魔法外科医は癒やし系少年
涼波ハルカの喪失-17 ☸ ハルカの新居
=== ✽ ✽ ✽ ===
「お兄様、明日から三連休です。ですからお別れの挨拶も長くしましょう」
「う、うん」
(なんか、メイアの視線をすごく感じる)
ロビは、一日の授業を終え、カサリとお別れの挨拶をし……三連休でカサリがさみしがるのでいつもの倍の時間の挨拶をした。
ロビが帰宅すると、ハルカが椅子に座って待っていた。髪はきれいに整えられ、まだ少し濡れている。身体をきれいにしたばかりのようで、発情期特有のにおいもない。
服は着ておらず、身体を拭く時に使う大きな布を身体に巻いていた。履物は、普段、ベッドのそばに置いてあるゆったりとしたサンダルだ。
ハルカの足元には、ククとココが座っている。
隷従首輪は付けたままである。最後に施錠したのはロビなのでロビにしか外すことはできない。
「良かった、ネネ、いや、ハルカ、我が家へようこそ」
「ロビ」
ハルカはそれ以上の言葉は言わなかったが、満面の笑みで答えた。
「ロビ様のご指示通り、本家ではなくこちらに連れてきたのですが、よかったのでしょうか?」
「うん、ダリア、それでいいよ。それから、この子の名前は『ハルカ』だよ。ウグルスもよろしくね」
「はい、かしこまりました」
「ダリア、大陸公用語の書物は持ってきてくれた?」
「はい、ここに。初等部入学前向けのものを本家より借りて参りました」
「ありがとう、重かったでしょ?」
「いえ、重く感じたのは馬だけですから」
「あはは、そうだね。じゃ、あれこれ話をする前に……」
ロビはハルカの隷従首輪の前に指を広げた。
(『解錠隷従首輪』)
「さあ、ハルカ、これで重たい隷従首輪とはお別れだ」
ロビは、隷従首輪を両手で開き、そばのテーブルに置いた。
「ウグルス、うちの隷従首輪を二つ持ってきてくれる?」
「少々お待ちください」
ロビはハルカを抱きしめ、額をくっつけた。
(『接触念話』)
<ハルカ、大丈夫だったかい?>
<はい、ロビ様が隷従首輪を壊してくださったおかげで、ひどい痛みはありませんでした。ただ……>
<あ、そうか、わかったよ。そっちも何とかするね>
「ダリア、今日は格闘練習は無しにしてハルカの身の回りを整えよう」
「かしこまりました」
ロビは、ウグルスから隷従首輪を受け取ると、ハルカの首に取り付けた。もうひとつはダリアの首に取り付けた。そして再び額を合わせた。
<ハルカ、獣人は隷従首輪を付けていないと、奴隷商に狩られてしまう可能性があるんだ。ちょっと不便だけど、これをつけておいてね>
<とても軽いです。さっきのより薄いし、それにやわらかくて快適です>
<試しに発動してみるよ、くすぐったいだけだから>
<はい>
「『発動隷従首輪』」
ハルカの顔が急に猫顔になって笑い出した。ダリアはとても苦しそうだ。
「『停止隷従首輪』」
ロビは再び額を合わせた。
(『接触念話』)
<ダリアは、猫顔にならないように我慢しているから苦しんでいるように見えるんだ。ハルカも時々練習するよ>
<わ、わかりました>
<ヒト族に変装する専用のメイド服ができたら外せるからね>
<変装用の?メイド服ですか>
<そう。ウグルスもダリアも獣人族だよ>
<え、そうなんですか?>
<うん。あと、これ、他人には外せないけど、自分では自由に外せるから、寝る時とかは外していいよ>
<はい>
横でダリアが隷従首輪を取り外し、ウグルスに渡していた。
「ダリア、悪いけど、今からできあいの洋服と靴をハルカ用に買ってきてくれる?あと、下着類はそれなりに」
「かしこまりました。それでは採寸致します」
