パーティ追放されたら、それが条件でジョブが『道化師』に進化しました。何でもありみたいなので、助手と共に成り上がります。
第53話 『白竜の髭』からのお礼
「40万ダウも貰ってしまった」
カウンターで冒険者カードの更新を行った後、俺たちは盗賊団を捕まえた懸賞金を貰ってカウンターから離れていた。
ついでに、リリがレンタルしてる短剣と肩当ても返却して、冒険者ギルドでの用事を一通り済ませてしまった。
そのままクエストの張り紙がある所をちらりと見たが、どうも今日はクエストを受けるようなテンションにはなれなかった。
やっぱり、急に手元に40万ダウをポンと置かれてしまうと、どうしても働こうという気持ちにはなれない。
「あれ? 君はアイク君じゃないか!」
「ん? あ、リードさん」
「さん付けはよしてくれって。普通に呼び捨てでいいよ」
掲示板の方に行くと、そこで偶然リードに出会った。互いにミノラルを拠点にしている冒険者同士なら、冒険者ギルドで会うのも自然か。
リードは少しおどけたような笑みを浮かべた後、言葉を続けた。
「盗賊団の懸賞金は受け取ってくれたかい?」
「今さっき貰ってきたよ。でも、こんなに貰っちゃっていいのか?」
「当たり前だ。僕たちの命の恩人だからね、それだけでは足りないよ。何かお礼をさせてくれないか?」
リードは懸賞金だけでは足りないと思ったのか、そんなことを言ってきた。
そういえば、前にリードたちを助けたときにそんな反応をされたのを思い出した。これだけ懸賞金を貰っておいて、これ以上のことを請求するのも悪い気がするが、リード的にも何もしないよりは何か言ってくれた方が助かるのかもしれない。
「お礼……じゃあ、しばらく飲んでないし、お酒でも飲みたいかな」
「アイク君はお酒が好きなのか? そうだな……うん、少し時間をくれるかい? それと、アイク君が今泊っている宿も教えて欲しいのだが」
「え、ああ。えっと、住所はーー」
夜に一杯くらいお酒を奢ってもらえればと思ったのだが、なぜ住所なのだろう? なんだ? 迎えに出も来てくれるのか?
そんなことを考えながら住所を伝えると、リードは少しここで待っていてくれと言って姿を消してしまった。
それからしばらく冒険者ギルドで待っていると、リードが小走りで俺たちのもとにやってきた。
「おまたせ、アイク君! 夕方くらいにはお酒がたくさん届くはずだから、受け取りを頼んでいいかな?」
「え? お酒が届く?」
「ああ、さっき酒屋でお酒を頼んできたんだ。こういうのは、早いに越したことはないからね」
リードはぐっと親指を立てて一仕事終えたような顔で俺に視線を送ってきた。そこまで言われて、ようやくリードの行動の意味が分かった。
「あ、すまん。一緒に呑みに行って、奢ってくれって意味だったんだけど」
まさかお酒が飲みたいと言って、お酒を買ってそれを送られるとは思わなかった。まっすぐ過ぎる人とはよく言ったものだ。
「え? あ、そういう意味だったのか。ま、まぁ、それはまた次回にしよう! 君と一緒に呑めるなら喜んで付き合うよ」
リードはそう言うと、俺たちをそのままにしてカウンターの方に向かって行った。何かのクエストを受けることを決めたのだろう。
「夕方には酒が届くのか……」
早いに越したことはないと言っていたし、もしかしたらもっと早くお酒を持ってくるかもしれない。
そう考えると、軽く街をフラッと見た後には屋敷に戻っていた方がいいか。
「アイクさん、今日はどうします?」
隣にちょこんといたリリは俺の顔を覗き込んで、そんなことを言ってきた。
当然、これからクエストを受けるはずがなく、少し用を済ませたら屋敷でゆっくり過ごすことになるだろう。
そこまで考えて、ふと良い案を思いついた。
「夕方から酒を飲んで過ごすか」
街の人たちが働いている時間からお酒を飲んで過ごす。そんな自堕落な日を送ることを決めたのだった。
