魔法外科医は癒やし系少年
涼波ハルカの喪失-16 ☸ リリスの初めて
=== ✽ ✽ ✽ ===
(ああ、やっと全部の講義が終わった)
ロビとメイア、そしてカサリは帰宅のため、いつものように正門に向かって歩いていた。
「ねえ、ロビ、なんか今日、エイナの取り巻きがこっちをチラチラ見ていなかった?」
「ボクも視線を感じました」
「たぶん、昨日、僕がティラーナ教授の研究室に行ったから、気に入らないんじゃないかな」
「あの子たち、何かにつけて言いがかりをつけてきて、ホント、不愉快だわ」
「メイア、カサリ、今日はちょっと用事があるから、ここでお別れでいいかな」
「あら、どうしたの?」
ロビは少しかがみ、メイアとカサリだけに聞こえる声でしゃべり始めた。
「ティラーナ教授に呼ばれているんだ」
「そう、いいわよ」
「お兄様、いつものお別れの挨拶」
「カサリ、ここはウリシア王国で、あなたはオトイク王国の貴族よ。あまり目立つ挨拶は良くないわ」
「でも、お兄様はお兄様ですから」
「じゃあ、一日置きにしたらどうかしら。それなら私も目立たないように協力するわ」
「はい。メイア、わかりました」
(へえ、カサリ、メイアの言うことはちゃんと聞くんだ)
「じゃ、二人とも、また明日」
ロビは講堂のある建物を大回りをし、後ろから誰も付いてきていないことを確認しながら研究棟へ移動した。
そして昨日と同じように受付を済ませた。昨日と違うのは、リリスが既に受付横のソファに座っていたことだ。
研究室に入ると、リリスはハーブティーをティーカップに注いでテーブルに出した。
「ねえ、ロビ、一年前の事件のこと、教えてもらえるかしら。私が『小聖水降雨』を発動させた時、いつもより魔法の立ち上がりが速いと感じたし、目撃者の話から魔力暴走をあなたが止めてくれたと理解しているわ」
「その通りです。魔力暴走のひとつ、魔力循環 過給が起きました」
「初めて聞く名前だけど……」
「魔力暴走には三種類あります。ひとつは魔法発動者の能力限界を超えて肉体崩壊を起こし停止することができなくなるものです。もうひとつは魔道士が集団で魔法を発動した時に失敗し、相互の魔力を引き出しあうものです。どちらも肉体が蒸発すれば止まるのですが、肉片が飛び散ったような状態になると爆発的な魔力暴走が起きます」
リリスは不安そうな表情をしてロビの顔を見ていた。
「そうなの?そんな恐ろしいことが起きるのね。魔力暴走という言葉は知っていたけど、そんなものだったことまでは知らなかったわ。ということは、魔力循環 過給はもっと恐ろしいということね。あ、少し落ち着かせて」
リリスは、ハーブティーを一気に飲み干した。
「続けて」
「魔力循環 過給は、リリスのようにマナの吸収能力、魔力保持力の高いヒト族で、かつ、魔力吸収をできる者のみに起こります。リリスには外部にある魔力を吸収する能力がありますよね?」
「どうしてそれを……」
「一年半前、表沙汰にはなりませんでしたが、教授が生徒を魔法で殺そうとしたことがありました。僕は殺されそうになった方です」
「憶えています。他の者には単に罰を与える程度の魔法に見えていたけど、私は殺傷能力のある魔法であることに気が付き、魔力を吸い取って発動を失敗させたわ。まさか、あの時、気づいていたの?」
「はい、僕もあの魔法は知っていましたので、本気で殺そうとしていること、そしてリリスが魔力を吸い取って発動に失敗させたことに気が付きました」
「あの時はごめんなさい、あの教授の罪を立証できたのに何も言えませんでした」
「大丈夫です。リリスが飛び級で教授になったため、立場が弱いことは理解してます。医学界でもよくある話です」
ロビもハーブティーを飲み干し、リリスのサイドテーブルからハーブティーのポットを取ってきた。
