第36章「真実の扉」

第36章「真実の扉」
前回のあらすじ
姉の美久は愛佳の日記帳を机の引き出しにか
ら見つけると日記の中を確認する。
確かに8年前には春菜と玲奈の存在が書き記
されていた。
日記帳を持って病院へ向かう。
病院に着くと詩織達がお見舞いの為に集まって
いた。
美久は愛佳の具合と頼まれていた日記の事など
を説明する。
皆も春菜と玲奈の事は記憶にないのと存在す
ら知らなかった。
愛佳の一時的な記憶障害だと皆は思い直接に
愛佳から話を聞く事にした。
愛佳から話を聞きが、愛佳の様子が以前の
違い明らかに8年間の記憶が消失していた。
事の変化に気付いたの萌で駅の階段から滑り
落ちた日付と時間がグアム旅行で船から落ち
た日付時間と一致してる事に気付く、不思議
出来事や愛佳のスマホの中の春菜、玲奈の写
真から思われる事は今の愛佳が平行世界から
タイムリープしたのではないかと思わせるもの
でした。
愛佳の日記帳には皆の誕生日や住所も書かれて
あったので春菜と玲奈の家に詩織達は言って
確認する事にした。
そして、春菜の家に・・・・・？
──────────────────
春菜
何ですか？
わたしわたし貴女達の事は知らないんで
すが？

詩織
(げっ！生意気そうな子、こんな子と愛佳が
付き合ってたの？)

あやか
忙しいところ、ごめんね、実は私達の
友達で、鹿島愛佳って子が居てね。
その子が事故で記憶を失ってしまったの
でも、8年前の事はちゃんと覚えてるって
言うの、そこで、その愛佳さんの言うには
貴女と親密な関係って言って、愛佳さんスマ
ホの中にある写真に斉藤さんと二人で撮った
写真と私達でグアムや沖縄へ行った時の写真
まで、ちゃんと残って居たの。
そこで、愛佳さんの記憶を辿ると、斉藤さん
が愛佳さんと会っていたか？もしくは
知って居たかを聞きたかったの？
これが、斉藤さんと愛佳さんの写真。
(あやかはスマホの中の写真を春菜と彩芽に
見せる)

春菜
鹿島愛佳さん？知りません！
(あやかのスマホの写真を見る春菜)
これは？高一ぐらいのわたしわたし？
えっ？この横の人が愛佳さん？
ショコラちゃんだ！
何でわたしわたしツーショットしてるの？
ありえない！

聡美
知ってるの！
ありえないってどう言う事？

詩織
まなのその名前はネットのハンドネームを
何故知ってるの？

彩芽
はる、その子事を知ってるの？

春菜
知ってるもなにもショコラちゃんの大
ファンでした！
わたしわたしが中二の時に突然、ネットから
姿を消したの！

聡美
しお、まながそんな事をしていたのを
知ってたの？

詩織
まなは虐めにあって中学の頃は引きこもって
たのそれで親から貰ったパソでネット配信
をやってて、それが結構人気があって、
ま〜親に見つかって中三を卒業前に辞めたの
まさか、その頃のまなっちの事を知ってるな
んて？やっぱり関わりがあるんじゃないの？

梨沙
まなはね。可愛いすぎるわ。
ま〜わたくしには及びませんけどね。

聡美
あんたの、思考はいいの！
それより何でまなの顔を知ってるの？

春菜
(春菜は自分のスマホを取り出し愛佳から
貰った数枚の写真と動画を見せた。)
わたしわたし達は裏でチャットしてました。
その時に無理を言って貰った写真と動画です。
わたしわたしは将来はショコラちゃんと
一緒になる事を約束した仲なんですぅっ！
なのに突然、姿を消して！

苺香
変、話が合わな気がする？

梨沙
何の辻褄(つじつま)が合わないですわ？

春菜
わたしわたしを捨てた人！

梨沙
何か変ですわ？
斉藤さんはまなが突然消えと仰ってますの
(おっしゃって)それ以後はまなを探さな
かったと、言うよりもお互い住所を交わし
てなかったと言う事になりめせんの？
それだけ大ファンで好きなら、消えた後も
まなの住所を知っますとすれば、会いに
行くのは普通の流れではありませんの？
でも、住所をぞんじなければ、会えなく
それで、その恋は終わりを迎える事に
なるますわ。

