魔法外科医は癒やし系少年
涼波ハルカの喪失-08 ☸ セバスの激高
=== ✽ ✽ ✽ ===
早朝からオリシス家の監禁部屋からは、派手に光があふれ出ていた。
(記録を読んだ感想を率直に言うと、十九年前の内乱時にセバスさんが躊躇したから被害が大きくなったんだよ。セバスさんがもっと早く魔法を使っていれば、最初の母様だって……もう、なんか、だんだん腹立ってきちゃった)
「子どもに何がわかる、私だって!」
「この程度の魔力が元最強魔道士の力ですか?」
ロビは追い打ちをかけるように、ゆっくりとした口調で問いかけた。
「これでどうだ!」
(来た!これこれ!隷従首輪、めちゃくちゃ光ってる。でも足らない。しょうがない、『発動魔力加圧供給』!)
(う、うわ、腕から出血した、え、胸からも……ちょっと痛すぎ。呪いを呪ってやるって、呪いって呪えるものかな?身体、持つかな。一瞬だけでいいから、もうちょっとだけ……あ、意識飛びそう……)
鈍い音がして、隷従首輪が開いた。解錠ではなく、物理的に引きちぎれるように、強度的に最も弱い施錠部分が変形して外れた。
隷従首輪は、施錠部分が弾けるように開いた勢いでロビの背中側に落ちた。
そして、二人とも魔法を停止した。セバスはロビだけでなく、周囲も含めて何かを探しているようだった。
「セバス=クロティス元魔導師、お手合わせ、ありがとうございました」
ロビは、かろうじて倒れずに声をかけた。セバスは急いで鉄格子のドアを開け、ロビの身体を支えた。ロビの着ているシャツは、いたるところから血がにじみ出て、ほぼ真っ赤である。
(よかった、ハルカは大丈夫だ……)
「ロビ殿、大丈夫ですか?すぐに手当の者をお呼びします」
「あ、大丈夫です。もう自分で治癒していますから」
「おい、セバス、鍵を開けていいとは言ってないぞ」
「申し訳ありません。出すぎた行為でした」
「エイナ、声が震えているよ」
「そんなことない……」
ロビはエイナを見た。
(僕の出血を見て貧血を起こしているのかな。いや、出血して貧血になっているのは僕の方なんだけど)
「エイナ、獣人の件、よろしく頼むよ」
「わ、わかった、父上に伝える」
「エイナ様、お漏らしされております」
「え?何を馬鹿なことを……」
「エイナ、お漏らしね。獣人の件、必ず、頼むよ」
「うるさい!」
エイナは、股間を隠しながら、ふらふらと本宅の方へ歩いて行った。
「セバスさん、ちょっと獣人に声をかけたいです」
セバスはロビを抱きかかえたまま監禁室の壁の方に身体の向きを変えた。
「ネネ、必ず助けに来るからね」
「……」
ハルカは泣きそうな表情でロビを見上げるだけで返事をしなかった。
「あ、ネネ、大丈夫だから、怖くないからね。じゃあ」
(ああ、ハルカもお漏らししている……)
セバスは、ロビを抱きかかえて本宅に通じる通路の途中にある扉から外に出た。
「こちらを通る方が馬車に近くて目立たないので、ご安心ください」
ロビは、セバスに見送られ、清潔な布が敷き詰められた極上の馬車で別宅へと送られた。
=== ✽ ✽ ✽ ===
オリシス家の別宅、ロビの下宿の前で馬車が停まった。使いの者が馬車のドアを開けると、ロビの視界に、見るからに寝不足気味なウグルスとダリアが、玄関前で待っているのが見えた。その横には二体の魔石獣もちょこんと座っている。
