魔法外科医は癒やし系少年
涼波ハルカの進撃-14 ☸ シエラの涙
=== ✽ ✽ ✽ ===
ロビはシエラに屋敷に招待され、夕食後、シエラと全裸でソファに座り、お互いの暖かさを確認しながら昔話をしていた。
「飲み心地ですが、まったりしながらも少しはじけるような爽やかな感じはありませんでしたか?」
「あったわ。ロビ、知っているの?」
「後で説明します。ちょっと接触念話使ってもいいですか?」
「接触念話って何?」
「魔法のひとつで、相手が思い浮かべていることを読み取ったり伝えるものです」
「いいわ、どうぞ」
ロビはシエラと額を合わせた。
(『接触念話』)
<シエラ、緑色のワインを飲むところを思い出してください>
<おもしろいわ、これが念話っていうものね。今から思い出すわ>
シエラは当時のことを思い出した。
<ありがとうございます。離しますね>
<いえ、おもしろいから、このまま念話を続けてもいいかしら>
<でも、接触念話だと、隠し事や嘘が言えなくなります。大丈夫ですか?>
<ええ、あなたは殺されそうになったんだもの。全てを知る権利があるわ>
<わかりました。じゃあ、続けてください>
二人は時々額を離し、ワインを飲みながら念話を続けた。
<それで、いい気分になって部屋に誘われたの。酔っていたせいなのかしら、そのままついていっちゃって>
<どんな会話をしましたか?>
<『俺のは大きいんだ』とか言っていたわ>
<本当に大きいですね。うわ、いきなりこんなことさせられたんですか?>
<うふふ、ちょっと大変だったけど>
<僕のも、もうちょっと大きいといいんですけど>
<あなたの方がずっと気持ちよかったわよ>
<本当ですか?>
<接触念話は嘘をつけないんでしょ>
<そうでした>
<接触念話は感覚まで伝わるの?>
<いえ、会話と記憶だけです。記憶については『美味しいものを食べたこと』を思い出しても、口の中に味覚は再現されない、そんな感じです>
<とても納得のいく説明だわ。やっぱりロビは素敵よ。ちょっとワインを飲みましょう>
「ベッドに移っていいかしら。横を向くのはちょっと辛いの」
「そうですね。首が疲れますよね」
「ロビ、しっかり反応してくれているのね。うれしいわ」
「シエラがお奇麗だからです。ここで反応しないのは失礼にあたります」
「あなたらしい答えだわ。さあ、一緒に」
(『接触念話』)
<レザルトとの体験は後悔するほどのものではなかったわ。続きよ>
<結構、乱暴ですね>
<あなたが丁寧すぎるのかも。私の婚約者も最初は似たようなものだったわ>
<婚約者の裸まで思い出さなくていいです>
<あら、ごめんなさい。ちょっと待ってね、頭を切り替えるわ>
<目隠しされたんですか?>
<あの人、この方が気持ちよくなるって言って途中から目隠しをされたの。実際、少しは気持ちよかったわ>
<あ、動きが止まりました>
<果てたみたい。早かったわよ。この時、『ロビの方が上手』って言っちゃったの。ごめんなさい>
<そうですか。あれ?これ、何の音でしょう。シエラはこの時、どんな姿勢ですか?>
<膝の裏を手で持って、足を開いていて……確かにレザルトは何かしていたわ>
<これ、何かを書物に書いている音です。今、パタンと言いました。結構、厚みのある書物みたいですね>
<そう言われてみればそうね>
<この後はどうしたのですか?>
<一緒にお湯を浴びて、王立学院寮の近くまで送ってもらったの>
「そうですか。もしかしたらレザルト、女性と事を致すと書物に記録しているのかもしれませんね」
「そうかも。他の女性との経験も、結構、事細かに話していたわ。それはそれで、ちょっと興奮する話だったけど」
ロビは一旦ベッドから離れ、テーブルに置いてあったグラスをベッドのサイドテーブルに置いた。二人は身体を起こしてワインを飲み、抱き合った。