萌
斉藤さん？貴方は鹿島さんからは住所の
交換をしてなかったという事なのね。

春菜
してませんよ、ショコラちゃん！
教えてくれなかったから、
わたしわたし何度も会いたいって言った
のにその度に誤魔化されて！教えてくれ
ませでした！

聡美
ま〜、ネットなら当然だけどね。

あやか
じゃ〜何でまなちゃんの日記帳には
斉藤さんの住所と誕生日まで、書いて
あったの？

春菜
誕生日？わたしわたし誕生日だって
教えてません！

百合
どう言う事？
まなちゃんは斉藤さんの住所や誕生日まで
知ってて、斉藤さんはまなちゃんの住所も
誕生日も知らない？

春菜
ショコラちゃんはわたしわたしの
事をしらべたんですか？

詩織
悪いだけど、そんな事をする子では
ないです！

聡美
そう、あの子はド天然だし
自分から消えてそこまでするとは
考えられないし
やっぱり、動かぬ証拠はまなの写真！

春菜
合成したんじゃなんですか？

詩織
失礼ね！
じゃ〜私の持ってるこのグアムで皆で
撮った写真と見比べて！
貴女と姉さんが入る余地はないでしょう！
だから、それに貴方はまなっちに
ベッタリ寄り添って記念撮影した
動かぬ証拠！これをどうやって合成できる？

春菜
そんなの、AIで加工すれば自然に
出来るでしょう？

聡美
じゃ〜
これもこれもこれも
全部、AIの合成写真って言うの！
(詩織は愛佳から貰った、今までの春菜と
自分の写真を全て送ってあった。)

春菜
じゃ〜 ショコラちゃんに会わせて下さい！

聡美
それは出来ない話し！

春菜
出来ない？
じゃ〜何しに来たんですか！

萌
事実を確認しに来ただけです。
目的は達成したので、御協力を頂き
ありがとうございました。

彩芽
何か失礼ですよね。
勝手に家まで来て、変な写真を見せて
目的は達成しましたからもう良いですって？

梨沙
お母様、本当に失礼な事をお聞きなり
ごめんなさいですわ。
でも、春菜さんにとってはもう愛佳は過去の
人見たいな感じなので、これ以上はお互い
深入りするのはどうかなって思いますの。

春菜
過去の人！
わたしわたしを見捨てたのは
ショコラちゃんですよ！
その愛佳さん？会えば
わたしわたしの知ってるショコラちゃんか
どうかハッキリ分かります！

聡美
凄い自信ね！

春菜
当然です！
だって本気の本気で愛してましたから！

詩織
どうする？

聡美
会わせてみる？

梨沙
そうね。
それではっきり分かるでしょう。

萌
何か危険な感じしません？

あやか
もしかして真実が分かるかもしれないわ？

百合
そうだよね。

美穂
私は反対だな！

苺香
私もこのままで、そっとした方が
いいのかも？

詩織
そうかも知れないけど、今のまなっち
どう見ても高二のままだよ？
変だよ！

聡美 
いいわ、会わせて上げる
土曜日に迎えに来るから
用意してて下さい。

春菜
勿論！偽物だったら許さない！

詩織
偽物？まなっちはまなっち
本物偽物なんかないし！
(この子ほんとムカつく子！)

聡美
お母様、御騒がせしました。
明日、お迎えに来ますので、
よろしくお願いします。

彩芽
はる、行かなくてもいいのよ！
訳の分からない事に関わらない方が
いいから！

春菜
分かってるよ。
でも、気になるしショコラちゃんに
言いたい事もあるし！

聡美
斉藤さん、明日９時に迎えに来るか

春菜
はい！(冷た返事をする春菜)

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詩織達は腑(ふに)に落ちない様子
でも、写真や愛佳が書いた日記は
紛れもなく本物？何がおかしいと
皆は感じ取って居た。
翌日になり聡美、詩織、梨沙は春菜
を迎えに行き愛佳が入院している病院
へと向かう。
車の中はお通夜状態で、詩織は
息苦しさを感じていた。
詩織は別に会わせても、何も解決は
しないと心の奥ではそう思っていた。
でも、愛佳が納得しないのは分かり切っ
てる事、仕方なく春菜を会わせるが？
詩織の知らない愛佳を知った事で、少し
嫉妬心もあった。
車は病院へ着くと愛佳の病室へ向かって
ドアを開ける。
事前に連絡を貰って居た愛佳はお互い
あの時とは違う姿になってる事への
不安もあり緊張していた。
──────────────────
詩織
まなっち、連れて来たよ。

