離婚したので冒険者に復帰しようと思います。
10
「──いいえ! ちっともおかしくありませんよ。とても良いと思います。私は賛成です、大賛成ですよ!」
ライラとエリクが話しているところに、いきなりファルが割って入ってきた。
彼女は姿を現すなり、手を上げて大きな声を出した。
「あら、ファルちゃんじゃない。もうお話は終わったの?」
「そんなことはどうでもいいんです! それよりも、是非お二人でお食事に行ってください。そうした方がいいですよ。そうしましょう?」
ファルが瞳を輝かせてライラの顔を覗き込んでくる。
そのあまりに興奮した様子に、ライラは呆気に取られてしまう。
何が彼女をそうさせているかはわからないが、ライラは気を取りなおして冷静に口を開いた。
「あのね、せっかくのお誘いなのだけどね。私はもっと上のランクに早く上がりたいの。今はとにかく数多く依頼をこなしたいのよね。だから、誰かと食事に行っている暇はないの」
「せっかくランクが上がったのですから、ご褒美でお休みしたっていいじゃないですか! いつですか? いつお出かけしますか 」
ファルが彼女の登場に驚いて固まってしまっているエリクを勢いよく振り返った。力強い視線で見つめられ、エリクは表情をこわばらせてその場から少しだけ後ずさる。
「あ、その……。私は明後日が非番なので、できましたらその日にと考えておりましたが?」
「じゃあ明後日にしましょう! ライラさんも良いですよね? どうせ依頼を受けるか、イルの相手をするだけですもんね!」
「……えー、その言い方はちょっとひどいかなあ?」
ライラの言葉など聞かず、ファルはエリクの腕を強引に引いて廊下の少し離れた場所へ連れて行った。
「ねえ、イル君さ。ずっとそこで見ているわけ? ファルちゃんを止めてくれたりしないのかなあ」
ライラに聞こえないように、ファルはエリクとこそこそと何かを話している。
それを見つめながら、ライラは柱の陰に隠れているイルシアに声をかけた。
「……あれが俺に止められると思うのか?」
「そうね、あれは止められないわね」
イルシアはバツが悪そうに柱の陰から出てきた。
「ばっちり承知しました! この私に是非ともお任せあれえ」
ライラとイルシアがこそこそ話し合う二人を見ていると、ファルが元気よくエリクに向かって親指を立てた。
「ねえねえ。あれ、何を承知したのかしら。イル君わかる?」
「ああ? 俺に聞かれたって知らねえよ」
「そうよねー。わからないわよねー」
ライラが乾いた笑いをしていると、ファルがこちらへ駆け寄ってきた。
ファルはライラに向かってとても良い笑顔で親指を立てた。
「──だから、それはなんなのよ!」
ライラとエリクが話しているところに、いきなりファルが割って入ってきた。
彼女は姿を現すなり、手を上げて大きな声を出した。
「あら、ファルちゃんじゃない。もうお話は終わったの?」
「そんなことはどうでもいいんです! それよりも、是非お二人でお食事に行ってください。そうした方がいいですよ。そうしましょう?」
ファルが瞳を輝かせてライラの顔を覗き込んでくる。
そのあまりに興奮した様子に、ライラは呆気に取られてしまう。
何が彼女をそうさせているかはわからないが、ライラは気を取りなおして冷静に口を開いた。
「あのね、せっかくのお誘いなのだけどね。私はもっと上のランクに早く上がりたいの。今はとにかく数多く依頼をこなしたいのよね。だから、誰かと食事に行っている暇はないの」
「せっかくランクが上がったのですから、ご褒美でお休みしたっていいじゃないですか! いつですか? いつお出かけしますか 」
ファルが彼女の登場に驚いて固まってしまっているエリクを勢いよく振り返った。力強い視線で見つめられ、エリクは表情をこわばらせてその場から少しだけ後ずさる。
「あ、その……。私は明後日が非番なので、できましたらその日にと考えておりましたが?」
「じゃあ明後日にしましょう! ライラさんも良いですよね? どうせ依頼を受けるか、イルの相手をするだけですもんね!」
「……えー、その言い方はちょっとひどいかなあ?」
ライラの言葉など聞かず、ファルはエリクの腕を強引に引いて廊下の少し離れた場所へ連れて行った。
「ねえ、イル君さ。ずっとそこで見ているわけ? ファルちゃんを止めてくれたりしないのかなあ」
ライラに聞こえないように、ファルはエリクとこそこそと何かを話している。
それを見つめながら、ライラは柱の陰に隠れているイルシアに声をかけた。
「……あれが俺に止められると思うのか?」
「そうね、あれは止められないわね」
イルシアはバツが悪そうに柱の陰から出てきた。
「ばっちり承知しました! この私に是非ともお任せあれえ」
ライラとイルシアがこそこそ話し合う二人を見ていると、ファルが元気よくエリクに向かって親指を立てた。
「ねえねえ。あれ、何を承知したのかしら。イル君わかる?」
「ああ? 俺に聞かれたって知らねえよ」
「そうよねー。わからないわよねー」
ライラが乾いた笑いをしていると、ファルがこちらへ駆け寄ってきた。
ファルはライラに向かってとても良い笑顔で親指を立てた。
「──だから、それはなんなのよ!」
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