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CrazyDoll-クレイジードール

360回転

プロローグ

暗い部屋の中を、オレンジ色に輝くランタンの光だけが照らしている
ジェニファーは自室で木製の椅子に腰掛けながら、とある本を読んでいた
「この世界は希望に満ちています、全ての人形人にんぎょうびとは過ちを許し合い、肯定し、どんな時でも前を向いて、清く正しく美しく、人生にんせいを謳歌しています
東に困っている小人形しょうにんぎょうあれば、話を聞いて解決し
西に動けない老人形ろうにんぎょうあれば、担いで町まで送り届ける
人形と言う字は「人形人にんぎょうびと同士が支え合う事で、鳥居から幸福の風がやって来る」と言うことを、字で表しています
鳥居は人形界と、人間様の世界を繋ぐ、とても大事な場所です
人形人にんぎょうびと同士は互いに助け合う事で、人間界から送られてくる幸福を受け取る事ができるのです」
ジェニファーは目の下にある隈を擦りこすりながら、文章を目で追っていく
「悪い感情さえ持たなければ、人形人にんぎょうびとはいつも幸せでいられます、人形人にんぎょうびとを苦しめるのはいつもマイナスな思い達です、マイナスな感情は、ゴミ箱に捨てて、素晴らしい世界を共に歩んでまいりましょう」
ジェニファーは読んでいた聖本をゴミ箱の中に投げ入れると、ため息をついて呟いた
「そんな訳あるか、ゴミは貴様だ…」
これは人形の世界で起きた、革命のお話である

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