしいときゅうきゅうと下腹が疼き日和は腰をくねらせていた。


 そんなもどかしさに苦しんでいる日和を見て洸夜は嬉しそうにクスクス笑っている。


「そんなに俺のコレがまだ欲しいの?」


 責任とってよね……。


「日和」


「……欲しいわよ。まだまだあんたでいっぱいにしてもらわないと困るから」


 日和を見つめる洸夜の瞳の色はガラリと変わり、雌を貪り抱く獣の雄の目だ。欲情が滾ってゆらゆらと瞳の奥で燃えている。これはもしかしてヤバい……?


「おまえ、俺を煽って……腰が立てなくなるくらい抱き潰してやるよ」


「煽ったって、ちがっ……ちょっ……!」


 身体の力が抜け落ちていたからか簡単に体勢を変えられ、ソファーの上でお尻を突き出して四つん這いになってしまった。しかも明るい、恥ずかしすぎて身をよじろうとした瞬間、行動を読まれていたのか洸夜に腰を抑えられ身動きが取れない。
「やぁ……こんなの恥ずかしい……」


「なんで? こんなに全部の日和をみれるんだから」


 洸夜の艶めいた声がゾクゾクと背筋を駆け上がる。いつも洸夜に抱かれる時、この男は全力で日和を求めていてくれた。今だってそう、快楽にグッと耐え、日和を優しく包み込みながらも何も考えられないくらいにドロドロに愛してくれている。そんな洸夜が愛おしくて、多分もう離れられない。好きで、好きで気持ちが抑えられなくなりそうだ。込み上がる思いと一緒に快感が爆ぜそうになり、最奥を何度も何度も強く穿たれた。


「はっ……ひよ、り……好きだ……愛してるよ」


 あぁ、何で今こんなにも嬉しいことを耳に囁き込むんだ。こんな嬉しい言葉に耐えられる訳がない。


「あぁぁぁっ! やぁ、やぁああ――っ!」


 打ち付けてくる腰の動きはラストスパートをかけるように早く、激しく打ちつける。揺さぶられる身体は脳までも揺さぶり思考回路をダメにした。本当に洸夜の腕の中では何も考えられない。唯一考えられるのはこの男に抱かれることが気持ちよくて、幸せでこの男が愛おしくて、好きだと言うこと。つまり洸夜の事しか考えられないのだ。


「あぁっ、もうイクっ!……あぁっ、だめぇぇ」


「あぁ、本当に日和は可愛いな……いいよ、ほら、イけっ!」


「ダメっ! ほんとにっ、もっ、あぁっ、ダメっ、おかしくなっ……あぁぁあっ――!」


 洸夜が強く腰を突きあげた瞬間、日和の官能は弾け、広がった恍惚は頭の先から足の先まで伝わりボウっと頭が真っ白になった。


「ひ、……よ、り……」


 洸夜がくっと息を詰めた。苦しげな声。ビクリと大きく震えるととんでもないくらい熱い熱が腹部にジワリと感じた。


「日和……」


 荒い息を整えるなか蠱惑的な声が響いた。甘やかな声に日和は更に溶けそうになりながらも洸夜を見る。洸夜は優しく微笑んで日和に軽くキスをした。恋人たちが愛し合った後に交わすような優しいキス。これでもかってくらい激しく抱かれても一ミリも嫌じゃないのはきっと洸夜だから。最後には蕩けるように優しく抱きしめてくれる。何度も抱かれて、嫌だと思ったことが一度もない事に日和は気がついた。


 嫌な事はすっかり忘れて、目と目を合わせて、鼻と鼻をすり合わせる。頬を合わせてはキスを繰り返し、まるで恋人のような蜜月な時間。



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