「飲んでいいですか?」
「ええ、どうぞ」
ロビはリリスと自分のティーカップにハーブディーを注いだ。
「魔力循環 過給は、簡単に言うと、魔法を発動した時に想定以上の魔力が放出されてしまい、その魔力を自分で吸収して循環現象が起きることです。循環により体内の魔力や付近の魔力を無制御状態で吸い出してしまい、加給放出が止められなくなります」
「あの時、普通に魔法を発動させただけよ。何か他にも条件があるの?」
「はい。マナの量です。マナは均等に存在しているのではなく、超高密度箇所という局所的に密度が高い場合があります。そこで魔法を発動すると異常な速度でマナを吸収してしまうので魔力循環 過給状態に入りやすくなります」
「ロビは、どうやってそれに気が付いたの?」
(マナが見えるとは言えないしな……そうだ)
「リリスのそばで、魔力がマナとぶつかった時に起きる発光現象を見つけました。発光現象はマナが濃い場所で起きます」
(これは本当の話だから、大丈夫だろう)
「それでどうやって止めたの?」
「メイアのカチューシャを使いました。あれは古代魔道具で、付近のマナや魔力を無効化する能力があり、オドでさえ無効化することができます」
「つまり、殺せるっていうこと?」
「ええ、至近距離であれば」
「魔法って、まだまだわからないことがあるのね」
リリスはソファから立ち上がり窓のそばに歩いて行った。そして自分自身を抱きしめるように両腕を掴み、身を震わせている。
=== ✽ ✽ ✽ ===
ロビも立ち上がり、リリスの前に立つと、正面から抱きしめた。リリスは背が低いので、ロビの肩しか見えていないだろう。
「魔力循環 過給は激痛を伴うので麻酔をかけ、体内の魔力とマナの無効化を最短時間で行うために僕とリリスの服を剥ぎました。魔力供給と同じで直接肌を触れあった方が効率が高くなります。外科医療魔法では、火傷で衣類が貼りついてしまった患者の服を剥がす魔法があります。それを使いました」
リリスはロビの背中に手を回し、自分の顔をロビの肩に押し付けた。
「あとは古代魔道具の調整です。リリスのオドを傷つけないよう……」
「もういいわ。恐ろしすぎて、今の私には、ちょっと正常な判断ができないから……」
少しの間をおいてリリスは顔を上げた。
「もし、魔力循環 過給が止まらなかったら、どうなっていたの?」
「中庭にいた者たちの魔力も吸い込んで循環し、リリスが耐えられなくなった時に肉体が崩壊して爆発します。リリスの魔力を無効化した時の感じだと、王立学院全体が吹き飛びます」
「でも、ロビ、あなたの反射魔法を使えば被害は私だけにすることもできたのでは?セバス=クロティス元魔導師とのこと、エイナから聞いたわよ」
「できますが、そんなことをしたらリリスの肉体が崩壊して血の雨が降ります」
「じゃあ、あなたの対処が失敗したらどうなっていたの?」
「僕は自分のオドも削ってしまい、激痛で失神、古代魔道具を停止することができなくなって二人ともオドが消失します。その後、古代魔道具は停止し、他の者たちは助かります」
「あなた、どうしようもない生徒だわ」
リリスはロビの顔を両手で掴むと、キスをした。
「私の初めてよ……」
「あ、ありがとうございます」
リリスは再びロビの肩に顔をうずめた。ロビは突然の出来事にそっけなく礼を言うことしかできなかった。
(これって、昨日の返事?でも、そういう雰囲気でもないかな)
「もし、古代魔道具が無かったらどうしたの?」
「方法は二つあります。僕も魔力吸収ができます。しかし魔力循環 過給を止める勢いで吸い出すとなるとリリスはかなりの痛み感じますし、麻酔も魔法ではかけられません。それすら吸い出しますから。身体中、裂傷ができるでしょう」
