自然派ママの異世界事件簿
11
翌朝、悪夢から目を覚ます。
「うーん、嫌な夢だった」
私はベッドサイドテーブルにある水差しににがりの原液を数滴いて、コップに注いで一気飲みした。朝起きた後はにがり入りの白湯を毎日飲んでいたが、ここにはポットは無いようなだった。
もちろん電子ケトルも無いだろう。
改めて不便さを感じてしまったが、この土地は空気がいい。電気機器も少なそうなので、電磁波もほとんど飛んでいないだろう。
私はあまり気にしたことはないが、健康マニアの中には電磁波を気にするものも多い。意外と健康被害があるらアイク、歯医者の金歯とも関係があるらしい。
寝る前にスマートフォンを充電しながら寝るのは、寝つきも悪くする。またポケットにスマートフォンを入れっぱなしにするのも病気の原因とも言われている。
まあ、化学的根拠はわからない民間信仰的なところのあるが、実際電気機器が少なそうな異世界にくるとそれも事実じゃないかと思わされる。
悪夢ですっかり気分は悪くなっていたが、にがり入りの水のおかげで少し元気になってきた。
この土地の水は悪くない。
難しい事はわからないが、水道水とは全く違う味わいだった。まろやかで生命力を感じる。余計にお茶やコーヒーにしなくても、にがりや塩を入れるだけでも十分な栄養補給になりそうだった。
ちなみに日本の水道水は安全だが、別に健康に良い飲み物とは言い難い。陰謀論的になってしまうが、金持ちは日本の水道水は何が入っているかわからないから、一切口にしないようだ。
私の家も浄水器をつけ、料理に使う水も職場で売っているミネラルウォーターを利用していた。ミネラルウォーターは、胡散臭いものも多いのでようやく職場で合うものを見つけられた。
「ミネラルウォーターより美味しいかも」
ここの水は、やっぱりミネラルウォーターよりも美味しく、今まで重い水を運んで買っていた苦労を思うと、ちょっぴり悔しい気分にもなってしまった。
水を飲み終えると、エセルに用意してもらったワンピースに着替える事にした。エセルも来ている麻素材のワンピースらしい。色はベージュで地味だが、肌触りもよく着ていて気分も良くなった。
日本では綿や麻素材の日本製の服を着たかったが、デザインた価格でユニクロやGUを選ぶ事も多かった。ごくたまに手作りのニットやエプロンを作った事もあったので、縫い目などをよく見るとこのワンピースは手製のもののようだ。着心地が良い理由もわかる。マージョリーのようなドレスだったら、どうしようかと思ったが天然素材の手作りの服となると、健康マニアの私は喜びしか感じなくなってしまった。
「もしやここは天国?」
窓のカーテンを開けると、ちょうど日が出たところで遠くに見える海はキラキラと輝いている。目をこらしとのんびりと散歩をしたり、釣りをしている人もいる。
のんびりとした時間の流れを感じた。
私はすっかり悪夢をみた事を忘れ、こんな異世界にこられた事を感謝した。
チョコレートやチーズ、スナック菓子に慣れた現代人がこんな異世界に来たら、文句の一つも出るだろう。
しかし、私は健康マニアな自然派ママ。日本では自然ママという言葉には、否定的なニュアンスもつきまとうが、文化があまり進歩していない異世界に来たら、強制的に自然派になるしかない。きっと、こんな異世界で生き残れるのは私ぐらい?ちょっと自画自賛したくなる。自然派ママ(笑)とかいう人は、この世界ではストレス溜まって死んでしまうかも。
問題はなぜこんな異世界にいるのか、しかも息子の作った「異世界ドキドキワクワクカフェ」の世界にいるのかという事だが、むしろこっちの方が性に合っているのかもしれない。
殺人事件があるのは、気がかりだが、とりあえず第一容疑者は逮捕されている。若菜さんが犯人かどうかは定かではないが、ここは騎士達に任せておけば良いだろう。私がこの殺人事件について出来る事はあまり無いはずだ。
「水も美味しいし、気分良くなってきた」
私は一階に降りて、洗面所で顔を洗う。エセルやブランドンさんはもう仕事にはいり、マージョリーの世話をしているようだった。
洗面所には水道がないようなので、桶に貯めてあった井戸水で顔を洗う。
この水も気持ちよく、目が覚める。どうやら私はこの土地の水と相性が良いみたいだった。手拭いで顔をふくと、にがりを適当に顔にぬる。
スキンケアはこれでオッケーだ。化粧品は余計な化学物質が入っているため、私の肌に合うものはあまりない。結婚前は思春期という事もありニキビに悩まされて毎週皮膚科に通っていたが、かえって悪化した。
にがりはマグネシウムも豊富で、しっとりと肌に優しい。炎症や肌荒れにも効くといわれて、実際このスキンケアをする私の肌はすこぶる快調だ。
本当は日本酒も有れば完璧だが。夫と出かける時や息子の授業参観の時は特別に日本酒でスキンケアをしていたが、この異世界で日本酒を望むのは贅沢だろう。
髪もにがりを原液で適当につけてセットした。にがりは万能でヘアオイル代わりにもなる。髪と髪がコーティングされ、しっとりとまとまった。
問題はこのにがりが無くなった時だ。異世界にもにがりがあるだろうか?
にがりがあれば大抵の事は乗り越えられる!この世界にもにがりがあるかどうか調べなくちゃ。
洗面所の鏡に映った私の顔は、意外と良かった。
むしろ絶好調?