ダリアは、部屋からメジャーを取ってくると、ハルカの裸がウグルスとロビから見えないように気遣いながら採寸し、ペンにインクを付けながら紙に寸法を書き始めた。
ロビは、ハルカの採寸をしているダリアに質問した。
「ダリア、愛玩具の予備って持っている?」
「いえ、持っているのは種類の違うものがいくつかあるだけで……」
ダリアは恥ずかしそうにうつむきながら答えた。愛玩具は、一部のヒト達が趣味で使うものだが、獣人が、発情期を日常生活に支障なく乗り切るためにも役に立つ。
「ついでにそれも買ってきて。ハルカに使い方を教えてあげてくれるかな」
「い、い、いえ、その、そのようなお役はロビ様が適切かと。購入は私がして、ま、参りますから」
珍しくダリアは動揺している。
「ハルカ、発情期は今年、初めてみたいなんだ」
「はい、それでは初心者向けのものを見繕ってきます」
「愛玩具って、初心者向けとか上級者向けってあるの?」
「あ、その、あの、いえ、もう、忘れてください……」
「ごめんごめん」
ダリアは軽く深呼吸をした。
「ロビ様、ハルカの部屋はどうしますか?」
「召使い兼格闘練習相手だから、ダリアの部屋の隣の隣でどう?」
「私は隣でも構いませんが……どうしてでしょうか?」
ロビが下宿として借りているオリシス家の別宅は、三人で住むには広すぎて部屋が余っている。
「ダリアが『上級者向けの愛玩具』を使っている声、聞こえちゃうかもよ」
「もう、ロビ様ったら、隣で大丈夫です!」
「でも、しばらくは……そうだな、一週間ぐらいは僕の部屋で寝泊まりしてもらう」
「そうなんですか?」
ダリアは、寂しそうな顔をした。
「あ、ダリア、勘違いしないで。後でちゃんと話すから。とりあえず、買い物、頼むよ」
「はい、行ってきます」
「じゃあ、ウグルス、書物を運ぶの、手伝ってくれる?」
「かしこまりました」
=== ✽ ✽ ✽ ===
ウグルスとロビは、何冊もある書物を手分けしてロビの部屋まで運んだ。ハルカも、残っていた数冊の書物を抱え、ロビ達の後ろに付いてきた。
ウグルスは書物を置くと、夕食の準備のため、部屋を出て行った。ロビはハルカをソファに座らせ、額を合わせた。
(『接触念話』)
<ごめんね、ちょうどいい服がなくて。今はこれで我慢してくれる?>
<はい。大丈夫です>
<身体の方はどう?>
<うずいて、あの、かゆいです>
<もしかして、炎症を起こしているのかも。ちょっと見せてごらん>
<う、え、あ、はい>
ロビがハルカの身体に巻かれた布をめくると、ハルカは両足を広げ、手で膝を持った。ハルカは顔を赤らめた。
「ハルカ、恥ずかしがらなくていいよ。やっぱり炎症だ。おしりの方もひどいな……」
ロビは再び額を合わせた。
(『接触念話』)
<不衛生な手で触るとこうなるんだ。薬を取ってくるからちょっと待っててね>
<は、はい、お願いします>
<この世界でもいい薬があるんだよ>
<手で触っていたこと、ばれちゃったんだ、恥ずかしい……>
<ハルカ、全部、聞こえているから>
<ロビ様はいじわるです>
ロビが薬の入った瓶を手にして戻ってきても、ハルカはなぜか足を開いたままだった。
(緊張しているのかな、まあいいや、こういう時は取りあえず薬を見せよう)
ロビが持ってきた薬は瓶に入った液体で、ロビは、薬を手のひらに出してハルカに見せた。ハーブっぽいにおいがして、少しドロッとしている。ロビは炎症を起こしている部分に薬を塗り始めた。
ハルカはさらに足を広げ、おしりの方まで見えるように膝を持ち上げた。
(うーん、少し中にも薬を塗っておいた方がいいかな。前の方は……うん、簡単。こっちの方も……少しずつもみほぐしながら、おっ。ちょっと奥の方まで塗っておこう)