「もうひとつは?」
「聞かない方がいいと思います」
「教えて」
ロビはリリスの耳元で囁いた。リリスの顔色は急に蒼白になり、身体から力が抜けた。
「リリス、大丈夫ですか?リリス、しっかり」
(無理もないかな。えっと、失神した時は頭を低くするんだっけ)
ロビはリリスを抱きかかえたままソファに座り、リリスの足をソファのひじ掛けに乗せた。十五分ほどでリリスの意識は戻った。
「ごめんなさい、そんな恐ろしいこととは思わなくて。ちょっと身体を起こしてくれる?」
リリスはソファから手を伸ばし、キャビネットの引き出しから一枚の紙を取り出した。
「これ、実はちょっと気に入っているの。まるで神話の挿絵みたいでしょ」
リリスはロビにもたれかかりながら話し始めた。
「僕がリリスを抱きかかえているところを描いた版画ですよね。すぐに女子生徒に囲んでもらったので、ほとんど想像で描いたものかと思いますが」
「あの時、なぜかとても人気があって、小金貨一枚で、五百枚以上売れたそうよ」
「それはすごいです。モデル代、もらいたいぐらいです」
「そうね。しかも、ちょっと胸のところが増されていて、いい感じだわ」
「リリス、男性は必ずしも大きい方が好みとは限りません」
リリスは笑った。ジト目で笑うリリスは本当に可愛い少女である。
「でも、リリスの年齢でキスが初めてって、まずくないですか?」
「え、ちょ、ちょっと、人がロマンチックな気分に浸っている時に……私には研究があるからいいのよ。それに私は一妻多夫を目指しているの。あなたは絶対に一夫多妻の訳あり案件だわ」
「そうですか」
リリスは威勢のいい表情から一転、暗い表情になった。
「悪いけどもう少し一緒にいてくれないかしら。さっきの話、恐ろしすぎて、吐きそう」
「大丈夫ですよ。いつまでもいます」
(リリスの『一妻多夫』は遠そうだな)
ロビはリリスを抱きしめた。
(ああ、やっと全部の講義が終わった)
ロビとメイア、そしてカサリは帰宅のため、いつものように正門に向かって歩いていた。
「ねえ、ロビ、なんか今日、エイナの取り巻きがこっちをチラチラ見ていなかった?」
「ボクも視線を感じました」
「たぶん、昨日、僕がティラーナ教授の研究室に行ったから、気に入らないんじゃないかな」
「あの子たち、何かにつけて言いがかりをつけてきて、ホント、不愉快だわ」
「メイア、カサリ、今日はちょっと用事があるから、ここでお別れでいいかな」
「あら、どうしたの?」
ロビは少しかがみ、メイアとカサリだけに聞こえる声でしゃべり始めた。
「ティラーナ教授に呼ばれているんだ」
「そう、いいわよ」
「お兄様、いつものお別れの挨拶」
「カサリ、ここはウリシア王国で、あなたはオトイク王国の貴族よ。あまり目立つ挨拶は良くないわ」
「でも、お兄様はお兄様ですから」
「じゃあ、一日置きにしたらどうかしら。それなら私も目立たないように協力するわ」
「はい。メイア、わかりました」
(へえ、カサリ、メイアの言うことはちゃんと聞くんだ)
「じゃ、二人とも、また明日」
ロビは講堂のある建物を大回りをし、後ろから誰も付いてきていないことを確認しながら研究棟へ移動した。
そして昨日と同じように受付を済ませた。昨日と違うのは、リリスが既に受付横のソファに座っていたことだ。
研究室に入ると、リリスはハーブティーをティーカップに注いでテーブルに出した。
「ねえ、ロビ、一年前の事件のこと、教えてもらえるかしら。私が『小聖水降雨』を発動させた時、いつもより魔法の立ち上がりが速いと感じたし、目撃者の話から魔力暴走をあなたが止めてくれたと理解しているわ」
「その通りです。魔力暴走のひとつ、魔力循環 過給が起きました」
