勇者パーティーを追放された俺は辺境の地で魔王に拾われて後継者として育てられる~魔王から教わった美学でメロメロにしてスローライフを満喫する~
13.
そして魔王の城の門の前に着くと門番に話しかけた。
「すみません、ここを通してくれませんか?」
すると、門番は困ったような顔をして言う。
「すまない、ここから先は、関係者以外立ち入り禁止なんだ」
「そうですか、では、通してください」
そう言うと、兵士は困ったような顔をしたが、次の瞬間には、剣を抜いていた。
「な」
「部外者を通すわけにはいかない、魔王軍志願兵なら、力を見せてみろ」
(やってしまった)
(まさか、こんなことになるなんて)
(仕方ないか)
そう思い、覚悟を決めると剣を抜いた。
「ふんっ、生意気なやつだな、これでもくらえ!!」
そう言うと同時に斬りかかってきた相手に対しこちらも応戦する。
ガキンッ!! 剣同士がぶつかり合う音が響く中、俺は思った。
(こいつ弱いな)
そんな感想を抱いていると目の前の兵士が言ってきた。
「なかなかやるな、だが、これならどうだ!」
そう言いながら放たれた一撃を避けきれず食らってしまう。
ドサッ!
痛い、そう思っていたらテラスが見えた。
「え?」
そこに立っている人物に唖然とする。
「父さん」
無言だけど少し怒っている気がする……。
「父さん俺だ、話に来た、入れてよ」
それでも無言の父親にイライラしてくる。
「なんでだよ」
「カルザッサ、そいつは、リュート、人間族で、元勇者パーティーの一味だった男だ、お前はそんな輩を城に上げるのか?」
「え? 勇者パーティー?! なら、無理ですね、死んで頂きます」
「おい、待て、俺は敵じゃ……」
その言葉の途中で俺は吹き飛ばされた。
「父さん、何で……」
「貴様のような、屑にかける情けはない」
「くそぉおおお」
そう叫びながら俺は逃げ出した。
「はぁ、はぁ、ここまで来れば大丈夫か」
「まったく、どうしてくれんだよ、せっかく来たのに」
そう思いながらも俺は再び歩き始めた。
「よし、行こう」
しばらく歩いていると魔物が現れた。
「ギシャアァアア」
「おわ、くそ」
そう言いながら戦闘態勢を取ろうとしたところで黒いウマが現れた。
「父さん?」
そうこの馬は父の愛馬だ……。
「乗れって言っているのかよ」
無言だが分かる。
きっと父親の差し金だろう。
仕方なく乗って走り出すと直ぐに小屋が見えてきた。
「なんでここなのさ」
そう言ったとたんどさっと落とされる。
「おや、お客人かな」
「お久しぶりです、リュートです」
堕とされながら挨拶をすれば、扉が開き、男性が出てきた。
「やぁ、リュート様、お元気そうで」
「父さんは?」
「こちらにおいでですよ、さぁ、中にどうぞ」
そう言われても動けない。
前回はここで父親にお仕置きまがいのむち打ちをされたからだ。
「ああ、怖いですか?」
頷くと
「入らないと、もっと怒られますよ、魔王陛下であらせられるクロード様はああ見えて、辛抱強い方ではないので、それは、息子である貴方の方がご理解しているでしょう?」
(確かに)
そう思った瞬間扉が開かれた。
そこには父がいて、こちらを見てニヤリと笑ったのだった。
(怖っ、逃げたい)
そんな思いが脳裏をよぎった時、父は言った。
「入れ」
そんな声に導かれるように俺は小屋の中に入った。
中に入るとすぐに椅子に座るよう言われたので座る。
それを確認した後父が言った。
