人生電話

月紅 夜音

人生電話

君が揺らした空気が電子となり
それは僕の元に飛んでくる
脆く儚い君の声
 
僕の脳内を飽和する。あの時の光景と君の姿
机に書かれた文字 誰かの字
四方八方 逃げ場なく
投げつけられ、引き剥がされ
何処にも行けない

僕は

今日も何処の誰かも知らない君と語り合う
自身の恐怖 憂苦 希望の見出せない未来を
曝け出し,耳を傾ける

この世に何かを求めるわけでもない
この人生に意味を見出すわけでもない
ただ,いきたい

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