ブライトオレンジを抱えて
3
彼を初めて見たのは、入院して半年も経たないくらいの頃、隣の病室に新しい患者が来たと言う話を耳にした。
母親らしき人の手を取り、ベットに寝かす彼の姿に、釘付けになった。
――綺麗。
思わず口に出てしまった。
私は、我に返って勢いよく口を塞ぐ。
それから、彼を好きになるのには時間は掛からなかった。
『もし、私が入院していなければ彼に出会えてはいなかったかもしれない。』
――そう思うと、少しだけ入院していて良かったと感じることがある。
細道を抜けた彼がこちら側に歩いてくる。
誰もいない森の奥、澄んだ湖のような瞳が一点だけを見つめている。
その瞳にはなにが映っているのだろうか。
母親らしき人の手を取り、ベットに寝かす彼の姿に、釘付けになった。
――綺麗。
思わず口に出てしまった。
私は、我に返って勢いよく口を塞ぐ。
それから、彼を好きになるのには時間は掛からなかった。
『もし、私が入院していなければ彼に出会えてはいなかったかもしれない。』
――そう思うと、少しだけ入院していて良かったと感じることがある。
細道を抜けた彼がこちら側に歩いてくる。
誰もいない森の奥、澄んだ湖のような瞳が一点だけを見つめている。
その瞳にはなにが映っているのだろうか。
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