パーティ追放されたら、それが条件でジョブが『道化師』に進化しました。何でもありみたいなので、助手と共に成り上がります。
第17話 本日のクエストとリリの装備品
「よく眠れたか?」
「びっくりするくらい、ぐっすりでした」
翌朝。朝食を食べた俺たちはギルドの裏にある倉庫に来ていた。昨日、バングに解体をお願いしていたファングの買い取り金を貰いに来たのだ。
昨晩寝れないと不安がっていたリリだったが、翌朝はケロッとしていたようだった。昨日、森から歩いて街まで帰ってきたわけだし、多少なりとも疲れていたのだろう。
「バングさん、いますか?」
俺が倉庫に入ると、簡易的なカウンターに肘をつけて休んでいたバングさんが手をひらひらとさせていた。
「おう、アイク。昨日のファング二体の解体終わってるぜ。今回の取り分は、昨日話した通り二万ダウだ」
「ありがとうございます。ファング二体でこんなに貰えるって、凄い得した気分ですね」
ただ【アイテムボックス】に時間停止の機能が付いただけで、普段の数倍の価格で買い取ってくれる。時間停止が鮮度を保つ役割をしてくれるとは、思いもしなかったな。
【道化師】のスキルを得た棚ぼただなと思いながら、俺はバングから二万ダウを受け取った。
「あれだけ新鮮な状態だったからな。本来ならもっと値が張るかもしれないが、ギルドの買い取り価格だとこれが限界だと思うぞ」
「十分ですよ。あ、また今日も解体お願いしてもいいですか?」
「おう、じゃんじゃん頼むぞ! 昨日話した件は、明日俺の知り合いが王都に来るらしいから、その後に話をつけてくるつもりだ」
「え、もうですか。行動早いですね」
昨日話してもう行動に移そうとしていたのには驚いた。
伝手をたどるとは言っていたが、そんなに早く動いてくれるとは思わなかったな。
「当たり前だ。それだけアイクのアイテムボックスには価値があるってことだからな?」
「ははっ、そう言って貰えると嬉しいです」
「お嬢ちゃんもアイクの手伝いよろしく頼むぞ」
「任せてください。私、助手ですから」
俺の隣にいるリリが胸を張ってそんなことを言う様子に笑い合って、俺たちは倉庫を後にした。
「あっ、アイクさん、おはようございます」
「おはようございます、ミリアさん。今日はこのクエストをお願いします」
俺はクエストが張り出されていた掲示板から手頃なクエストを選んで、受付にいたミリアの所に三枚のクエスト用紙を提出した。
「はい、分かりました。ワイドウルフの討伐と、ファング肉の採取、ワイドディア肉の採取……昨日とは違って、魔物討伐中心の依頼ですね」
「はい、今日はスキルを試したいのでちょうどいいかなと」
昨日、クエストをしてみて分かったが、薬草の採取などは見つけるまでに時間がかかる。それなら、【気配感知】と【鑑定】で魔物の場所を突き止めて、魔物を討伐した方が効率が良いきがした。
ちょうどスキルも試せるし、レベルも上げられるかもしれないし、そっちの方が良いだろう。
「そうなんですね。分かりました。肉の採取のクエストは解体後の肉の状態によって値段が変わるので、気を付けてくださいね」
「ええ、分かりました。あ、あと、リリの分の装備品をレンタルで借りたいんですけど」
「リリさんの分ですね。分かりました。何か希望とかはありますか?」
ミリアに話を振られたリリは少しだけ考える素振りを見せた後、小さく頷いて言葉を続けた。
「私はアイクさんみたいな短剣がいいです。あと、動きにくくなるので装備も肩当てだけでいいです」
「肩当てと短剣ですね。分かりました。すぐに準備できると思うので、少々お待ちください」
ミリアがカウンターの奥に引っ込んでいくのを見て、俺はリリの方にちらりと視線を向けた。
「別に、俺と同じようにしないでもいいんだぞ? 【剣技】だってあるんだから、短剣にこだわらなくてもいいんじゃないか?」
「せっかく初めて装備するなら、アイクさんみたいなのがいいじゃないですか」
「いや、ないですかって言われてもな」
ミリアが短剣と肩当てを持ってきてくれるのをワクワクとした様子で待っているのを見ると、それ以上のことを言うのは野暮な気がして、俺はそっと言葉を呑み込むのだった。
「リリさん。多分、サイズ合ってると思いますけど、これでどうですかね?」
「わっ、着けてみてもいいですか?」
「もちろんです。どうぞ」
リリはミリアに差し出された肩当てをぎこちない素振りでつけて、短剣を腰に差した。そして、こちらに体を向けて装備した姿を見せるように腕を広げた。
「アイクさん、どうですか?」
「……うん、いいんじゃないか?」
俺にそう言われて嬉しそうに口元を緩めたリリを見て、俺も釣られるように笑みを浮かべていた。
