パーティ追放されたら、それが条件でジョブが『道化師』に進化しました。何でもありみたいなので、助手と共に成り上がります。
第29話 鍛冶師、ガルドからの依頼
「お使いですか?」
「ああ。武器の材料を集めてきて欲しいんだよ。ちょっと前に弟子の奴が腰をやっちまってな。俺は鍛冶場を離れられないし、弟子は動けないしで困ってたんだよ」
どういう意味だろうかと俺が質問をすると、無精ひげの男はお使いの内容を話し始めた。
突然のことで訳が分からず、俺とリリがぽかんとしていると俺たちの表情に気づいたようで、その男は照れるように頭をかきながら言葉を続けた。
「ああ、まだ自己紹介してなかったな。この武器屋の専属鍛冶師、ガルドだ」
「が、ガルドさん、そういう依頼はギルドに依頼した方がいいんじゃないか?」
「うるせぇな。冒険者で鉱石のことに詳しい奴なんて、そうはいねーんだよ。それも【鑑定】持ちだぞ?」
「ま、まぁ、確かに珍しいかもしれませんけど」
対応をしていた武器屋の店員がガルドを止めようとしたが、どうやらガルドさんは聞く耳を持たない様子だった。
それどころか少し怒り気味に店員に食いついている。俺たちに話しかけてるときは結構穏やかな口調になるため、どっちが本当の姿なのか分らなくなるな。
そんな店員よりもガルドは俺たちのことが気になるようで、すぐにガルドはこちらに視線を戻した。
「ちょうど、依頼が一気に来ちまってな。俺が鉱石を取りに行くことができなくなっちまったんだよ。なぁ、どうか頼まれてはくれないか? なに、報酬は弾ませてもらうぞ?」
俺は報酬は弾むという言葉に思わずピクリと反応してしまった。そんな俺の態度を見て、ガルドはにやりとした笑みを浮かべていた。
「もちろん、現物でもいいぞ」
おそらく、俺たちの先程までの会話を聞いていたのだろう。中々に鋭い所を突かれてしまった。
ここでこの依頼を受ければ、短剣がただで手に入るかもしれない。
俺が無理をしてここで武器を買っても、リリはしばらく申し訳ないという気持ちが残ってしまうだろう。せっかく、武器を買ったのならそんな後ろめたさは感じないで欲しいというもの。
それなら、ここでガルドの依頼を受けて現物を貰い、それをリリに渡した方が良いかもしれない。
そうなると、この依頼を断るわけにはいかなかった。
「そういうことなら、喜んで」
「よっしゃ、ありがとうな! それなら、俺はこれから馬車で鍛冶場に帰るから、一緒に場所に乗っていくか? そこで依頼の内容を詳しく話そう」
「あ、いや、今日はこれから人に会う約束があるのですぐという訳には……」
この後にバングの所に行って、料理人時代の知り合いに会わなければならない。せっかく、すぐに魔物も解体してもらったのにドタキャンをするわけにはいかないだろう。
「ああ、そうだったのか。……じゃあ、しょうがねぇ。それなら、馬車のチケットはこいつに取らせとくから、準備ができたらここに来てくれ。できれば、三日以内にはここを出発して欲しい」
「分かりました。三日以内にはここを出発できるようにします」
急にチケットを取る係りを指名された店員は困っていたようだが、ガルドには頭が上がらないのかただ溜息を吐くだけだった。
「あの! 私も一緒に行ってもいいですか?」
話がひと段落すると、リリがぴょこぴょこと片手を上げてそんなことを言い始めた。それをちらりと見たガルドは、初めからリリを人数として換算していたのか、当たり前だとでもいうかのような表情で口を開いた。
「ああ、もちろん構わんぞ。嬢ちゃんは兄ちゃんのパーティ仲間か?」
「パーティ仲間兼、助手です」
リリは胸を張ってそんなことをどや顔で言い放った。一体何を誇っているのか問いたくなるが、俺以上に困惑している様子の人物がいた。
