他に寵愛のいる旦那様との結婚生活が終わる。もし、次があるのなら緩やかに、優しい人と恋がしたい。
13話
「「ガァオォォォォォォーン」」
とつじょ、獰猛な獣の雄叫びが聞こえた。
こんな危機迫るときに新たな敵がでた……もう無理だ。
「「ギャアオォォォォォォン」」
獣はもう一体いる……どちら共に大地が震える雄叫びを上げた。……でも助かった。その声でワーウルフの攻撃が手前で止まったのだ。ワーウルフも気になるのか声の方に向き「グルルルルル」喉を鳴らし警戒し始める。
「いたぞ! 冒険者とワーウルフだ!」
大きな声と足早で数人がこちらに近付く。た、助かった……王都からようやく騎士団が来てくれた。
声の主はガチッと地面に大きな盾を構えた。
「「【シールド!】冒険者たち俺の後ろから動くなぁ!! 盾役、ご苦労、後は俺が引き受ける!!」」
大きな声を上げて、ごつい鎧を付けたナサがシールドを張った。騎士団ではなく、みんながここに来てくれたんだ。ナサは盾を構えワーウルフと対峙した。
「「いまから、お前の相手は俺だぁ!! 来るがいい、ワーウルフ!!」」
「ワオォォォォン!!」
ナサの挑発を受けたワーウルフが盾にぶつかる。「キャウウウン」大型ワーウルフがナサの盾に鳴き声を上げて吹き飛んだ。
凄い。ナサの盾は大型ワーウルフの突進にもピクリともしない。余裕があるのか普通にアサトを呼んた。
「おーい、アサト隊長こっちだ」
ナサが手を振り亜人隊のみんなを呼んだ。私はみんなに見られる前に、転がってそばの茂みに身を潜めた。
♢
ナサの所にアサト達が合流した、彼らはワーウルフに驚いている様だ。
「こんな王道のど真ん中にワーウルフが出るなんて、初めてじゃないか?」
「そうだな、他のモンスターは見たがワーウルフは初めてだ」
「私も初めてですね。ここの奥にある北の洞窟でも見たことがありません。このワーウルフはどこからやってきたのでしょうか?」
「おい、ナサ、ロカ、怪我人もいるんだ。詮索は後にして先にワーウルフをやっちまうぞ!」
アサトは大きな斧を片手で軽々持ち、戦闘体制に入る。その後ろの方でロカさんは怪我をした冒険者にヒールを掛けている。カヤとリヤは冒険者を守るようにクローを構えていた。
(もう安心だ……この場を離れよう)
わたしはみんなに見つからないよう、茂みの中を進もうとした。ガサッと草を踏んだ音にワーウルフが反応する。
やばっ、こっちを向いた。
「おい、茂みに隠れている奴。俺のシールドから出るな! お前を守れなくなるだろう!」
ナサは盾を構えながらわたしに叫んだ。そのナサの声は威圧だビリビリと体に響いた。ごめんなさい、ここから動きません。
「「ガァオォォォォォォン」」
アサトが雄叫びを上げて、ワーウルフの意識を自分の方に向けた。
「ナサ! お前は一旦、シールドを解除してワーウルフを威嚇しろ、あいつが怯んだら一気に俺が叩く!」
「了解!」
ナサは盾を置き立ち上がった、ワーウルフを見据え息を吸い込み牙を剥く。
「「ギャアォォォォォン」」
大地、周りが振動するほどの威嚇だ。その、ナサの威嚇にワーウルフが怯んだ隙に、アサトが斧を振り上げてワーウルフに飛びかかった。
「ディィァアーッッッツ ︎」
ザシュッとワーウルフの首をはね、ボドッと地面に落ちて転がるワーウルフの首。その後にドサッと大きな体が倒れる。すごい、彼らが来てあっという間に倒してしまった。
だけど強制的に召喚されたワーウルフを消すには、額に見える黒い魔法陣を壊さないとダメだ。首が落ちたあともズル、ズルと、引きずるような嫌な音が聞こえる。