ロビは枕を立てて背もたれのようにし、ベッドにシエラと並んで座った。そしてシエラを抱き寄せた。
「事を致すのは無しよ」
「大丈夫です」
ロビは落ち着いて答えた。
「どうしてそんなに落ち着いていられるの?」
(どうしよう、出かける前に六回も事を致しましたとは言えないし……)
「シエラの尊厳が大切だからです」
「ほんと、あなたってずるい」
=== ✽ ✽ ✽ ===
「まず、緑色のワインですが、たぶん催眠特効薬入りの白ワインです。医療関係者しか取り扱えないもので、原材料から製法まで厳重に管理されています」
「そうなの?」
「僕は催眠特効薬を見たことがあります」
(『接触念話』)
「そうよ、この色、妙に明るい緑色よ。これを白ワインに入れたらちょうど同じ色になるわ。私、一夜でもレザルトのことを素敵と思ったことを後悔するわ」
シエラは泣き始めた。
「もしかして、少しは気持ちいいって思ったのは催眠特効薬のせいなの?」
「その可能性はあります。どの特効薬も飲んだ場合、効果が出るのは三十分後です。そのあたりから性的な話をしたとのことですから、それで気持ちいいという意識を刷り込まれたのかもしれません」
「目隠しをされて気持ちいいって思ったのは?」
「それは本当に気持ちよかったんだと思います。ヒト族は感覚をひとつ失うと、他の感覚で補おうとするため、敏感になりますから」
「とても医学的な説明ね。それで私は、恥ずかしい姿をスケッチされたと」
シエラの涙は止まらず、シエラはロビを押し倒し、顔を胸に押し付けた。ロビはシエラの髪を撫でた。しばらくして多少は落ち着いたのか、シエラは再び口を開いた。
「催眠特効薬を使うなんて許せないわ」
「レザルトの実家は魔法内科医なので、そこから手に入れたのかもしれません」
「今でもあの男、王立学院に出入りしているの?」
「ええ、特別講義でよく呼ばれています。それなりに地位のある人ですから」
「何とかならないかしら」
ロビは考え始めた。
(うーん、レザルトに協力している高級宿屋はわかったから、レザルトが女性と食事している時に厨房で緑色のワインを作るところを取り押さえればいいんだけど、それだけだともみ消されちゃうよな。やっぱり書物を盗み出す必要がある。これはこれで違法だから、足が付くとやばい。どうしたらいいものかな)
「本気でやるのであれば、エネクスボの厨房で一人働かさせ、催眠特効薬の空き瓶を盗み出します。空き瓶とはいえ、催眠特効薬は粘り気があるので必ず中身が少しだけ残ります。もし洗っているのであれば、代わりに洗うふりをして奪い取ればよいと思います」
「だれか街でシェフを雇えばいいのね」
「そして、王都にある魔法医療協会に拾得物として催眠特効薬の空き瓶を届けます。そうすると魔法内科医に対して一斉に在庫確認指令が出るので、レザルトの実家があぶり出されます」
「それだけではもみ消されるわ」
「書物を盗み出します。そうすれば、筆跡鑑定で証拠になります」
「どうやって?それはそれで犯罪でしょ」
「冒険者を使います。冒険者ギルドは依頼主の身元が不明でも報酬と手数料を前金で渡し、直接引き取りに行けば依頼を受け付けてくれます」
「でも、盗みの依頼なんて受け付けてくれないのでは?」
「そうです。しかし秘密の書き方があります。これは冒険者ギルドも気が付いていますが黙認しています」
「どうやって書くの?」
ロビはサイドテーブルに置いてあった紙とペンを持つと、文書を書き始めた。
「できました」
「『シエツ街にある
エナガル川のそばに生えた
ラズベリーを
橋を越えたところに
描かれている
渡し舟の前で
頂きたい
いつまでも愛している』」
シエラは考え込んだ。
「これ、何か意味があるの?」