「うーん、嫌な夢だった」
私はベッドサイドテーブルにある水差しににがりの原液を数滴いて、コップに注いで一気飲みした。朝起きた後はにがり入りの白湯を毎日飲んでいたが、ここにはポットは無いようなだった。
もちろん電子ケトルも無いだろう。
改めて不便さを感じてしまったが、この土地は空気がいい。電気機器も少なそうなので、電磁波もほとんど飛んでいないだろう。
私はあまり気にしたことはないが、健康マニアの中には電磁波を気にするものも多い。意外と健康被害があるらアイク、歯医者の金歯とも関係があるらしい。
寝る前にスマートフォンを充電しながら寝るのは、寝つきも悪くする。またポケットにスマートフォンを入れっぱなしにするのも病気の原因とも言われている。
まあ、化学的根拠はわからない民間信仰的なところのあるが、実際電気機器が少なそうな異世界にくるとそれも事実じゃないかと思わされる。
悪夢ですっかり気分は悪くなっていたが、にがり入りの水のおかげで少し元気になってきた。
この土地の水は悪くない。
難しい事はわからないが、水道水とは全く違う味わいだった。まろやかで生命力を感じる。余計にお茶やコーヒーにしなくても、にがりや塩を入れるだけでも十分な栄養補給になりそうだった。
ちなみに日本の水道水は安全だが、別に健康に良い飲み物とは言い難い。陰謀論的になってしまうが、金持ちは日本の水道水は何が入っているかわからないから、一切口にしないようだ。
私の家も浄水器をつけ、料理に使う水も職場で売っているミネラルウォーターを利用していた。ミネラルウォーターは、胡散臭いものも多いのでようやく職場で合うものを見つけられた。
「ミネラルウォーターより美味しいかも」
ここの水は、やっぱりミネラルウォーターよりも美味しく、今まで重い水を運んで買っていた苦労を思うと、ちょっぴり悔しい気分にもなってしまった。
水を飲み終えると、エセルに用意してもらったワンピースに着替える事にした。エセルも来ている麻素材のワンピースらしい。色はベージュで地味だが、肌触りもよく着ていて気分も良くなった。
日本では綿や麻素材の日本製の服を着たかったが、デザインた価格でユニクロやGUを選ぶ事も多かった。ごくたまに手作りのニットやエプロンを作った事もあったので、縫い目などをよく見るとこのワンピースは手製のもののようだ。着心地が良い理由もわかる。マージョリーのようなドレスだったら、どうしようかと思ったが天然素材の手作りの服となると、健康マニアの私は喜びしか感じなくなってしまった。
「もしやここは天国?」
窓のカーテンを開けると、ちょうど日が出たところで遠くに見える海はキラキラと輝いている。目をこらしとのんびりと散歩をしたり、釣りをしている人もいる。
のんびりとした時間の流れを感じた。
私はすっかり悪夢をみた事を忘れ、こんな異世界にこられた事を感謝した。
チョコレートやチーズ、スナック菓子に慣れた現代人がこんな異世界に来たら、文句の一つも出るだろう。
しかし、私は健康マニアな自然派ママ。日本では自然ママという言葉には、否定的なニュアンスもつきまとうが、文化があまり進歩していない異世界に来たら、強制的に自然派になるしかない。きっと、こんな異世界で生き残れるのは私ぐらい?ちょっと自画自賛したくなる。自然派ママ(笑)とかいう人は、この世界ではストレス溜まって死んでしまうかも。
問題はなぜこんな異世界にいるのか、しかも息子の作った「異世界ドキドキワクワクカフェ」の世界にいるのかという事だが、むしろこっちの方が性に合っているのかもしれない。
殺人事件があるのは、気がかりだが、とりあえず第一容疑者は逮捕されている。若菜さんが犯人かどうかは定かではないが、ここは騎士達に任せておけば良いだろう。私がこの殺人事件について出来る事はあまり無いはずだ。
「水も美味しいし、気分良くなってきた」
私は一階に降りて、洗面所で顔を洗う。エセルやブランドンさんはもう仕事にはいり、マージョリーの世話をしているようだった。
洗面所には水道がないようなので、桶に貯めてあった井戸水で顔を洗う。
この水も気持ちよく、目が覚める。どうやら私はこの土地の水と相性が良いみたいだった。手拭いで顔をふくと、にがりを適当に顔にぬる。
スキンケアはこれでオッケーだ。化粧品は余計な化学物質が入っているため、私の肌に合うものはあまりない。結婚前は思春期という事もありニキビに悩まされて毎週皮膚科に通っていたが、かえって悪化した。
にがりはマグネシウムも豊富で、しっとりと肌に優しい。炎症や肌荒れにも効くといわれて、実際このスキンケアをする私の肌はすこぶる快調だ。
本当は日本酒も有れば完璧だが。夫と出かける時や息子の授業参観の時は特別に日本酒でスキンケアをしていたが、この異世界で日本酒を望むのは贅沢だろう。
髪もにがりを原液で適当につけてセットした。にがりは万能でヘアオイル代わりにもなる。髪と髪がコーティングされ、しっとりとまとまった。
問題はこのにがりが無くなった時だ。異世界にもにがりがあるだろうか?
にがりがあれば大抵の事は乗り越えられる!この世界にもにがりがあるかどうか調べなくちゃ。
洗面所の鏡に映った私の顔は、意外と良かった。
むしろ絶好調?
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