「ロビ、ロビ……」
ハルカは切なげな声を出している。
「う、ごめん、ちょっと塗り方が悪かったかな」
(『接触念話』)
ロビは、ハルカと額を合わせた。
<腫れが引くまで三日ぐらいかかる。それまでなるべく触らないように>
<はい……あの、今日は、無理、ですよね?>
<あ、それぐらいは大丈夫だよ>
<お願いします>
ロビはハルカにキスをし、大きな布の中をまさぐるようにハルカの身体に触れた。
ハルカは先ほどから開きっぱなしの足でロビの腰を捕まえた。ロビはハルカの気持ちを察したのか、ズボンをずらし、すぐに挿れた。
「ロビ、ロビ……」
ハルカはロビの首に手を回し、キスをした。
(うお、すごい満たされ感、ハルカとのキスって癖になりそう)
一通りの事を終えると、ロビはハルカの胸にキスをした。外はまだ明るい。ロビは、ハルカの胸にオリシス家の監禁部屋では気が付かなかった傷跡を見つけた。薄っすらとだが、ハルカの胸には十五センチほどの傷跡がある。
(傷跡?いや、これは違う。もっと意図的で精密な切り方……外科手術の跡だ。なんの手術だろう?うっ!)
外科医でなければ気が付かないほど、きれいな手術跡だった。
傷跡を指でなぞった瞬間、古代魔道具を見た時に起こる知識流入が起き、軽い眩暈を感じた。
(これ、古代消失技術だ。危険だな……それにしても、誰がこんな技術を継承しているんだろう?魔力供給できるかな。まずは現状確認。『探索魔力反応』、あと数回使えるかどうかぐらいか)
ロビはハルカの胸に手を当てた。
(じゃあ、魔力供給をしてみてっと。ん?なんか素通り感が……もう一度、『探索魔力反応』。ダメだ、全然、増えてない。取り除くしかないのかな)
 しばらくして玄関の方からドアを開け閉めする音がした。ダリアが帰ってきたようだ。ロビはハルカから離れると、部屋から出ていった。
「お兄様、明日から三連休です。ですからお別れの挨拶も長くしましょう」
「う、うん」
(なんか、メイアの視線をすごく感じる)
ロビは、一日の授業を終え、カサリとお別れの挨拶をし……三連休でカサリがさみしがるのでいつもの倍の時間の挨拶をした。
ロビが帰宅すると、ハルカが椅子に座って待っていた。髪はきれいに整えられ、まだ少し濡れている。身体をきれいにしたばかりのようで、発情期特有のにおいもない。
服は着ておらず、身体を拭く時に使う大きな布を身体に巻いていた。履物は、普段、ベッドのそばに置いてあるゆったりとしたサンダルだ。
ハルカの足元には、ククとココが座っている。
隷従首輪は付けたままである。最後に施錠したのはロビなのでロビにしか外すことはできない。
「良かった、ネネ、いや、ハルカ、我が家へようこそ」
「ロビ」
ハルカはそれ以上の言葉は言わなかったが、満面の笑みで答えた。
「ロビ様のご指示通り、本家ではなくこちらに連れてきたのですが、よかったのでしょうか?」
「うん、ダリア、それでいいよ。それから、この子の名前は『ハルカ』だよ。ウグルスもよろしくね」
「はい、かしこまりました」
「ダリア、大陸公用語の書物は持ってきてくれた?」
「はい、ここに。初等部入学前向けのものを本家より借りて参りました」
「ありがとう、重かったでしょ?」
「いえ、重く感じたのは馬だけですから」
「あはは、そうだね。じゃ、あれこれ話をする前に……」
ロビはハルカの隷従首輪の前に指を広げた。
(『解錠隷従首輪』)
「さあ、ハルカ、これで重たい隷従首輪とはお別れだ」
ロビは、隷従首輪を両手で開き、そばのテーブルに置いた。
「ウグルス、うちの隷従首輪を二つ持ってきてくれる?」