「簡単です。各行の最初の文字だけ読んでください」
「シ、エ、ラ、ハ、カ、ワ、イ、イ。『シエラは可愛い』?」
「そうです。実際には依頼はもっと長い文章になるので、段組みした書き方になります。そのため、わかる冒険者にはすぐにわかります」
「そうなのね」
「ただ、依頼完了の証拠だけはちゃんと『書物』と書いてください」
「それは冒険者ギルドが確認するためね?」
「そうです。あとは冒険者ですが、エリク冒険者ギルド所属のソメイに指名依頼してください」
「その冒険者は何者なの?」
「新人ですがウリシア王国の冒険者の中で最も巧妙で繊細な技を使い、どう猛な魔石獣を傷ひとつ付けることなく生け捕りにできる冒険者です」
「すごいのね。あなたの言うとおりにするわ。報酬はいくらぐらいがいいのかしら」
「ソメイは不正がきらいなので、事情も書けばきっと小金貨一枚でも受けてくれます」
「リスクは無いの?」
「ソメイが捕まった場合、処刑されるでしょう。書物は処分されてしまうかもしれませんが、依頼人の身元さえ伏せておけばシエラまで手が及ぶことはありません」
「それならば、私の一存だけでできる。来週、早速取り掛かるわ」
シエラは再びロビをベッドに押し倒すと、しばらくロビの胸に頭を乗せて動かなかった。ロビはシエラの髪を撫でた。
「ロビ」
「なんでしょうか?」
「私、あの時、あなたのことを愛しそうになっていたわ。いえ、愛していたのかも」
「ありがとうございます」
「でも、今は愛さなくて良かったと思っているの」
「どうしてですか?」
「あなたの存在は、洞窟にある湖のように深く暗く美しく、安心と恐怖を同時に与えるの」
「そんなにすごい存在じゃないです。道端にある水溜まりです」
シエラは身体を起こし、ロビを見つめた。
「ねえロビ、今、私があなたにキスをしても、あなたは約束を守れるかしら」
「はい、守れます」
シエラはロビの顔に近づき、舌を絡めるとても長いキスをした。
ロビはシエラに屋敷に招待され、夕食後、シエラと全裸でソファに座り、お互いの暖かさを確認しながら昔話をしていた。
「飲み心地ですが、まったりしながらも少しはじけるような爽やかな感じはありませんでしたか?」
「あったわ。ロビ、知っているの?」
「後で説明します。ちょっと接触念話使ってもいいですか?」
「接触念話って何?」
「魔法のひとつで、相手が思い浮かべていることを読み取ったり伝えるものです」
「いいわ、どうぞ」
ロビはシエラと額を合わせた。
(『接触念話』)
<シエラ、緑色のワインを飲むところを思い出してください>
<おもしろいわ、これが念話っていうものね。今から思い出すわ>
シエラは当時のことを思い出した。
<ありがとうございます。離しますね>
<いえ、おもしろいから、このまま念話を続けてもいいかしら>
<でも、接触念話だと、隠し事や嘘が言えなくなります。大丈夫ですか?>
<ええ、あなたは殺されそうになったんだもの。全てを知る権利があるわ>
<わかりました。じゃあ、続けてください>
二人は時々額を離し、ワインを飲みながら念話を続けた。
<それで、いい気分になって部屋に誘われたの。酔っていたせいなのかしら、そのままついていっちゃって>
<どんな会話をしましたか?>
<『俺のは大きいんだ』とか言っていたわ>
<本当に大きいですね。うわ、いきなりこんなことさせられたんですか?>
<うふふ、ちょっと大変だったけど>
<僕のも、もうちょっと大きいといいんですけど>
<あなたの方がずっと気持ちよかったわよ>
<本当ですか?>
<接触念話は嘘をつけないんでしょ>
<そうでした>
<接触念話は感覚まで伝わるの?>
<いえ、会話と記憶だけです。記憶については『美味しいものを食べたこと』を思い出しても、口の中に味覚は再現されない、そんな感じです>