「びっくりするくらい、ぐっすりでした」
翌朝。朝食を食べた俺たちはギルドの裏にある倉庫に来ていた。昨日、バングに解体をお願いしていたファングの買い取り金を貰いに来たのだ。
昨晩寝れないと不安がっていたリリだったが、翌朝はケロッとしていたようだった。昨日、森から歩いて街まで帰ってきたわけだし、多少なりとも疲れていたのだろう。
「バングさん、いますか?」
俺が倉庫に入ると、簡易的なカウンターに肘をつけて休んでいたバングさんが手をひらひらとさせていた。
「おう、アイク。昨日のファング二体の解体終わってるぜ。今回の取り分は、昨日話した通り二万ダウだ」
「ありがとうございます。ファング二体でこんなに貰えるって、凄い得した気分ですね」
ただ【アイテムボックス】に時間停止の機能が付いただけで、普段の数倍の価格で買い取ってくれる。時間停止が鮮度を保つ役割をしてくれるとは、思いもしなかったな。
【道化師】のスキルを得た棚ぼただなと思いながら、俺はバングから二万ダウを受け取った。
「あれだけ新鮮な状態だったからな。本来ならもっと値が張るかもしれないが、ギルドの買い取り価格だとこれが限界だと思うぞ」
「十分ですよ。あ、また今日も解体お願いしてもいいですか?」
「おう、じゃんじゃん頼むぞ! 昨日話した件は、明日俺の知り合いが王都に来るらしいから、その後に話をつけてくるつもりだ」
「え、もうですか。行動早いですね」
昨日話してもう行動に移そうとしていたのには驚いた。
伝手をたどるとは言っていたが、そんなに早く動いてくれるとは思わなかったな。
「当たり前だ。それだけアイクのアイテムボックスには価値があるってことだからな?」
「ははっ、そう言って貰えると嬉しいです」
「お嬢ちゃんもアイクの手伝いよろしく頼むぞ」
「任せてください。私、助手ですから」
俺の隣にいるリリが胸を張ってそんなことを言う様子に笑い合って、俺たちは倉庫を後にした。
「あっ、アイクさん、おはようございます」
「おはようございます、ミリアさん。今日はこのクエストをお願いします」
俺はクエストが張り出されていた掲示板から手頃なクエストを選んで、受付にいたミリアの所に三枚のクエスト用紙を提出した。
「はい、分かりました。ワイドウルフの討伐と、ファング肉の採取、ワイドディア肉の採取……昨日とは違って、魔物討伐中心の依頼ですね」
「はい、今日はスキルを試したいのでちょうどいいかなと」
昨日、クエストをしてみて分かったが、薬草の採取などは見つけるまでに時間がかかる。それなら、【気配感知】と【鑑定】で魔物の場所を突き止めて、魔物を討伐した方が効率が良いきがした。
ちょうどスキルも試せるし、レベルも上げられるかもしれないし、そっちの方が良いだろう。
「そうなんですね。分かりました。肉の採取のクエストは解体後の肉の状態によって値段が変わるので、気を付けてくださいね」
「ええ、分かりました。あ、あと、リリの分の装備品をレンタルで借りたいんですけど」
「リリさんの分ですね。分かりました。何か希望とかはありますか?」
ミリアに話を振られたリリは少しだけ考える素振りを見せた後、小さく頷いて言葉を続けた。
「私はアイクさんみたいな短剣がいいです。あと、動きにくくなるので装備も肩当てだけでいいです」
「肩当てと短剣ですね。分かりました。すぐに準備できると思うので、少々お待ちください」
ミリアがカウンターの奥に引っ込んでいくのを見て、俺はリリの方にちらりと視線を向けた。
「別に、俺と同じようにしないでもいいんだぞ? 【剣技】だってあるんだから、短剣にこだわらなくてもいいんじゃないか?」
「せっかく初めて装備するなら、アイクさんみたいなのがいいじゃないですか」
「いや、ないですかって言われてもな」
ミリアが短剣と肩当てを持ってきてくれるのをワクワクとした様子で待っているのを見ると、それ以上のことを言うのは野暮な気がして、俺はそっと言葉を呑み込むのだった。
「リリさん。多分、サイズ合ってると思いますけど、これでどうですかね?」
「わっ、着けてみてもいいですか?」
「もちろんです。どうぞ」
リリはミリアに差し出された肩当てをぎこちない素振りでつけて、短剣を腰に差した。そして、こちらに体を向けて装備した姿を見せるように腕を広げた。
「アイクさん、どうですか?」
「……うん、いいんじゃないか?」
俺にそう言われて嬉しそうに口元を緩めたリリを見て、俺も釣られるように笑みを浮かべていた。
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