馬を操っていた者が馬車から降り、横の扉を開けた。
「ロビ様、お帰りなさいませ」
「ウグルス、ただいま」
ウグルスは、ロビの声が気弱なことに気が付いたのか、馬車の中に入ってロビを運び出した。ウグルスは男性の獣人族で、年齢は四十歳ほど。ダリアとは違う形の帽子を被っており、尻尾は丈の長い上着の中に隠している。
「ロビ様、お怪我をされているのですか?一体、何をされたのですか?」
「ウグルス、大丈夫。もう怪我は自分で治療した。とりあえず、お湯をあびたいな」
「ロビ様、ロビ様、ロビ様!」
「ダリア、大丈夫だってば」
ロビはウグルスに抱きかかえられながら、ダリアの頭を撫でた。
「お湯ならば、一晩中、ご用意してお待ちしておりました。すぐにお湯をたらいに移します」
「うん、ありがと、ダリア。ウグルス、お腹が減ったよ」
「はい、お身体をきれいになさったら、すぐに食べられるよう準備しておきます」
「あ、自分で歩けるから、大丈夫」
ロビは、屋敷に入ると浴室へ行き、お湯が張られた大きなたらいの横で服を脱ぎ始めた。ダリアは横にしゃがみ、泣きながらロビが脱いだ服を籠に入れていた。
「ダリア、本当に大丈夫だってば。そこそこ楽しかったよ」
「楽しかった、ですか?」
「ああ、元最強魔道士と勝負したんだ。でも思ったよりしょぼかった」
ロビはたらいに入り、布で身体を拭きながらうれしそうに話を続けた。
「ロビ様はいつもその首飾りを付けていますよね。宝石ですか?」
「うん、家庭教師だった人からのプレゼントなんだ」
「エメラルドグリーンって言うでしょうか?私にはあまり色がわからないのですが」
「そうだよ。その人の髪の色と同じ色」
ダリアは脱いだ服を籠に入れ終わり、着替えを準備した。
「ダリア、本宅に獣人族の少女がいる。彼女を保護したい。それも大急ぎで」
「大急ぎとは、何か理由があるのですか?」
「ああ、ちょっと訳ありでね。そんなわけで、すぐに実家に行ってもらって、父様に伝えてほしい。名前は、ハ……あ、いや、ネネと言う。引き取ったときの名前はハルカで記録してもらって」
「ハルカですね。わかりました」
ロビは桶から上がり、ダリアから新しい布をもらうと、身体を拭き始めた。浴室には大きなバスタブもあるが、手入れが面倒なので、客人が来ない時はたらいに入れたお湯で身体をきれいにしている。
浴室のドアをノックする音がした。
「ロビ様、朝食の用意ができました」
ウグルスの声だ。
「うん、すぐに行くね」
ロビは答えた。
「ダリア、ごめんね。においには気が付いているんだけど、学院に行かなくちゃ」
「そんなお身体で学院に行くのですか?もっとご自愛ください」
「大丈夫。もう治っているから。朝食抜きになっちゃって悪いけど、馬を借りてきてくれる?さっきの件、急ぎたいんだ」
「わかりました。すぐに馬屋に行ってきます」
ロビは、王立学院中等部の制服を着て朝食を終えると、自室からバッグを取ってきて屋敷を出た。ちょうどダリアも馬に乗り、一旦屋敷に戻ってきたところであった。今日の見送りはウグルスと二体の魔石獣だけだ。
「そうだ、ウグルス、汚れた服、最近、噂になっている洗濯屋に出してみて。どんな汚れでも落ちるそうだよ」
「かしこまりました」