「何故此処に来た? 帰りたいと言っていたから母の元に送ってやったろうが?」
そう聞かれて反論したくなったがぐっと堪える。
「俺にこんな思いをさせておいて、良く、母さんの所に返せるな?」
「お前が望んだことだろう?」
そう言われたが納得いかない。
「だからって、俺が魔族になったのに、そのまま返すなんておかしいだろ」
「だからどうした?」
「だから?」
聞き返すとため息を吐かれた。
「お前は本当にわがままな奴だな、手のかかる」
そう言われてカッとなって言い返そうとすると先に言葉を発したのは父だった。
「お前、本気で俺を倒そうと思っていたか?」
その言葉に黙るしかなかった。
図星だったからだ。
「俺はお前の事を高く評価していたんだぞ、それこそ、他の子供よりも格段に優れていた」
「それなのに、何故、あの程度のやつに負けた」
そう言って睨み付けられる。
「そ、それは、油断していたから」
「嘘を付くなよ、あれは、完全にわざと負けているように見えたぞ」
「うぐっ」
「殺気が絡むと、やはり、ダメか」
そう言って、頭を抱える父の姿に、何か言いたいけど何も言えない自分が情けなく思えた。
「この前は手加減したが、今度は容赦はしない、それと、お前に命じておきたいことがあったんだった」
「何?」
恐る恐る聞く。
「自分の村を焼いてこい」
「えっ」
その言葉の意味を理解するのに数秒かかった。
「えっ、ちょっと待って、なんで、嫌だよ」
慌てて言うと、父は言った。
「そうか、嫌なのか、では、こうしよう、今から俺と戦うんだ、俺に勝ったら許してやろう」
そう言って立ち上がると、短剣を投げ渡された。
「それで、勝負して、勝てば許してやる」
「父さん、何を言って、俺は父さんを殺す気なんてない!!」
そう叫ぶと、冷たい目で見つめられた。
「自分が何、勝手な事を言っているのかわからないらしいな、もう一度ここでお仕置き受けるか?」
そんなことを言っているが冗談じゃないと思ったので必死で謝ることにした。
しかし、父は許してくれないどころか更に怒り出した。
そして言う。
「お前は本当に甘ったれだな、親の言うことも聞かないとは呆れたものだ」
そう言うと俺の横をすり抜けて行ってしまった。
(待ってくれよ)
そう思って追いかけようとすると母がやって来た。
「こいつを城には近づけさせるな、もう親子の縁は立っているんだ」
「かしこまりました」
そう言うと母は、俺を無視して、俺を小屋の外へ追い出そうとした。
「ちょっと、母さん、やめてよ」
そう言って抵抗するが、びくともしない。
「すみません、ここを通してくれませんか?」
すると、門番は困ったような顔をして言う。
「すまない、ここから先は、関係者以外立ち入り禁止なんだ」
「そうですか、では、通してください」
そう言うと、兵士は困ったような顔をしたが、次の瞬間には、剣を抜いていた。
「な」
「部外者を通すわけにはいかない、魔王軍志願兵なら、力を見せてみろ」
(やってしまった)
(まさか、こんなことになるなんて)
(仕方ないか)
そう思い、覚悟を決めると剣を抜いた。
「ふんっ、生意気なやつだな、これでもくらえ!!」
そう言うと同時に斬りかかってきた相手に対しこちらも応戦する。
ガキンッ!! 剣同士がぶつかり合う音が響く中、俺は思った。
(こいつ弱いな)
そんな感想を抱いていると目の前の兵士が言ってきた。
「なかなかやるな、だが、これならどうだ!」
そう言いながら放たれた一撃を避けきれず食らってしまう。
ドサッ!
