ブライトオレンジを抱えて
一話 余命
あと半年。あと半年で私は死ぬ。
ただ死を待つだけ。誰もいない、一人だけの閑静な病室で、ただ燃やされて骨になるのを待つだけ。『死んだら何処へ行くのだろう』
何も見えない世界に行ってしまうのか。それとも、極楽浄土とやらへ行ってしまうのか。そんなのどちらでもいい。そう思い、今にも飛び立てそうなくらい雲一つない空を見ながら、今日も一日を過ごす。
「八重花ちゃん。検温の時間だよ」
うわっ。急にカーテンを開けて大きな声で話すもんだから驚いた。
「あ、はい」
体温計を受け取り、そっと脇に挟む。
三十七度五分。どおりで今日は、調子が良いわけだ。
いつもは、三十八度以上もあるから一日中ベッドから降りられないほど辛い。
けど、今日は天気も良いし久しぶりに外に出てみようと思う。朝から行くのは流石にダルすぎるから、昼から行くことにした。
担当医の許可を取って。看護師さんに車椅子を押してもらいながら、病院の外に出る。
久々に出た外の空気は美味しく感じた。
ただ死を待つだけ。誰もいない、一人だけの閑静な病室で、ただ燃やされて骨になるのを待つだけ。『死んだら何処へ行くのだろう』
何も見えない世界に行ってしまうのか。それとも、極楽浄土とやらへ行ってしまうのか。そんなのどちらでもいい。そう思い、今にも飛び立てそうなくらい雲一つない空を見ながら、今日も一日を過ごす。
「八重花ちゃん。検温の時間だよ」
うわっ。急にカーテンを開けて大きな声で話すもんだから驚いた。
「あ、はい」
体温計を受け取り、そっと脇に挟む。
三十七度五分。どおりで今日は、調子が良いわけだ。
いつもは、三十八度以上もあるから一日中ベッドから降りられないほど辛い。
けど、今日は天気も良いし久しぶりに外に出てみようと思う。朝から行くのは流石にダルすぎるから、昼から行くことにした。
担当医の許可を取って。看護師さんに車椅子を押してもらいながら、病院の外に出る。
久々に出た外の空気は美味しく感じた。
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