「なんかね、魔石獣が洗濯するんだって」
「それでは、ついでにちょっと見学させてもらってきます」
「うん、よろしく頼むよ。じゃあ、行ってきます」
ロビはダリアを見上げながら馬の左側を歩いた。
「ロビ様、体調、本当に大丈夫ですか?」
「うん、大丈夫。そうだ、回転式光弾銃は持った?」
「はい、ここに。予備の連弾倉も三つ持っています。右には短剣《ダガー》も装備しています」
ダリアはひざ丈ほどのメイド服のスカートをめくり、左の太ももにベルトで取り付けたホルスターと回転式光弾銃を見せた。
「ダリア、道中、気を付けてね。治安が悪くなっている上に、一年ぐらい前から裕福層を狙って襲う犯罪が増えているらしいから」
「はい、聞いています。とても強いとの噂ですよね。護衛専門の者でもかなわないとか」
「そうそう、それ。未だに誰も捕まっていないとのことだから、相当強いんだと思うよ。医者の立場で言うのもなんだけど、危険な目にあったら、迷うことなく殺してね」
「はい、わかりました。でも、その前に、馬を高速疾走させて逃げます」
『馬』と呼んでいるが、馬もまた魔石獣で、魔能力を使うとと普段の三倍近くの速度で走ることができる。しかし、あまりにも速くて危険なため、ヒト族が多数住んでいる辺りでは魔力の使用を禁止されている。
「そうだね。じゃあ、ダリア、気を付けて。父様によろしくね」
「はい、行ってまいります。ロビ様もお気をつけて」
オリシス家本宅の手前で二人は分かれた。クルーガ本家までは、馬を走らせれば三十分ほどの距離だ。
ロビは、一旦、オリシス家の監禁部屋側まで戻り、そして監禁部屋の明かり窓の下で立ち止まった。
「ハルカ、聞こえるかい?必ず助けるから、待っているんだよ」
「ロビ!」
意味は通じていなかったようだが、ハルカはロビの声に反応した。その声には元気がありロビは安心した。そして、いきなり明かり窓にハルカの手と顔が見えた。
(おお、さすが獣人力の身体能力、『構築治療寝床』)
ロビは治療寝床に乗り、明かり窓に近づいた。ハルカは話したがっているようだった。
(『接触念話』)
<ロビ様、御無事で何よりです>
<もちろんだよ、あれぐらい平気平気>
<あの、ロビ様>
<何?>
<キスしてもよろしいですか?>
<うん。キスして>
ハルカは腕の筋肉を震わせながら、ロビにキスをした。隷従首輪を付けているので、かなり無理な姿勢なはずだ。
<また、学院帰りに寄るね>
<はい、待っています>
<じゃ、行ってくる>
ロビが軽く手を振ると、ハルカは床に落ちた。さすがの獣人族も長時間、無理な姿勢を取ることはきついようだ。
早朝からオリシス家の監禁部屋からは、派手に光があふれ出ていた。
(記録を読んだ感想を率直に言うと、十九年前の内乱時にセバスさんが躊躇したから被害が大きくなったんだよ。セバスさんがもっと早く魔法を使っていれば、最初の母様だって……もう、なんか、だんだん腹立ってきちゃった)
「子どもに何がわかる、私だって!」
「この程度の魔力が元最強魔道士の力ですか?」
ロビは追い打ちをかけるように、ゆっくりとした口調で問いかけた。
「これでどうだ!」
(来た!これこれ!隷従首輪、めちゃくちゃ光ってる。でも足らない。しょうがない、『発動魔力加圧供給』!)
