ブライトオレンジを抱えて
4
「あの、僕の顔に何か付いてますか?」
気がつくと目の前には彼の姿があった。
『やばい見過ぎでしまった』
「いや、細道の向こうの桜の木を見ていただけです」
私は、咄嗟に嘘をついた。
「そうですか」
彼の表情が一瞬曇ったように見えたのは気のせいだろうか。
「それでは。失礼します」
彼が横を通り過ぎようとした時、私は柄にもなく大声を出してしまった。
「あの!私、熱がない時はこの場所にいます!なので、その、、」
森の中に私の声が響いて跳ね返ってくる。
彼は、きょとんとした目で私を見つめてくる。
彼の澄んだ瞳に吸い込まれてしまいそうだった。
鈴を張ったような目が緩んで彼は静かに笑って、いたずらげに言った。
「その時は、僕の話相手になってくれるんですか?」
私は、彼の目をまっすぐ見れず、俯き様に言った。
「は、はい。もちろんです」
顔が熱くなるのを感じる。
それを必死で隠すように私は、両手で顔を覆った。
それを見た彼は、クスリと笑った。
「それでは。また今度」
冷たくも、暖かい声で彼がそう言うと足早で病院に入っていった。
気がつくと目の前には彼の姿があった。
『やばい見過ぎでしまった』
「いや、細道の向こうの桜の木を見ていただけです」
私は、咄嗟に嘘をついた。
「そうですか」
彼の表情が一瞬曇ったように見えたのは気のせいだろうか。
「それでは。失礼します」
彼が横を通り過ぎようとした時、私は柄にもなく大声を出してしまった。
「あの!私、熱がない時はこの場所にいます!なので、その、、」
森の中に私の声が響いて跳ね返ってくる。
彼は、きょとんとした目で私を見つめてくる。
彼の澄んだ瞳に吸い込まれてしまいそうだった。
鈴を張ったような目が緩んで彼は静かに笑って、いたずらげに言った。
「その時は、僕の話相手になってくれるんですか?」
私は、彼の目をまっすぐ見れず、俯き様に言った。
「は、はい。もちろんです」
顔が熱くなるのを感じる。
それを必死で隠すように私は、両手で顔を覆った。
それを見た彼は、クスリと笑った。
「それでは。また今度」
冷たくも、暖かい声で彼がそう言うと足早で病院に入っていった。
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