ワーウルフの首は、体とくっ付こうと動きだしている。それに気付かないのかアサトとナサは集まり話しをしていてる。やはり彼らも倒し方を知らないみたいだ。
早く教えないと、わたしはナサに向けて叫んだ。
「ナサ、ワーウルフの額にある魔方陣を壊して!」
「はぁ ︎ 魔方陣?」
話を止め振り向いた彼らは気付いただろう。切られても尚、動くワーウルフの体を……。一瞬、ナサは眉をひそめて、はぁーっと大きく息を吐き、複雑な顔を浮かべた。
「お前は……くそっ!」
拳を握り締めワーウルフの額にある、黒い魔方陣を拳で破壊した。「【ガリィィィン】」と砕けて、ワーウルフが黒い煙を上げて消えていく、そのあとボトッと黒い骨が落ち黒々しい煙をもやもや出している。
よかったこれで終わった。わたしは見つかる前に帰ろうと、茂みをかき分けてこの場から離れようとした。
「おい、茂みにいる奴、待て!」
いきなりナサに呼び止められた。茂みから見えた彼の顔は"なんで、テメェなんかに呼び捨てされなきゃいけねぇんだぁ"と、言っている顔だ。
「出てこい、出てこないんなら……」
……来ないで。
ナサはこちらに来ようとした足を止めて、道に落ちたワーウルフの骨を拾おうとした。わたしは咄嗟に茂みから立ち上がり叫んだ。
「ダメ! それに触ってはダメなの!!」
「あぁっ?」
ナサは手を引っ込めて、こっちを睨んだ。
「おい! なんでこれに触っちゃいけねんだぁ?」
「そ、その黒い骨は呪われているの。国から召喚士を呼んで処理して……いや、してください」
「ふーん、そうかわかった。でっ、お前は誰だ? なんで俺の名前を知ってる?」
いつもミリア亭で見るナサとは違い、人間大嫌いオーラがバチバチに出ている。わたしは……わたし、怖い、前の旦那に剣さえ握っておけばいいと言われた、剣を握る女は……嫌われる。
あんな寂しく、辛い日々が終わり。
いまの楽しい日々を失いたくない。
……意気地なしでごめんね。
とつじょ、獰猛な獣の雄叫びが聞こえた。
こんな危機迫るときに新たな敵がでた……もう無理だ。
「「ギャアオォォォォォォン」」
獣はもう一体いる……どちら共に大地が震える雄叫びを上げた。……でも助かった。その声でワーウルフの攻撃が手前で止まったのだ。ワーウルフも気になるのか声の方に向き「グルルルルル」喉を鳴らし警戒し始める。
「いたぞ! 冒険者とワーウルフだ!」
大きな声と足早で数人がこちらに近付く。た、助かった……王都からようやく騎士団が来てくれた。
声の主はガチッと地面に大きな盾を構えた。
「「【シールド!】冒険者たち俺の後ろから動くなぁ!! 盾役、ご苦労、後は俺が引き受ける!!」」
大きな声を上げて、ごつい鎧を付けたナサがシールドを張った。騎士団ではなく、みんながここに来てくれたんだ。ナサは盾を構えワーウルフと対峙した。
「「いまから、お前の相手は俺だぁ!! 来るがいい、ワーウルフ!!」」
「ワオォォォォン!!」
ナサの挑発を受けたワーウルフが盾にぶつかる。「キャウウウン」大型ワーウルフがナサの盾に鳴き声を上げて吹き飛んだ。
凄い。ナサの盾は大型ワーウルフの突進にもピクリともしない。余裕があるのか普通にアサトを呼んた。
「おーい、アサト隊長こっちだ」
ナサが手を振り亜人隊のみんなを呼んだ。私はみんなに見られる前に、転がってそばの茂みに身を潜めた。
♢
ナサの所にアサト達が合流した、彼らはワーウルフに驚いている様だ。
「こんな王道のど真ん中にワーウルフが出るなんて、初めてじゃないか?」
「そうだな、他のモンスターは見たがワーウルフは初めてだ」
「私も初めてですね。ここの奥にある北の洞窟でも見たことがありません。このワーウルフはどこからやってきたのでしょうか?」