(う、うわ、腕から出血した、え、胸からも……ちょっと痛すぎ。呪いを呪ってやるって、呪いって呪えるものかな?身体、持つかな。一瞬だけでいいから、もうちょっとだけ……あ、意識飛びそう……)
鈍い音がして、隷従首輪が開いた。解錠ではなく、物理的に引きちぎれるように、強度的に最も弱い施錠部分が変形して外れた。
隷従首輪は、施錠部分が弾けるように開いた勢いでロビの背中側に落ちた。
そして、二人とも魔法を停止した。セバスはロビだけでなく、周囲も含めて何かを探しているようだった。
「セバス=クロティス元魔導師、お手合わせ、ありがとうございました」
ロビは、かろうじて倒れずに声をかけた。セバスは急いで鉄格子のドアを開け、ロビの身体を支えた。ロビの着ているシャツは、いたるところから血がにじみ出て、ほぼ真っ赤である。
(よかった、ハルカは大丈夫だ……)
「ロビ殿、大丈夫ですか?すぐに手当の者をお呼びします」
「あ、大丈夫です。もう自分で治癒していますから」
「おい、セバス、鍵を開けていいとは言ってないぞ」
「申し訳ありません。出すぎた行為でした」
「エイナ、声が震えているよ」
「そんなことない……」
ロビはエイナを見た。
(僕の出血を見て貧血を起こしているのかな。いや、出血して貧血になっているのは僕の方なんだけど)
「エイナ、獣人の件、よろしく頼むよ」
「わ、わかった、父上に伝える」
「エイナ様、お漏らしされております」
「え?何を馬鹿なことを……」
「エイナ、お漏らしね。獣人の件、必ず、頼むよ」
「うるさい!」
エイナは、股間を隠しながら、ふらふらと本宅の方へ歩いて行った。
「セバスさん、ちょっと獣人に声をかけたいです」
セバスはロビを抱きかかえたまま監禁室の壁の方に身体の向きを変えた。
「ネネ、必ず助けに来るからね」
「……」
ハルカは泣きそうな表情でロビを見上げるだけで返事をしなかった。
「あ、ネネ、大丈夫だから、怖くないからね。じゃあ」
(ああ、ハルカもお漏らししている……)
セバスは、ロビを抱きかかえて本宅に通じる通路の途中にある扉から外に出た。
「こちらを通る方が馬車に近くて目立たないので、ご安心ください」
ロビは、セバスに見送られ、清潔な布が敷き詰められた極上の馬車で別宅へと送られた。
=== ✽ ✽ ✽ ===
オリシス家の別宅、ロビの下宿の前で馬車が停まった。使いの者が馬車のドアを開けると、ロビの視界に、見るからに寝不足気味なウグルスとダリアが、玄関前で待っているのが見えた。その横には二体の魔石獣もちょこんと座っている。
馬を操っていた者が馬車から降り、横の扉を開けた。
「ロビ様、お帰りなさいませ」
「ウグルス、ただいま」
ウグルスは、ロビの声が気弱なことに気が付いたのか、馬車の中に入ってロビを運び出した。ウグルスは男性の獣人族で、年齢は四十歳ほど。ダリアとは違う形の帽子を被っており、尻尾は丈の長い上着の中に隠している。
「ロビ様、お怪我をされているのですか?一体、何をされたのですか?」
「ウグルス、大丈夫。もう怪我は自分で治療した。とりあえず、お湯をあびたいな」
「ロビ様、ロビ様、ロビ様!」
「ダリア、大丈夫だってば」
ロビはウグルスに抱きかかえられながら、ダリアの頭を撫でた。
「お湯ならば、一晩中、ご用意してお待ちしておりました。すぐにお湯をたらいに移します」
「うん、ありがと、ダリア。ウグルス、お腹が減ったよ」
「はい、お身体をきれいになさったら、すぐに食べられるよう準備しておきます」
「あ、自分で歩けるから、大丈夫」
ロビは、屋敷に入ると浴室へ行き、お湯が張られた大きなたらいの横で服を脱ぎ始めた。ダリアは横にしゃがみ、泣きながらロビが脱いだ服を籠に入れていた。
「ダリア、本当に大丈夫だってば。そこそこ楽しかったよ」
「楽しかった、ですか?」
「ああ、元最強魔道士と勝負したんだ。でも思ったよりしょぼかった」
ロビはたらいに入り、布で身体を拭きながらうれしそうに話を続けた。
「ロビ様はいつもその首飾りを付けていますよね。宝石ですか?」
「うん、家庭教師だった人からのプレゼントなんだ」
「エメラルドグリーンって言うでしょうか?私にはあまり色がわからないのですが」
