ブライトオレンジを抱えて
7
――コンコン。扉がノックされる音が聞こえ、急いで涙を拭う。
「はい」
「入っても良いかな」
泣いていたのがバレないように俯いていたが、
すぐに分かった。
暖かく、涼しげな声。彼だ。
「どうぞ」
「ごめんね。さっきの会話、もしかして聞こえちゃってたのかなって思って」
私が少し悲しそうな顔をしていることを察したのか、彼は焦ったような口調で言った。
「違うんだ。あの。その。えっと…だからその」
彼のどぎまぎさに思わず噴き出した。
つられて彼も噴き出して二人して大声で笑ってしまった。
慌てて看護師さんが来て怒られてしまったけど。
笑い涙を指で拭いながら彼がゆったりとした口調で話し始めた。
「はい」
「入っても良いかな」
泣いていたのがバレないように俯いていたが、
すぐに分かった。
暖かく、涼しげな声。彼だ。
「どうぞ」
「ごめんね。さっきの会話、もしかして聞こえちゃってたのかなって思って」
私が少し悲しそうな顔をしていることを察したのか、彼は焦ったような口調で言った。
「違うんだ。あの。その。えっと…だからその」
彼のどぎまぎさに思わず噴き出した。
つられて彼も噴き出して二人して大声で笑ってしまった。
慌てて看護師さんが来て怒られてしまったけど。
笑い涙を指で拭いながら彼がゆったりとした口調で話し始めた。
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