ブライトオレンジを抱えて
8
「俺のお母さんは心臓病でさ。もう治らないんだって。だから毎日のように来てるんだけど、お母さんには控えろって言われて悲しくてつい。ビックリさせちゃったよね」
「そんなこと…ない。お母さんを思う気持ちは分かるから」
「そっか。ありがとう。そろそろ行くよ」
彼がその場を離れようとした時、ふと何かを思い出したのように振り返って言った。
「ごめん。まだ名乗ってなかったね。三八慎太郎。よろしく」
「山本八重花」
「八重花か。良い名前だね」
優しく包み込むような彼の笑顔はとても綺麗だった。
「またね。八重花」
初めて彼と話せた。とても嬉しくて今日は寝れそうにない。短期間で、少しだけ仲良くなれた気がした。明日も話せたら、もっと仲良くなろう。
そう思うと不思議と胸が高鳴った。
でも、彼は来なかった。
数日の間、会えていない。
それでも不思議と寂しさは無かった。
あの日交わした会話の内容が私の心を暖めてくれているから。
「そんなこと…ない。お母さんを思う気持ちは分かるから」
「そっか。ありがとう。そろそろ行くよ」
彼がその場を離れようとした時、ふと何かを思い出したのように振り返って言った。
「ごめん。まだ名乗ってなかったね。三八慎太郎。よろしく」
「山本八重花」
「八重花か。良い名前だね」
優しく包み込むような彼の笑顔はとても綺麗だった。
「またね。八重花」
初めて彼と話せた。とても嬉しくて今日は寝れそうにない。短期間で、少しだけ仲良くなれた気がした。明日も話せたら、もっと仲良くなろう。
そう思うと不思議と胸が高鳴った。
でも、彼は来なかった。
数日の間、会えていない。
それでも不思議と寂しさは無かった。
あの日交わした会話の内容が私の心を暖めてくれているから。
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