「おい、ナサ、ロカ、怪我人もいるんだ。詮索は後にして先にワーウルフをやっちまうぞ!」
アサトは大きな斧を片手で軽々持ち、戦闘体制に入る。その後ろの方でロカさんは怪我をした冒険者にヒールを掛けている。カヤとリヤは冒険者を守るようにクローを構えていた。
(もう安心だ……この場を離れよう)
わたしはみんなに見つからないよう、茂みの中を進もうとした。ガサッと草を踏んだ音にワーウルフが反応する。
やばっ、こっちを向いた。
「おい、茂みに隠れている奴。俺のシールドから出るな! お前を守れなくなるだろう!」
ナサは盾を構えながらわたしに叫んだ。そのナサの声は威圧だビリビリと体に響いた。ごめんなさい、ここから動きません。
「「ガァオォォォォォォン」」
アサトが雄叫びを上げて、ワーウルフの意識を自分の方に向けた。
「ナサ! お前は一旦、シールドを解除してワーウルフを威嚇しろ、あいつが怯んだら一気に俺が叩く!」
「了解!」
ナサは盾を置き立ち上がった、ワーウルフを見据え息を吸い込み牙を剥く。
「「ギャアォォォォォン」」
大地、周りが振動するほどの威嚇だ。その、ナサの威嚇にワーウルフが怯んだ隙に、アサトが斧を振り上げてワーウルフに飛びかかった。
「ディィァアーッッッツ ︎」
ザシュッとワーウルフの首をはね、ボドッと地面に落ちて転がるワーウルフの首。その後にドサッと大きな体が倒れる。すごい、彼らが来てあっという間に倒してしまった。
だけど強制的に召喚されたワーウルフを消すには、額に見える黒い魔法陣を壊さないとダメだ。首が落ちたあともズル、ズルと、引きずるような嫌な音が聞こえる。
ワーウルフの首は、体とくっ付こうと動きだしている。それに気付かないのかアサトとナサは集まり話しをしていてる。やはり彼らも倒し方を知らないみたいだ。
早く教えないと、わたしはナサに向けて叫んだ。
「ナサ、ワーウルフの額にある魔方陣を壊して!」
「はぁ ︎ 魔方陣?」
話を止め振り向いた彼らは気付いただろう。切られても尚、動くワーウルフの体を……。一瞬、ナサは眉をひそめて、はぁーっと大きく息を吐き、複雑な顔を浮かべた。
「お前は……くそっ!」
拳を握り締めワーウルフの額にある、黒い魔方陣を拳で破壊した。「【ガリィィィン】」と砕けて、ワーウルフが黒い煙を上げて消えていく、そのあとボトッと黒い骨が落ち黒々しい煙をもやもや出している。
よかったこれで終わった。わたしは見つかる前に帰ろうと、茂みをかき分けてこの場から離れようとした。
「おい、茂みにいる奴、待て!」
いきなりナサに呼び止められた。茂みから見えた彼の顔は"なんで、テメェなんかに呼び捨てされなきゃいけねぇんだぁ"と、言っている顔だ。
「出てこい、出てこないんなら……」
……来ないで。
ナサはこちらに来ようとした足を止めて、道に落ちたワーウルフの骨を拾おうとした。わたしは咄嗟に茂みから立ち上がり叫んだ。
「ダメ! それに触ってはダメなの!!」
「あぁっ?」
ナサは手を引っ込めて、こっちを睨んだ。
「おい! なんでこれに触っちゃいけねんだぁ?」
「そ、その黒い骨は呪われているの。国から召喚士を呼んで処理して……いや、してください」
「ふーん、そうかわかった。でっ、お前は誰だ? なんで俺の名前を知ってる?」
いつもミリア亭で見るナサとは違い、人間大嫌いオーラがバチバチに出ている。わたしは……わたし、怖い、前の旦那に剣さえ握っておけばいいと言われた、剣を握る女は……嫌われる。
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