転生して異形になってもマイペースに生きてきます

かいがら

念願と知啓

帰って、自分がスポーンした場所の方面。
明かりが確保出来てごつんごつん頭をぶつけなくて済んだのは良いけど、正直明かりがついたからって何か変わるってことは無かった。
岩壁は岩壁だし、ごつごつの足場も変わりない。
そして大体湧いたのがこの辺かな?って所まで来てみた。

「分かれ道…て言うかもう一方道か」

この洞窟、実はそこそこ一本道だったらしく、湧いてから歩いた方向とは真逆に、見知らぬごつごつが続いていた。
ちゃんと役目を果たしている聖剣を翳しながら、その方向へ歩いていく。

抜けた先は
広場で、…なんというか、あーもう我慢出来ん。

スライムが!居ます!

辺りを飛び交う白色の軟体…それが数十匹程…多くね?
お、丁度こっちに寄ってきた子が居る。意外と私とおんなじ異世界転生者だったりするかしら

「こ、こんにちは。最近どう?」

そうして手を差し伸べると、白スライムはぷるぷると震え、体の一部を触腕の様にして私の手に重ねた。
…か、かわいい

じゅ

手の焦げる音

「ぁぁぁああああ!!!!??」

すぱーん、と逆の手で持っていた聖剣を振り抜く。
まるで水に通すような切り心地でスライムを抜け、両断された二つの肉体は光に包まれて消えていった。

「あっづ!!!??こ、こんにゃろ可愛い顔しやがって…」

転生者だったら済まない、お前の冒険はここで終わりだ。
…しかし、そんなちょっと触っただけで溶けだすスライムが、
えー…ひーふーみー…あーいっぱいと。
正直、こんな場所ガン無視して後ろにダッシュしたい所だけど…

奥にあるんだよなぁ…如何にもな門。
あれが出口だったりしたら一生彷徨う事になるし、後ろを探索してからもっかいくるのは面倒だ。
覚悟を決めるか

さっきのごてスケとの戦いの中、一つ閃いたことがあった。
私の変装技術の限界ってどこまでなんだろうって
先程の変装は自分の服まで纏めて形を変えられたから、身につけている物は一緒に変えられるのかな。

例えばこの聖剣を普通の剣に…うん、出来た

《①身につけたものなら纏めて変化する》

でも光ってるな。何処からともなく。

《②物の性質までは変えられない》

これ、大きくしてリーチを…出来ないか

《③容積は大きく変えられない》

…動物に慣れたりするのかな、猫ちゃんとか。
視点を世界に移し、なりたいものを思い描く。
眼に写る視界は鮮明になり、何時しか手はもふもふになっていた。
なれんだ…猫

《④行使するものによって②は適用されない》
《⑤変化に限界は無い》

以上の事を纏めて考えてみる。そして思いついたこと。
世界に写した視点は、何時しか自分を見失っていく。

もしも、本当に限界がないのであれば

私は世界に溶け込めるんじゃない?

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