「そうだよ。その人の髪の色と同じ色」
ダリアは脱いだ服を籠に入れ終わり、着替えを準備した。
「ダリア、本宅に獣人族の少女がいる。彼女を保護したい。それも大急ぎで」
「大急ぎとは、何か理由があるのですか?」
「ああ、ちょっと訳ありでね。そんなわけで、すぐに実家に行ってもらって、父様に伝えてほしい。名前は、ハ……あ、いや、ネネと言う。引き取ったときの名前はハルカで記録してもらって」
「ハルカですね。わかりました」
ロビは桶から上がり、ダリアから新しい布をもらうと、身体を拭き始めた。浴室には大きなバスタブもあるが、手入れが面倒なので、客人が来ない時はたらいに入れたお湯で身体をきれいにしている。
浴室のドアをノックする音がした。
「ロビ様、朝食の用意ができました」
ウグルスの声だ。
「うん、すぐに行くね」
ロビは答えた。
「ダリア、ごめんね。においには気が付いているんだけど、学院に行かなくちゃ」
「そんなお身体で学院に行くのですか?もっとご自愛ください」
「大丈夫。もう治っているから。朝食抜きになっちゃって悪いけど、馬を借りてきてくれる?さっきの件、急ぎたいんだ」
「わかりました。すぐに馬屋に行ってきます」
ロビは、王立学院中等部の制服を着て朝食を終えると、自室からバッグを取ってきて屋敷を出た。ちょうどダリアも馬に乗り、一旦屋敷に戻ってきたところであった。今日の見送りはウグルスと二体の魔石獣だけだ。
「そうだ、ウグルス、汚れた服、最近、噂になっている洗濯屋に出してみて。どんな汚れでも落ちるそうだよ」
「かしこまりました」
「なんかね、魔石獣が洗濯するんだって」
「それでは、ついでにちょっと見学させてもらってきます」
「うん、よろしく頼むよ。じゃあ、行ってきます」
ロビはダリアを見上げながら馬の左側を歩いた。
「ロビ様、体調、本当に大丈夫ですか?」
「うん、大丈夫。そうだ、回転式光弾銃は持った?」
「はい、ここに。予備の連弾倉も三つ持っています。右には短剣《ダガー》も装備しています」
ダリアはひざ丈ほどのメイド服のスカートをめくり、左の太ももにベルトで取り付けたホルスターと回転式光弾銃を見せた。
「ダリア、道中、気を付けてね。治安が悪くなっている上に、一年ぐらい前から裕福層を狙って襲う犯罪が増えているらしいから」
「はい、聞いています。とても強いとの噂ですよね。護衛専門の者でもかなわないとか」
「そうそう、それ。未だに誰も捕まっていないとのことだから、相当強いんだと思うよ。医者の立場で言うのもなんだけど、危険な目にあったら、迷うことなく殺してね」
「はい、わかりました。でも、その前に、馬を高速疾走させて逃げます」
『馬』と呼んでいるが、馬もまた魔石獣で、魔能力を使うとと普段の三倍近くの速度で走ることができる。しかし、あまりにも速くて危険なため、ヒト族が多数住んでいる辺りでは魔力の使用を禁止されている。
「そうだね。じゃあ、ダリア、気を付けて。父様によろしくね」
「はい、行ってまいります。ロビ様もお気をつけて」
オリシス家本宅の手前で二人は分かれた。クルーガ本家までは、馬を走らせれば三十分ほどの距離だ。
ロビは、一旦、オリシス家の監禁部屋側まで戻り、そして監禁部屋の明かり窓の下で立ち止まった。
「ハルカ、聞こえるかい?必ず助けるから、待っているんだよ」
「ロビ!」
意味は通じていなかったようだが、ハルカはロビの声に反応した。その声には元気がありロビは安心した。そして、いきなり明かり窓にハルカの手と顔が見えた。
(おお、さすが獣人力の身体能力、『構築治療寝床』)
ロビは治療寝床に乗り、明かり窓に近づいた。ハルカは話したがっているようだった。
(『接触念話』)
<ロビ様、御無事で何よりです>
<もちろんだよ、あれぐらい平気平気>
<あの、ロビ様>
<何?>
<キスしてもよろしいですか?>
<うん。キスして>
ハルカは腕の筋肉を震わせながら、ロビにキスをした。隷従首輪を付けているので、かなり無理な姿勢なはずだ。
<また、学院帰りに寄るね>
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