痛い、そう思っていたらテラスが見えた。
「え?」
そこに立っている人物に唖然とする。
「父さん」
無言だけど少し怒っている気がする……。
「父さん俺だ、話に来た、入れてよ」
それでも無言の父親にイライラしてくる。
「なんでだよ」
「カルザッサ、そいつは、リュート、人間族で、元勇者パーティーの一味だった男だ、お前はそんな輩を城に上げるのか?」
「え? 勇者パーティー?! なら、無理ですね、死んで頂きます」
「おい、待て、俺は敵じゃ……」
その言葉の途中で俺は吹き飛ばされた。
「父さん、何で……」
「貴様のような、屑にかける情けはない」
「くそぉおおお」
そう叫びながら俺は逃げ出した。
「はぁ、はぁ、ここまで来れば大丈夫か」
「まったく、どうしてくれんだよ、せっかく来たのに」
そう思いながらも俺は再び歩き始めた。
「よし、行こう」
しばらく歩いていると魔物が現れた。
「ギシャアァアア」
「おわ、くそ」
そう言いながら戦闘態勢を取ろうとしたところで黒いウマが現れた。
「父さん?」
そうこの馬は父の愛馬だ……。
「乗れって言っているのかよ」
無言だが分かる。
きっと父親の差し金だろう。
仕方なく乗って走り出すと直ぐに小屋が見えてきた。
「なんでここなのさ」
そう言ったとたんどさっと落とされる。
「おや、お客人かな」
「お久しぶりです、リュートです」
堕とされながら挨拶をすれば、扉が開き、男性が出てきた。
「やぁ、リュート様、お元気そうで」
「父さんは?」
「こちらにおいでですよ、さぁ、中にどうぞ」
そう言われても動けない。
前回はここで父親にお仕置きまがいのむち打ちをされたからだ。
「ああ、怖いですか?」
頷くと
「入らないと、もっと怒られますよ、魔王陛下であらせられるクロード様はああ見えて、辛抱強い方ではないので、それは、息子である貴方の方がご理解しているでしょう?」
(確かに)
そう思った瞬間扉が開かれた。
そこには父がいて、こちらを見てニヤリと笑ったのだった。
(怖っ、逃げたい)
そんな思いが脳裏をよぎった時、父は言った。
「入れ」
そんな声に導かれるように俺は小屋の中に入った。
中に入るとすぐに椅子に座るよう言われたので座る。
それを確認した後父が言った。
「何故此処に来た? 帰りたいと言っていたから母の元に送ってやったろうが?」
そう聞かれて反論したくなったがぐっと堪える。
「俺にこんな思いをさせておいて、良く、母さんの所に返せるな?」
「お前が望んだことだろう?」
そう言われたが納得いかない。
「だからって、俺が魔族になったのに、そのまま返すなんておかしいだろ」
「だからどうした?」
「だから?」
聞き返すとため息を吐かれた。
「お前は本当にわがままな奴だな、手のかかる」
そう言われてカッとなって言い返そうとすると先に言葉を発したのは父だった。
「お前、本気で俺を倒そうと思っていたか?」
その言葉に黙るしかなかった。
図星だったからだ。
「俺はお前の事を高く評価していたんだぞ、それこそ、他の子供よりも格段に優れていた」
「それなのに、何故、あの程度のやつに負けた」
そう言って睨み付けられる。
「そ、それは、油断していたから」
「嘘を付くなよ、あれは、完全にわざと負けているように見えたぞ」
「うぐっ」
「殺気が絡むと、やはり、ダメか」
そう言って、頭を抱える父の姿に、何か言いたいけど何も言えない自分が情けなく思えた。
「この前は手加減したが、今度は容赦はしない、それと、お前に命じておきたいことがあったんだった」
「何?」
恐る恐る聞く。
「自分の村を焼いてこい」
「えっ」
その言葉の意味を理解するのに数秒かかった。
「えっ、ちょっと待って、なんで、嫌だよ」
慌てて言うと、父は言った。
「そうか、嫌なのか、では、こうしよう、今から俺と戦うんだ、俺に勝ったら許してやろう」
そう言って立ち上がると、短剣を投げ渡された。
「それで、勝負して、勝てば許してやる」
「父さん、何を言って、俺は父さんを殺す気なんてない!!」
そう叫ぶと、冷たい目で見つめられた。
「自分が何、勝手な事を言っているのかわからないらしいな、もう一度ここでお仕置き受けるか?」
そんなことを言っているが冗談じゃないと思ったので必死で謝ることにした。
しかし、父は許してくれないどころか更に怒り出した。
そして言う。
「お前は本当に甘ったれだな、親の言うことも聞かないとは呆れたものだ」
そう言うと俺の横をすり抜けて行ってしまった。
(待ってくれよ)
そう思って追いかけようとすると母がやって来た。
「こいつを城には近づけさせるな、もう親子の縁は立っているんだ」
「かしこまりました」
そう言うと母は、俺を無視して、俺を小屋の外へ追い出そうとした。
「ちょっと、母さん、やめてよ」
そう言って抵抗するが、びくともしない。
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