愛佳
うん、しーちゃんありがとう。
(聡美の後ろに春菜の姿があったけど
顔を見るのが怖くない目を逸(そ)らす。愛佳)

聡美
斉藤さん、ショコラでなく愛佳だよ。

春菜
(無言！愛佳の顔を見つめる春菜)
10年前は幻だったのですか？
嘘つき！

愛佳
(俯いたまま目を合わせない愛佳、小さい
声でつぶやく)
嘘つき？嘘なんかついてない？

春菜
(愛佳のベッドに近づいて愛佳を見つめる)
何でわたしわたしの目を見ないんですか？
10年前！突然わたしわたしから消えて！
また、現れたと思えば記憶喪失？
ふざけないでよ！

詩織
ちょっと、待った！
ネットではどんな関係かは分からないけど
初対面なんだよ！
言い過ぎじゃないの！

愛佳
わたし、ネットでは消えてなし
沖縄旅行へもグアム旅行にも
一緒に行ったのよ。
覚えてないの？
はるちゃん？

春菜
行く訳がないでしょう！
何処に住んでるのかも教えてくれなかった
癖に、それに何故
わたしわたしの住所やフルネームを
知ってるの？
そっちの方がおかしいでしょう！

愛佳
お互い教えあったでしょう。
だから、大切に日記にも書いて保管してたの
に？

春菜
そんなの知りませんし！
連絡先を交換した覚えもありません！

聡美
ねっ？
まな、この子に間違えないの？

愛佳
うん、グアムの時ははるちゃんは
16歳だったからもう少し子供ぽかった
けど、はるちゃんに間違えないよ。

聡美
貴方はどうなの？

春菜
写真と動画でしか見た事がないから
実際に会ったのは今回が初めてです。
でも、少し大人っぽく見えるけど
あと時のままのショコラちゃんです。

愛佳
会ったのは初めて？
そんなのはありえない？
わたしが高一の夏に会ったよね。
そう、さとちゃんの熱海の別荘で
勉強合宿した後に？
忘れちゃったの？

春菜
はぁっ？
何寝ぼけてる事を言ってるのですか？
今日が初対面ですっ！

愛佳
じゃ〜この写真は？
二人でいっぱい撮ったんだよ。
(愛佳はスマホの中にある写真を全て
見せる)

詩織
良くまー、こんな生意気な娘と
仲良く写真を撮ったんだ？

聡美
なんか信じられない？

梨沙
やっぱり、おかしいですわ。

春菜
合成写真を見せて何が面白いんですか？

愛佳
合成なんかじゃないよ。
はらっ

春菜
(何この写真はこんなにもイチャイチャ
して、凄く楽しそうな笑顔)
これ、わたしわたしではありません！
そっくりな人でしょう？

愛佳 
じゃ〜 わたしが書いた日記は？
(春菜との出会いから毎日、日記を付けて
いたのを見せる)