「初めて聞く名前だけど……」
「魔力暴走には三種類あります。ひとつは魔法発動者の能力限界を超えて肉体崩壊を起こし停止することができなくなるものです。もうひとつは魔道士が集団で魔法を発動した時に失敗し、相互の魔力を引き出しあうものです。どちらも肉体が蒸発すれば止まるのですが、肉片が飛び散ったような状態になると爆発的な魔力暴走が起きます」
リリスは不安そうな表情をしてロビの顔を見ていた。
「そうなの?そんな恐ろしいことが起きるのね。魔力暴走という言葉は知っていたけど、そんなものだったことまでは知らなかったわ。ということは、魔力循環 過給はもっと恐ろしいということね。あ、少し落ち着かせて」
リリスは、ハーブティーを一気に飲み干した。
「続けて」
「魔力循環 過給は、リリスのようにマナの吸収能力、魔力保持力の高いヒト族で、かつ、魔力吸収をできる者のみに起こります。リリスには外部にある魔力を吸収する能力がありますよね?」
「どうしてそれを……」
「一年半前、表沙汰にはなりませんでしたが、教授が生徒を魔法で殺そうとしたことがありました。僕は殺されそうになった方です」
「憶えています。他の者には単に罰を与える程度の魔法に見えていたけど、私は殺傷能力のある魔法であることに気が付き、魔力を吸い取って発動を失敗させたわ。まさか、あの時、気づいていたの?」
「はい、僕もあの魔法は知っていましたので、本気で殺そうとしていること、そしてリリスが魔力を吸い取って発動に失敗させたことに気が付きました」
「あの時はごめんなさい、あの教授の罪を立証できたのに何も言えませんでした」
「大丈夫です。リリスが飛び級で教授になったため、立場が弱いことは理解してます。医学界でもよくある話です」
ロビもハーブティーを飲み干し、リリスのサイドテーブルからハーブティーのポットを取ってきた。
「飲んでいいですか?」
「ええ、どうぞ」
ロビはリリスと自分のティーカップにハーブディーを注いだ。
「魔力循環 過給は、簡単に言うと、魔法を発動した時に想定以上の魔力が放出されてしまい、その魔力を自分で吸収して循環現象が起きることです。循環により体内の魔力や付近の魔力を無制御状態で吸い出してしまい、加給放出が止められなくなります」
「あの時、普通に魔法を発動させただけよ。何か他にも条件があるの?」
「はい。マナの量です。マナは均等に存在しているのではなく、超高密度箇所という局所的に密度が高い場合があります。そこで魔法を発動すると異常な速度でマナを吸収してしまうので魔力循環 過給状態に入りやすくなります」
「ロビは、どうやってそれに気が付いたの?」
(マナが見えるとは言えないしな……そうだ)
「リリスのそばで、魔力がマナとぶつかった時に起きる発光現象を見つけました。発光現象はマナが濃い場所で起きます」
(これは本当の話だから、大丈夫だろう)
「それでどうやって止めたの?」
「メイアのカチューシャを使いました。あれは古代魔道具で、付近のマナや魔力を無効化する能力があり、オドでさえ無効化することができます」
「つまり、殺せるっていうこと?」
「ええ、至近距離であれば」
「魔法って、まだまだわからないことがあるのね」
リリスはソファから立ち上がり窓のそばに歩いて行った。そして自分自身を抱きしめるように両腕を掴み、身を震わせている。
=== ✽ ✽ ✽ ===
ロビも立ち上がり、リリスの前に立つと、正面から抱きしめた。リリスは背が低いので、ロビの肩しか見えていないだろう。
「魔力循環 過給は激痛を伴うので麻酔をかけ、体内の魔力とマナの無効化を最短時間で行うために僕とリリスの服を剥ぎました。魔力供給と同じで直接肌を触れあった方が効率が高くなります。外科医療魔法では、火傷で衣類が貼りついてしまった患者の服を剥がす魔法があります。それを使いました」
