閉じる

お気に入りの音楽 3

ノベルバユーザー607660

お気に入りのレコード 70年代のロック3曲

 高校2年のことだった。夏休み明けのことだった。教室へ行く階段で、すれ違った女子が泣いていた。教室に入ると登校していた生徒数人が泣いていた。
 クラスの男子が自殺した。同じ姓の男子がふたりいたので、Y君と呼ばれていた。
 1年から同じクラスにいながら、話をしたことのない男子だった。髪は長く直毛ではなかった。新聞部に所属していた。話したことはほとんどない。真面目な生徒、あの学校には真面目な生徒しかいなかった。
 家庭の事情、ということだった。集会では、生活指導の怖い先生が、どんなに楽しそうに見えても悩んでいる生徒がいる。家庭ではいろいろな事情があるんだ……そんな話をした。
 クラスメイトは告別式に全員参加することになった。
 私たち4人グループの女子のRが、その前にお線香をあげに行こう、と言い出した。リーダー的存在のしっかりした女子だった。活発で男子とも臆することなく話し、ふざけていた。亡くなったY君ともそうだったのだろう。
 4人で午後、家を訪ねた。牛乳屋だった。その時応対したのは父親だけだった。父親は何も知らない私たちに話した。学校のせいだと。新聞部のY君は日教組のことを書き、先生側と何かあったらしい。
 感電死? どうやって? 無知な私は聞いているばかりだった。遺書を見せてくれた。
『私が死んでも悲しまないでください。悲しみは一時的なものです』
 供養だから、と言われバナナを食べた。息子の好きだったレコードをもらってくれ、と言われチェイスの『黒い炎』のLPをいただいた……


黒い炎  チェイス
https://youtu.be/t7HKPV8LeHQ

【GET IT ON “黒い炎" 】CHASE LIVE IN JAPAN 1972 "
https://youtu.be/sykv_y9EYBg

『黒い炎』は日本でもヒットし、そのサウンドは何人もの作曲家、歌手に大きな影響を与えた。『黒い炎』を和田アキ子がライブでカバーしたほか、筒美京平作曲・編曲の欧陽菲菲「恋の追跡(ラブ・チェイス)」、馬飼野康二による和田アキ子『古い日記』、西城秀樹『情熱の嵐』など、チェイスはヒットの規模以上のインパクトを与えていた。また、1987年にはTOPSが『黒い炎』をカヴァーした。(Wikipediaより)

黒い炎 和田アキ子 エリック・ミヤシロ(トランペット)
https://youtu.be/H29B2nV-GDY

 ︎
  
 先日、なにげなく思い出しスコーピオンズのことを調べた。
 当時、渋谷陽一さんのラジオを聞いていた。その時に紹介されたのだろう。ハードなドイツのロックグループ。
 渋谷氏はジャケットがどうの……言っていたが、気に入りすぐに買いに行った。
 まだ若かった娘が買うには恥ずかしいジャケットだった。30センチ掛ける30センチのほぼ全面の写真。今では許可されない女児のヌード……説明するのも憚られる。
 おまけに歌は『Virgin Killer』恥ずかしかったが、欲しかったのでレジに。
 このジャケットは各国で発禁になったが日本ではOKだった。日本は世界から児童ポルノ天国と呼ばれていた。
 そのレコードもすでに処分して何年? その後、このレコードのジャケットは物議が醸かもされメンバーの写真に変わった。
 それが、オークションで出品されている。アマゾンでは今ではアダルト扱いに。定価は1800円だったものが高いものは8000円に。
 知らなかった。
  
Scorpions - Virgin Killer (Blu-spec CD) 2010
https://youtu.be/_s8bL8jYB6k

Virgin Killer — Scorpions
https://youtu.be/GwsnnkcFO0Q

作詞 / 作曲
Uli Jon Roth(次章でまた登場します)

 ︎

Sympathy シンパシー ユーライアヒープ
https://youtu.be/tZ-0PwWhGMs

Uriah Heep - Sympathy • TopPop
https://youtu.be/5uGyS9YM1KQ

 この曲も、渋谷陽一さんのラジオから。

 数あるURIAH HEEPの名曲の中でも最も愛して止まない永遠の名曲。イントロ聴いただけで条件反射的に涙腺が緩み、楽曲クライマックス部分におけるジョン・ロートンのコブシが回りまくる入魂のシャウトには、聴く度に悶絶を誘われ、毎回滂沱の如く涙を流しております。
 (この曲を聴け 火薬バカ一代さんより)
  
 同感です。何度聴いたかわかりません。レコードは処分しましたが、動画閲覧数は1番。

 元ユーライア・ヒープのヴォーカリスト、ジョン・ロートンが74歳で逝去。
「2021年6月29日、ジョン・ロートンが突然、全く予期せぬかたちで亡くなったという非常に悲しいニュースを、深い遺憾の意をもってお伝えします。
 報じられている内容とは裏腹に、病気ではなかったため、彼の死は理解しがたいものとなっています。彼は妻に見守られながら安らかに逝きました。
 彼の死は大変惜しまれることでしょう。ジョンの人生を祝福するための葬儀は、本人の希望通り、家族と親しい友人のみで執り行われます」
https://www.udiscovermusic.jp/news/john-lawton-uriah-heep-dead-74?amp=1
  

「お気に入りの音楽 3」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「エッセイ」の人気作品

コメント

コメントを書く