春菜
妄想で書いたんでしょう！

詩織
ちょっと！黙って聞いてれば
まなっちはね、階段から滑り落ちで
記憶がないの！だから聞いてるでしょう！

春菜
じゃ〜頭の打ち所が悪かったんじゃないで
すか？

梨沙
お話になりませんわ。
お引き取り願いますわ。

詩織
そうね。
これ以上、話しても無駄見たい

聡美
連れて来なければ良かった。

春菜
ほんと失礼ですよね。

愛佳
ちょっと待って、
はるちゃんの右のお尻上に小さい
ホクロがあるよね。
それも♡ハート型のホクロ？
自慢げにわたしには見せてくれたの
覚えないの？

春菜
なななななんでそのホクロの事を知ってる
んですか？
キモ！

愛佳
ほら写真撮ってて、自分からお尻
見せて、撮らせてくれたじゃん？

春菜
ここれはわたしわたしのお尻の写真？
ととと盗撮です！

詩織
これ盗撮じゃないよね。
振り向いた顔が笑顔でピースサインまで
してるよね。

聡美
紛れも無く本物

梨沙
わたくし、分かりましたわ。
まな！アナタは
パラレルワールドからタイムスリープ
して来たのに間違えないですわ。

聡美
そうね私もそう思った。
多分、入れ替わったのよ。

春菜
何言ってるんですか？
SF見たいな事を
そんなの現実的ではありません！

詩織
そうすると、24歳のまなっちの意識だけが
8年前のグアムへ8年前のグアムに居た
まなっちの意識が8年後の今に入れ替わった
と言うの？
何かややっこしの？

梨沙
そうですわ
平行世界になりめすわね。

聡美
8年前の世界感と今の8年後の世界感は
まるで正反対のストーリーになってる
そう考えれば、スマホの写真や日記の
事も全て説明出来る。
だから8年前のまなにはまだ、8年後を
過ごしてないから元々、記憶など存在
しないってこと！

詩織
ならさ！また入れ替わるってことも
有り得るよね。

梨沙
それは分からないですわ。
8年前にですわ
溺れた日付け時間と8年後に偶然に
同じ日付けと時間が重なって出来た
奇跡、みたいな事ですわ。
それを、もう一度ですね。
そのタイミングになれば戻れるかも
しれませんわ？
でも、それは数百万分の一の確率でも
不可能に近い宇宙規模の確率になりますわ

春菜
何言ってるですか？
この人達は？

詩織
入れ替わってしまったのだから
今の現実世界を受け入れて
やるしかないよね。
まなっち！

愛佳
そんな！
8年も損する事になるよね！
そんなの嫌！

聡美
別世界から来てもまなはまななんだからさ
受け入れてこの世界で自分を作れば
いいよ。
そうするしかないよ。

詩織
それで、斉藤さんはどうするの？

聡美
まー！10年前だっけ
まなは消えたんだからそのままで
いいんじゃないの？
既に過去で決着が着いてるから

春菜
勝手な事ばかり言って！

梨沙
ねぇ？
貴女 まなの事
本気で好きだったのかしら？
どんなカタチにしてもですわ。
本人に会えたのでしょう。
わたくしなら、感動で泣いて
しまうわ。

詩織
そうね、居なくなった事への
恨みばかりで、じゃ〜
何で消えたかを考えないみたいだしっ！
でも、今のまなっちにはその答えを聞いても
答えられないけどね。

聡美
もういいわ、これ以上はまなには
関わらないでほしいから帰って
貰いましょう。

春菜
酷い！
わたしわたしはまだ、
ショコラちゃんの事をずっと好きで
いるのに！

梨沙
ショコラは過去の人
ここに居るのは愛佳ですわ。

愛佳
そんなに虐めてら可愛そう。
もしこの世界のわたしがその時に突然
ネットから消えたのならそれなりに
理由があると思うの。
わたしから言うのもなんだけど
はるちゃんごめんね。

詩織
あっちゃ〜
まなっちは優し過ぎよ！

愛佳
この世界のしーちゃんだって
変わってないし
わたしはわたしだもん
何処の世界でも同じです。
周りが変わっても
別世界のわたしも何処かで
繋がってる気がする。

聡美
そうね

愛佳
だから教えて、この8年間のわたしを

梨沙
お易い御用ですわ
手取り足取り、教えてさひあげますわ。

聡美
手取り足取りは余計！

愛佳
ねっ！はるちゃん！

春菜
ずるいですっ！
何も変わってない
昔のままなんて！
もう我慢できない！
(愛佳に抱きついて強引にキスをする)
うううあー

聡美
何してるのよあんたは！
離れなさい！

梨沙
そんなことしてはいけませんわ。

愛佳
はるちゃん、苦しいよ！

春菜
もう、わたしわたしははなしません！
だから、今度は絶対消えないで下さい。
(もう一度、激しくキスをする)

愛佳
はるちゃ〜～〜ん
──────────────────
その時、眩い光の中にへ愛佳は吸い込まれて
しまう。
眩しくて目を開いてられない。
遠くの上の方から声が聞こえる？
まなっち、まな、まなみん！
おーい、まなっち！
──────────────────
愛佳
少しづつ目を開けると・・・？
──────────────────
次回
第37章「デジャブ」

萌
ビックリ！
パラレルワールドでしょう？
はるちゃんがキスをしたら？
もしかして愛の力って奴なの？
次回の展開が気になりますね。

詩織
何かさ、疲れるよね！
作者さんの気分だから
仕方ないしね！
お楽しみにして下さい。