魔女が最高層の世界で最下層の男と愛し合ったら 〜最下層のディアレスト〜

星名 泉花

男女を知らない恋 【1】

王宮内になる色とりどりの花畑。

そこでエレオノーラはリベルトと二人で花冠を作っていた。

少し離れたところに護衛はいるものの、距離があるので緊張することなく二人の時間を楽しんでいた。


「わぁーすごい! リベルトって手先が器用なのね!」

リベルトが作り上げたのは白い花をメインに作られた優しい色合いの花冠だ。

サクサクと作り上げてしまうリベルトの器用さに驚かされた。

一方でエレオノーラの作った花冠は花に申し訳なくなるほどぐちゃぐちゃで、無残なことになっていた。

悲しくなって大きく息を吐く。

魔力も低いし、不器用。

女としていいところなし。

この何もできないところも姉たちと比べられる原因の一つだった。

気を取り直してリベルトの花冠を見て、喜びを味わう。

リベルトの新たな一面を見るたびに誇らしい気持ちになっていた。

「リベルトってすごいのね。綺麗だし、器用だし、文句一つ出てこない」

「ちが、すごいのはエレオノーラ」

「えー? どこがすごいの? 聞いてみたいなー」

いたずらっ子の気分でリベルトをからかうと、リベルトは頬を染めてエレオノーラの手を握ってくる。

触れた指先から熱が伝わって、トクンとする音が聞こえた。

「優しい。笑った顔、キラキラしてる。あたたかい。オレのこと、嫌がらない」

出来上がった花冠をエレオノーラの頭にのせる。

白銀の髪に白と黄色の装飾が咲き、愛らしい姿になっていた。

リベルトはそれを幸せそうに、目を細めて笑って見つめていた。


「とても、キレイ。はじめて女の人、キレイと思った」

「え、ええ!?」

「エレオノーラといると、あったかい。触るとドキドキする」

「も、もういいから。リベルトってば、本当に素直なのね」


心臓が爆発しそうだ。

このストレートさは負荷が大きい。

なのに全身がざわざわして、顔が熱くなって、喉が焼けるようだ。

リベルトを見るとどうしようもなく気恥ずかしくなってしまう。

余裕を見せられなくなったエレオノーラは誤魔化すように赤くなった頬を隠しながらリベルトに首を傾げ、問いかけた。


「それって私のこと好きということ?」

男が女の人を好きなんてありえないと考えていた。

女も男が嫌いなのが現実。

リベルトに対してこんな好意的な気持ちをもつエレオノーラが変わり者だ。

この気持ちはエレオノーラだけ。

リベルトが抱くはずのないもの。

心から素敵だと思えるリベルト。

ほんの少し見た目が違うだけで、エレオノーラと変わらない。

いや、それ以上に見ているだけでエレオノーラに幸福感を与えてくれる不思議な存在であった。

「すき……」

その言葉を呟いて、リベルトは目を輝かせる。

真っ直ぐにエレオノーラを見て、ほんのり紅潮したキラキラの笑顔を浮かべていた。


「うん、好き。 エレオノーラ好き」

(わ、わぁー……直球。というか、ドキドキしちゃうわ!)

かわいい。

この衝動はなんだろう。

妙にギュッと抱きしめたくなった。

これはさすがに自覚してしまう。

エレオノーラはリベルトを特別好いていた。

リベルトの好きと違うとわかっても、今のエレオノーラはまだ穏やかな気持ちであった。


「私もリベルトが好きよ」

躊躇いもなく、リベルトを抱きしめた。

そこでエレオノーラははっきりとリベルトとの違いを認識する。

見た目と触れた感覚のギャップに目を見開いていた。



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