カウンターで冒険者カードの更新を行った後、俺たちは盗賊団を捕まえた懸賞金を貰ってカウンターから離れていた。
ついでに、リリがレンタルしてる短剣と肩当ても返却して、冒険者ギルドでの用事を一通り済ませてしまった。
そのままクエストの張り紙がある所をちらりと見たが、どうも今日はクエストを受けるようなテンションにはなれなかった。
やっぱり、急に手元に40万ダウをポンと置かれてしまうと、どうしても働こうという気持ちにはなれない。
「あれ? 君はアイク君じゃないか!」
「ん? あ、リードさん」
「さん付けはよしてくれって。普通に呼び捨てでいいよ」
掲示板の方に行くと、そこで偶然リードに出会った。互いにミノラルを拠点にしている冒険者同士なら、冒険者ギルドで会うのも自然か。
リードは少しおどけたような笑みを浮かべた後、言葉を続けた。
「盗賊団の懸賞金は受け取ってくれたかい?」
「今さっき貰ってきたよ。でも、こんなに貰っちゃっていいのか?」
「当たり前だ。僕たちの命の恩人だからね、それだけでは足りないよ。何かお礼をさせてくれないか?」
リードは懸賞金だけでは足りないと思ったのか、そんなことを言ってきた。
そういえば、前にリードたちを助けたときにそんな反応をされたのを思い出した。これだけ懸賞金を貰っておいて、これ以上のことを請求するのも悪い気がするが、リード的にも何もしないよりは何か言ってくれた方が助かるのかもしれない。
「お礼……じゃあ、しばらく飲んでないし、お酒でも飲みたいかな」
「アイク君はお酒が好きなのか? そうだな……うん、少し時間をくれるかい? それと、アイク君が今泊っている宿も教えて欲しいのだが」
「え、ああ。えっと、住所はーー」
夜に一杯くらいお酒を奢ってもらえればと思ったのだが、なぜ住所なのだろう? なんだ? 迎えに出も来てくれるのか?
そんなことを考えながら住所を伝えると、リードは少しここで待っていてくれと言って姿を消してしまった。
それからしばらく冒険者ギルドで待っていると、リードが小走りで俺たちのもとにやってきた。
「おまたせ、アイク君! 夕方くらいにはお酒がたくさん届くはずだから、受け取りを頼んでいいかな?」
「え? お酒が届く?」
「ああ、さっき酒屋でお酒を頼んできたんだ。こういうのは、早いに越したことはないからね」
リードはぐっと親指を立てて一仕事終えたような顔で俺に視線を送ってきた。そこまで言われて、ようやくリードの行動の意味が分かった。
「あ、すまん。一緒に呑みに行って、奢ってくれって意味だったんだけど」
まさかお酒が飲みたいと言って、お酒を買ってそれを送られるとは思わなかった。まっすぐ過ぎる人とはよく言ったものだ。
「え? あ、そういう意味だったのか。ま、まぁ、それはまた次回にしよう! 君と一緒に呑めるなら喜んで付き合うよ」
リードはそう言うと、俺たちをそのままにしてカウンターの方に向かって行った。何かのクエストを受けることを決めたのだろう。
「夕方には酒が届くのか……」
早いに越したことはないと言っていたし、もしかしたらもっと早くお酒を持ってくるかもしれない。
そう考えると、軽く街をフラッと見た後には屋敷に戻っていた方がいいか。
「アイクさん、今日はどうします?」
隣にちょこんといたリリは俺の顔を覗き込んで、そんなことを言ってきた。
当然、これからクエストを受けるはずがなく、少し用を済ませたら屋敷でゆっくり過ごすことになるだろう。
そこまで考えて、ふと良い案を思いついた。
「夕方から酒を飲んで過ごすか」
街の人たちが働いている時間からお酒を飲んで過ごす。そんな自堕落な日を送ることを決めたのだった。
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