「少々お待ちください」
ロビはハルカを抱きしめ、額をくっつけた。
(『接触念話』)
<ハルカ、大丈夫だったかい?>
<はい、ロビ様が隷従首輪を壊してくださったおかげで、ひどい痛みはありませんでした。ただ……>
<あ、そうか、わかったよ。そっちも何とかするね>
「ダリア、今日は格闘練習は無しにしてハルカの身の回りを整えよう」
「かしこまりました」
ロビは、ウグルスから隷従首輪を受け取ると、ハルカの首に取り付けた。もうひとつはダリアの首に取り付けた。そして再び額を合わせた。
<ハルカ、獣人は隷従首輪を付けていないと、奴隷商に狩られてしまう可能性があるんだ。ちょっと不便だけど、これをつけておいてね>
<とても軽いです。さっきのより薄いし、それにやわらかくて快適です>
<試しに発動してみるよ、くすぐったいだけだから>
<はい>
「『発動隷従首輪』」
ハルカの顔が急に猫顔になって笑い出した。ダリアはとても苦しそうだ。
「『停止隷従首輪』」
ロビは再び額を合わせた。
(『接触念話』)
<ダリアは、猫顔にならないように我慢しているから苦しんでいるように見えるんだ。ハルカも時々練習するよ>
<わ、わかりました>
<ヒト族に変装する専用のメイド服ができたら外せるからね>
<変装用の?メイド服ですか>
<そう。ウグルスもダリアも獣人族だよ>
<え、そうなんですか?>
<うん。あと、これ、他人には外せないけど、自分では自由に外せるから、寝る時とかは外していいよ>
<はい>
横でダリアが隷従首輪を取り外し、ウグルスに渡していた。
「ダリア、悪いけど、今からできあいの洋服と靴をハルカ用に買ってきてくれる?あと、下着類はそれなりに」
「かしこまりました。それでは採寸致します」
ダリアは、部屋からメジャーを取ってくると、ハルカの裸がウグルスとロビから見えないように気遣いながら採寸し、ペンにインクを付けながら紙に寸法を書き始めた。
ロビは、ハルカの採寸をしているダリアに質問した。
「ダリア、愛玩具の予備って持っている?」
「いえ、持っているのは種類の違うものがいくつかあるだけで……」
ダリアは恥ずかしそうにうつむきながら答えた。愛玩具は、一部のヒト達が趣味で使うものだが、獣人が、発情期を日常生活に支障なく乗り切るためにも役に立つ。
「ついでにそれも買ってきて。ハルカに使い方を教えてあげてくれるかな」
「い、い、いえ、その、そのようなお役はロビ様が適切かと。購入は私がして、ま、参りますから」
珍しくダリアは動揺している。
「ハルカ、発情期は今年、初めてみたいなんだ」
「はい、それでは初心者向けのものを見繕ってきます」
「愛玩具って、初心者向けとか上級者向けってあるの?」
「あ、その、あの、いえ、もう、忘れてください……」
「ごめんごめん」
ダリアは軽く深呼吸をした。
「ロビ様、ハルカの部屋はどうしますか?」
「召使い兼格闘練習相手だから、ダリアの部屋の隣の隣でどう?」
「私は隣でも構いませんが……どうしてでしょうか?」
ロビが下宿として借りているオリシス家の別宅は、三人で住むには広すぎて部屋が余っている。
「ダリアが『上級者向けの愛玩具』を使っている声、聞こえちゃうかもよ」
「もう、ロビ様ったら、隣で大丈夫です!」
「でも、しばらくは……そうだな、一週間ぐらいは僕の部屋で寝泊まりしてもらう」
「そうなんですか?」
ダリアは、寂しそうな顔をした。
「あ、ダリア、勘違いしないで。後でちゃんと話すから。とりあえず、買い物、頼むよ」
「はい、行ってきます」
「じゃあ、ウグルス、書物を運ぶの、手伝ってくれる?」
「かしこまりました」
=== ✽ ✽ ✽ ===