<とても納得のいく説明だわ。やっぱりロビは素敵よ。ちょっとワインを飲みましょう>
「ベッドに移っていいかしら。横を向くのはちょっと辛いの」
「そうですね。首が疲れますよね」
「ロビ、しっかり反応してくれているのね。うれしいわ」
「シエラがお奇麗だからです。ここで反応しないのは失礼にあたります」
「あなたらしい答えだわ。さあ、一緒に」
(『接触念話』)
<レザルトとの体験は後悔するほどのものではなかったわ。続きよ>
<結構、乱暴ですね>
<あなたが丁寧すぎるのかも。私の婚約者も最初は似たようなものだったわ>
<婚約者の裸まで思い出さなくていいです>
<あら、ごめんなさい。ちょっと待ってね、頭を切り替えるわ>
<目隠しされたんですか?>
<あの人、この方が気持ちよくなるって言って途中から目隠しをされたの。実際、少しは気持ちよかったわ>
<あ、動きが止まりました>
<果てたみたい。早かったわよ。この時、『ロビの方が上手』って言っちゃったの。ごめんなさい>
<そうですか。あれ?これ、何の音でしょう。シエラはこの時、どんな姿勢ですか?>
<膝の裏を手で持って、足を開いていて……確かにレザルトは何かしていたわ>
<これ、何かを書物に書いている音です。今、パタンと言いました。結構、厚みのある書物みたいですね>
<そう言われてみればそうね>
<この後はどうしたのですか?>
<一緒にお湯を浴びて、王立学院寮の近くまで送ってもらったの>
「そうですか。もしかしたらレザルト、女性と事を致すと書物に記録しているのかもしれませんね」
「そうかも。他の女性との経験も、結構、事細かに話していたわ。それはそれで、ちょっと興奮する話だったけど」
ロビは一旦ベッドから離れ、テーブルに置いてあったグラスをベッドのサイドテーブルに置いた。二人は身体を起こしてワインを飲み、抱き合った。
ロビは枕を立てて背もたれのようにし、ベッドにシエラと並んで座った。そしてシエラを抱き寄せた。
「事を致すのは無しよ」
「大丈夫です」
ロビは落ち着いて答えた。
「どうしてそんなに落ち着いていられるの?」
(どうしよう、出かける前に六回も事を致しましたとは言えないし……)
「シエラの尊厳が大切だからです」
「ほんと、あなたってずるい」
=== ✽ ✽ ✽ ===
「まず、緑色のワインですが、たぶん催眠特効薬入りの白ワインです。医療関係者しか取り扱えないもので、原材料から製法まで厳重に管理されています」
「そうなの?」
「僕は催眠特効薬を見たことがあります」
(『接触念話』)
「そうよ、この色、妙に明るい緑色よ。これを白ワインに入れたらちょうど同じ色になるわ。私、一夜でもレザルトのことを素敵と思ったことを後悔するわ」
シエラは泣き始めた。
「もしかして、少しは気持ちいいって思ったのは催眠特効薬のせいなの?」
「その可能性はあります。どの特効薬も飲んだ場合、効果が出るのは三十分後です。そのあたりから性的な話をしたとのことですから、それで気持ちいいという意識を刷り込まれたのかもしれません」
「目隠しをされて気持ちいいって思ったのは?」
「それは本当に気持ちよかったんだと思います。ヒト族は感覚をひとつ失うと、他の感覚で補おうとするため、敏感になりますから」
「とても医学的な説明ね。それで私は、恥ずかしい姿をスケッチされたと」
シエラの涙は止まらず、シエラはロビを押し倒し、顔を胸に押し付けた。ロビはシエラの髪を撫でた。しばらくして多少は落ち着いたのか、シエラは再び口を開いた。
「催眠特効薬を使うなんて許せないわ」
「レザルトの実家は魔法内科医なので、そこから手に入れたのかもしれません」
「今でもあの男、王立学院に出入りしているの?」
「ええ、特別講義でよく呼ばれています。それなりに地位のある人ですから」