リリスはロビの背中に手を回し、自分の顔をロビの肩に押し付けた。
「あとは古代魔道具の調整です。リリスのオドを傷つけないよう……」
「もういいわ。恐ろしすぎて、今の私には、ちょっと正常な判断ができないから……」
少しの間をおいてリリスは顔を上げた。
「もし、魔力循環 過給が止まらなかったら、どうなっていたの?」
「中庭にいた者たちの魔力も吸い込んで循環し、リリスが耐えられなくなった時に肉体が崩壊して爆発します。リリスの魔力を無効化した時の感じだと、王立学院全体が吹き飛びます」
「でも、ロビ、あなたの反射魔法を使えば被害は私だけにすることもできたのでは?セバス=クロティス元魔導師とのこと、エイナから聞いたわよ」
「できますが、そんなことをしたらリリスの肉体が崩壊して血の雨が降ります」
「じゃあ、あなたの対処が失敗したらどうなっていたの?」
「僕は自分のオドも削ってしまい、激痛で失神、古代魔道具を停止することができなくなって二人ともオドが消失します。その後、古代魔道具は停止し、他の者たちは助かります」
「あなた、どうしようもない生徒だわ」
リリスはロビの顔を両手で掴むと、キスをした。
「私の初めてよ……」
「あ、ありがとうございます」
リリスは再びロビの肩に顔をうずめた。ロビは突然の出来事にそっけなく礼を言うことしかできなかった。
(これって、昨日の返事?でも、そういう雰囲気でもないかな)
「もし、古代魔道具が無かったらどうしたの?」
「方法は二つあります。僕も魔力吸収ができます。しかし魔力循環 過給を止める勢いで吸い出すとなるとリリスはかなりの痛み感じますし、麻酔も魔法ではかけられません。それすら吸い出しますから。身体中、裂傷ができるでしょう」
「もうひとつは?」
「聞かない方がいいと思います」
「教えて」
ロビはリリスの耳元で囁いた。リリスの顔色は急に蒼白になり、身体から力が抜けた。
「リリス、大丈夫ですか?リリス、しっかり」
(無理もないかな。えっと、失神した時は頭を低くするんだっけ)
ロビはリリスを抱きかかえたままソファに座り、リリスの足をソファのひじ掛けに乗せた。十五分ほどでリリスの意識は戻った。
「ごめんなさい、そんな恐ろしいこととは思わなくて。ちょっと身体を起こしてくれる?」
リリスはソファから手を伸ばし、キャビネットの引き出しから一枚の紙を取り出した。
「これ、実はちょっと気に入っているの。まるで神話の挿絵みたいでしょ」
リリスはロビにもたれかかりながら話し始めた。
「僕がリリスを抱きかかえているところを描いた版画ですよね。すぐに女子生徒に囲んでもらったので、ほとんど想像で描いたものかと思いますが」
「あの時、なぜかとても人気があって、小金貨一枚で、五百枚以上売れたそうよ」
「それはすごいです。モデル代、もらいたいぐらいです」
「そうね。しかも、ちょっと胸のところが増されていて、いい感じだわ」
「リリス、男性は必ずしも大きい方が好みとは限りません」
リリスは笑った。ジト目で笑うリリスは本当に可愛い少女である。
「でも、リリスの年齢でキスが初めてって、まずくないですか?」
「え、ちょ、ちょっと、人がロマンチックな気分に浸っている時に……私には研究があるからいいのよ。それに私は一妻多夫を目指しているの。あなたは絶対に一夫多妻の訳あり案件だわ」
「そうですか」
リリスは威勢のいい表情から一転、暗い表情になった。
「悪いけどもう少し一緒にいてくれないかしら。さっきの話、恐ろしすぎて、吐きそう」
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