「……なんのだ?」
ガルドはそんな当たり前の疑問をぽつりと呟いていた。
「ああ。武器の材料を集めてきて欲しいんだよ。ちょっと前に弟子の奴が腰をやっちまってな。俺は鍛冶場を離れられないし、弟子は動けないしで困ってたんだよ」
どういう意味だろうかと俺が質問をすると、無精ひげの男はお使いの内容を話し始めた。
突然のことで訳が分からず、俺とリリがぽかんとしていると俺たちの表情に気づいたようで、その男は照れるように頭をかきながら言葉を続けた。
「ああ、まだ自己紹介してなかったな。この武器屋の専属鍛冶師、ガルドだ」
「が、ガルドさん、そういう依頼はギルドに依頼した方がいいんじゃないか?」
「うるせぇな。冒険者で鉱石のことに詳しい奴なんて、そうはいねーんだよ。それも【鑑定】持ちだぞ?」
「ま、まぁ、確かに珍しいかもしれませんけど」
対応をしていた武器屋の店員がガルドを止めようとしたが、どうやらガルドさんは聞く耳を持たない様子だった。
それどころか少し怒り気味に店員に食いついている。俺たちに話しかけてるときは結構穏やかな口調になるため、どっちが本当の姿なのか分らなくなるな。
そんな店員よりもガルドは俺たちのことが気になるようで、すぐにガルドはこちらに視線を戻した。
「ちょうど、依頼が一気に来ちまってな。俺が鉱石を取りに行くことができなくなっちまったんだよ。なぁ、どうか頼まれてはくれないか? なに、報酬は弾ませてもらうぞ?」
俺は報酬は弾むという言葉に思わずピクリと反応してしまった。そんな俺の態度を見て、ガルドはにやりとした笑みを浮かべていた。
「もちろん、現物でもいいぞ」
おそらく、俺たちの先程までの会話を聞いていたのだろう。中々に鋭い所を突かれてしまった。
ここでこの依頼を受ければ、短剣がただで手に入るかもしれない。
俺が無理をしてここで武器を買っても、リリはしばらく申し訳ないという気持ちが残ってしまうだろう。せっかく、武器を買ったのならそんな後ろめたさは感じないで欲しいというもの。
それなら、ここでガルドの依頼を受けて現物を貰い、それをリリに渡した方が良いかもしれない。
そうなると、この依頼を断るわけにはいかなかった。
「そういうことなら、喜んで」
「よっしゃ、ありがとうな! それなら、俺はこれから馬車で鍛冶場に帰るから、一緒に場所に乗っていくか? そこで依頼の内容を詳しく話そう」
「あ、いや、今日はこれから人に会う約束があるのですぐという訳には……」
この後にバングの所に行って、料理人時代の知り合いに会わなければならない。せっかく、すぐに魔物も解体してもらったのにドタキャンをするわけにはいかないだろう。
「ああ、そうだったのか。……じゃあ、しょうがねぇ。それなら、馬車のチケットはこいつに取らせとくから、準備ができたらここに来てくれ。できれば、三日以内にはここを出発して欲しい」
「分かりました。三日以内にはここを出発できるようにします」
急にチケットを取る係りを指名された店員は困っていたようだが、ガルドには頭が上がらないのかただ溜息を吐くだけだった。
「あの! 私も一緒に行ってもいいですか?」
話がひと段落すると、リリがぴょこぴょこと片手を上げてそんなことを言い始めた。それをちらりと見たガルドは、初めからリリを人数として換算していたのか、当たり前だとでもいうかのような表情で口を開いた。
「ああ、もちろん構わんぞ。嬢ちゃんは兄ちゃんのパーティ仲間か?」
「パーティ仲間兼、助手です」
リリは胸を張ってそんなことをどや顔で言い放った。一体何を誇っているのか問いたくなるが、俺以上に困惑している様子の人物がいた。
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