「何とかならないかしら」
ロビは考え始めた。
(うーん、レザルトに協力している高級宿屋はわかったから、レザルトが女性と食事している時に厨房で緑色のワインを作るところを取り押さえればいいんだけど、それだけだともみ消されちゃうよな。やっぱり書物を盗み出す必要がある。これはこれで違法だから、足が付くとやばい。どうしたらいいものかな)
「本気でやるのであれば、エネクスボの厨房で一人働かさせ、催眠特効薬の空き瓶を盗み出します。空き瓶とはいえ、催眠特効薬は粘り気があるので必ず中身が少しだけ残ります。もし洗っているのであれば、代わりに洗うふりをして奪い取ればよいと思います」
「だれか街でシェフを雇えばいいのね」
「そして、王都にある魔法医療協会に拾得物として催眠特効薬の空き瓶を届けます。そうすると魔法内科医に対して一斉に在庫確認指令が出るので、レザルトの実家があぶり出されます」
「それだけではもみ消されるわ」
「書物を盗み出します。そうすれば、筆跡鑑定で証拠になります」
「どうやって?それはそれで犯罪でしょ」
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「でも、盗みの依頼なんて受け付けてくれないのでは?」
「そうです。しかし秘密の書き方があります。これは冒険者ギルドも気が付いていますが黙認しています」
「どうやって書くの?」
ロビはサイドテーブルに置いてあった紙とペンを持つと、文書を書き始めた。
「できました」
「『シエツ街にある
エナガル川のそばに生えた
ラズベリーを
橋を越えたところに
描かれている
渡し舟の前で
頂きたい
いつまでも愛している』」
シエラは考え込んだ。
「これ、何か意味があるの?」
「簡単です。各行の最初の文字だけ読んでください」
「シ、エ、ラ、ハ、カ、ワ、イ、イ。『シエラは可愛い』?」
「そうです。実際には依頼はもっと長い文章になるので、段組みした書き方になります。そのため、わかる冒険者にはすぐにわかります」
「そうなのね」
「ただ、依頼完了の証拠だけはちゃんと『書物』と書いてください」
「それは冒険者ギルドが確認するためね?」
「そうです。あとは冒険者ですが、エリク冒険者ギルド所属のソメイに指名依頼してください」
「その冒険者は何者なの?」
「新人ですがウリシア王国の冒険者の中で最も巧妙で繊細な技を使い、どう猛な魔石獣を傷ひとつ付けることなく生け捕りにできる冒険者です」
「すごいのね。あなたの言うとおりにするわ。報酬はいくらぐらいがいいのかしら」
「ソメイは不正がきらいなので、事情も書けばきっと小金貨一枚でも受けてくれます」
「リスクは無いの?」
「ソメイが捕まった場合、処刑されるでしょう。書物は処分されてしまうかもしれませんが、依頼人の身元さえ伏せておけばシエラまで手が及ぶことはありません」
「それならば、私の一存だけでできる。来週、早速取り掛かるわ」
シエラは再びロビをベッドに押し倒すと、しばらくロビの胸に頭を乗せて動かなかった。ロビはシエラの髪を撫でた。
「ロビ」
「なんでしょうか?」
「私、あの時、あなたのことを愛しそうになっていたわ。いえ、愛していたのかも」
「ありがとうございます」
「でも、今は愛さなくて良かったと思っているの」
「どうしてですか?」
「あなたの存在は、洞窟にある湖のように深く暗く美しく、安心と恐怖を同時に与えるの」
「そんなにすごい存在じゃないです。道端にある水溜まりです」
シエラは身体を起こし、ロビを見つめた。
「ねえロビ、今、私があなたにキスをしても、あなたは約束を守れるかしら」
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