ウグルスとロビは、何冊もある書物を手分けしてロビの部屋まで運んだ。ハルカも、残っていた数冊の書物を抱え、ロビ達の後ろに付いてきた。
ウグルスは書物を置くと、夕食の準備のため、部屋を出て行った。ロビはハルカをソファに座らせ、額を合わせた。
(『接触念話』)
<ごめんね、ちょうどいい服がなくて。今はこれで我慢してくれる?>
<はい。大丈夫です>
<身体の方はどう?>
<うずいて、あの、かゆいです>
<もしかして、炎症を起こしているのかも。ちょっと見せてごらん>
<う、え、あ、はい>
ロビがハルカの身体に巻かれた布をめくると、ハルカは両足を広げ、手で膝を持った。ハルカは顔を赤らめた。
「ハルカ、恥ずかしがらなくていいよ。やっぱり炎症だ。おしりの方もひどいな……」
ロビは再び額を合わせた。
(『接触念話』)
<不衛生な手で触るとこうなるんだ。薬を取ってくるからちょっと待っててね>
<は、はい、お願いします>
<この世界でもいい薬があるんだよ>
<手で触っていたこと、ばれちゃったんだ、恥ずかしい……>
<ハルカ、全部、聞こえているから>
<ロビ様はいじわるです>
ロビが薬の入った瓶を手にして戻ってきても、ハルカはなぜか足を開いたままだった。
(緊張しているのかな、まあいいや、こういう時は取りあえず薬を見せよう)
ロビが持ってきた薬は瓶に入った液体で、ロビは、薬を手のひらに出してハルカに見せた。ハーブっぽいにおいがして、少しドロッとしている。ロビは炎症を起こしている部分に薬を塗り始めた。
ハルカはさらに足を広げ、おしりの方まで見えるように膝を持ち上げた。
(うーん、少し中にも薬を塗っておいた方がいいかな。前の方は……うん、簡単。こっちの方も……少しずつもみほぐしながら、おっ。ちょっと奥の方まで塗っておこう)
「ロビ、ロビ……」
ハルカは切なげな声を出している。
「う、ごめん、ちょっと塗り方が悪かったかな」
(『接触念話』)
ロビは、ハルカと額を合わせた。
<腫れが引くまで三日ぐらいかかる。それまでなるべく触らないように>
<はい……あの、今日は、無理、ですよね?>
<あ、それぐらいは大丈夫だよ>
<お願いします>
ロビはハルカにキスをし、大きな布の中をまさぐるようにハルカの身体に触れた。
ハルカは先ほどから開きっぱなしの足でロビの腰を捕まえた。ロビはハルカの気持ちを察したのか、ズボンをずらし、すぐに挿れた。
「ロビ、ロビ……」
ハルカはロビの首に手を回し、キスをした。
(うお、すごい満たされ感、ハルカとのキスって癖になりそう)
一通りの事を終えると、ロビはハルカの胸にキスをした。外はまだ明るい。ロビは、ハルカの胸にオリシス家の監禁部屋では気が付かなかった傷跡を見つけた。薄っすらとだが、ハルカの胸には十五センチほどの傷跡がある。
(傷跡?いや、これは違う。もっと意図的で精密な切り方……外科手術の跡だ。なんの手術だろう?うっ!)
外科医でなければ気が付かないほど、きれいな手術跡だった。
傷跡を指でなぞった瞬間、古代魔道具を見た時に起こる知識流入が起き、軽い眩暈を感じた。
(これ、古代消失技術だ。危険だな……それにしても、誰がこんな技術を継承しているんだろう?魔力供給できるかな。まずは現状確認。『探索魔力反応』、あと数回使えるかどうかぐらいか)
ロビはハルカの胸に手を当てた。
(じゃあ、魔力供給をしてみてっと。ん?なんか素通り感が……もう一度、『探索魔力反応』。ダメだ、全然、増えてない。取り除くしかないのかな)
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