一途な淫魔の執着愛

森本イチカ

ーー5ー洸夜side2

 数週間経ってから日和は引っ越してしまったのだと公園にいた知らない子供のお母さん達の話で知り、もうあの天使のような笑顔が見れないのかと思ったら五歳ながらに絶望した。


 子供の洸夜には日和を探す力もなく、父親が金を持っていても子供の洸夜には探偵を雇う金も無い。高校生になりやっとバイトが始められ、コンビニでバイトを始めてはバイト代は全て貯金し、五十万貯まったところで探偵事務所に駆け込んだ。


 いかにも探偵です、と言いそうな風貌の男が三週間かけて日和の現在地を調べてくれ、やっと日和に会える……と嬉しくて泣きそうになった。


 探偵の男が見せてくれた高校生の日和は五歳の頃の面影はそのまま、ロングヘアーの黒髪をなびかせて天使のような笑顔だった。今もまだその写真は額縁に入れて自宅に飾ってある。日和はパティシエになる為に高校を卒業したら専門学校へ行くらしい。探偵が言っていた。


『日和さんは立派なパティシエになるまで絶対に彼氏を作らないと友達に宣言していました。今もケーキ屋で週五回、バイトをしているそうです』


 洸夜は日和の意思を尊重し、夢に向かっている日和の邪魔だけはしてはいけないと思い、会いに行く事を我慢した。会いに行く事は我慢したが居場所が分かったら夢の中に入る事はどうしても我慢できず毎晩のように日和の夢に入り擬似彼氏のような夢を見させた。


 それに大人になり自分も食事だけじゃ精気を賄えなくなってきたから、夢の中で日和を思う存分抱かせてもらい、たくさんの愛を告げてきたつもりだ。


「高校生の日和も可愛かったけど、大人の魅力に溢れる日和も……くっ……色っぽくて……」


 脳裏にフラッシュバックする日和の艶っぽい表情に、真っ白で綺麗な身体。


 あーあの綺麗な身体にぶっかけて俺ので汚してやりてぇな……全部、俺色に染まれば良いのに……。


 息が詰まる。ドクドクと脈打つ熱棒からビュルっと勢いよく白濁した液が飛び出しスーツを汚した。


「自分を汚してどーすんだよ……」


 はぁ、と深い溜息が出る。


「もっと早く日和の事を迎えに行けてたらヤリチンなんて勘違いされなかったのかな〜」


 ぼふんっとソファーに寝転んだ。


 女の方から言い寄られる事も何度かあったが一途に日和だけを思っている洸夜はどんなにセクシーな女の前でも男の性が見事に機能しなかった。


「日和にしかこんな風に勃たねぇのにな」


 自分の下半身を見て呆れたように洸夜は笑った。


 五年前、洸夜の父親がは肺癌で亡くなった。やっと日和が専門学校を卒業し、フランスに留学して一人前のパティシエになって日本に帰ってきた所だったのに。父親の癌が見つかった時は既に遅くてステージ4の末期癌。駆け足のように癌は進行し、あっという間に父親はあの世に行ってしまった。


 ハピフルコネクトライフの社長だった洸夜の父親の葬儀の喪主も息子の洸夜がしなければならなかったのと、急な社長の死去で洸夜が次の社長に就任した。目まぐるしい毎日だった。社長業務、経営、色んなことを頭に叩き込みながらも普段の仕事もこなし、完全に日和の目の前に自分が現れる絶妙なタイミングを失った。日和は何度か彼氏を作ってしまうし、もう悔しくて辛くて夢の中で日和の事を自分だけなしか感じられないよう、濡れないように洸夜は日和を抱き潰したのだ。


 五年も経ってやっと落ち着いてきた洸夜は日和の元へ現れようとしたが、まさか日和が婚活しようとしてハピフルに現れるとは予想外だった。予想外だったけれどこんなチャンス逃すはずがない。日和を社長室に呼び出して……婚約者にしたというわけだ。


「はぁ、今日は最高な日だな……」


 早く日和に会いたい。今まで我慢していた分抱きしめて、キスして、声が枯れるまで日和を抱き潰したい。


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