ジャズ13 影使い

結局　長湯が過ぎて皆　寝室のベッドで果てた
梓と希子以外は
怜子と由香が部屋に戻って来て５人で６人に水を飲ませて　こっちはひと汗かいた
誠は腰にバスタオルを巻いただけのトップレスでベッドの真ん中で大の字だ
どうしたのかと思えば　梓が誠の服一式を持って来た
露天風呂の中に誠が残って居ないか　確認したらしい
飛鳥と理音は何やら水着の事で盛り上がり　ひかりはエミリがトップを誠のように脱ごうとするのを止めに回って　かなめはそんな様子に当てられてのぼせたらしい

はぁ〜　参った

と　梓と希子が淹れてくれた珈琲を皆んなで飲みながら窓際の応接セットでひと息ついていた

希子がクスクス笑って

神紳士も大変ですよね〜

と言った
　
ビキニパンツの紳士か？頂けない…

何ですか？ビキニパンツって？

と　怜子が聞いて来たので

女子たちの水着の在庫が無くて納得出来ないメンバーの為に希子が一計を案じて…

社長にビキニパンツを履いて頂きました

と　希子が端折って説明した

その上　保険に誠にお揃いのビキニパンツを履かせて爆弾として投げ込んだんだ
思惑通り　自分たちの水着の事なんかもう覚えてないだろうな
お陰でその爆弾はトップレスのままベッドに寝ているよ

もう　ご主人様のうちのリビングのノリそのままなんでヒヤヒヤしましたよ

と　梓がため息をつく

あれ　ホントだったんですね？誠伝説
頼んどいて　何ですけど

誠伝説になってるんだ？

社長んちでお風呂上がりに裸でソファって　なかなか自分んちでも出来ない…

慣れてるよな？梓

そうですねぇ　誠さんですもんねぇ

まこちゃんがどうかしましたか？

と　遥が入って来た

後ろの旅館のスタッフから荷物を受け取って　礼を言う

梓がサッと立って遥の珈琲を入れに行った

希子は初めましてだったかな？誠の姉の遥だ
遥　こっちはキトゥンズの軍師の希子だよ　さっそく世話になってる
誠は寝室で長湯で伸びてるよ　他の子と一緒に

大丈夫なんですか？他の子？

この人のビキニパンツ姿にのぼせただけだから大丈夫でしょ　と怜子は笑って言った

後で詳しく聞かせてね　その話し

姉妹のように遥は笑い合う

まあ　二期は女の子女の子してるから色々難しい…

ご主人様　それはジェンダーの繊細な問題に抵触しますよ？

と　梓がニヤッとしながら突っ込んで来る

あの〜　一期の皆さんの"ご主人様"呼びって二期の子もナチュラルにスルーしてるんですけど　何か聞いちゃいけない事でもあるんですか？

と　割と真面目に希子が聞いて来た

ウチのペットたちは皆して顔を見合わせて俺を見て丸投げして来た

あ〜　これは…そもそものこのキトゥンズが出来る全身に当たるんだけど…
そもそも一期は俺の個人的な家族グループなんだ

家族？ですか？

うん　個々の事情は皆んなのプライバシーの問題があるから俺からは言えないけど…
怜子　遥　誠　梓　由香の順に俺がそれぞれの個人的な苦境から救ってからの付き合いで　まあ　俺は主義として責任の取れない問題には　冷たいようだけど手は出さないから放置するんだけど　
退っ引きならない事情でそれぞれ拾ったからには責任を取った訳

そんな捨て猫　拾ったみたいな事を…

と　茶化して希子は笑おうとしたが皆んなが頷いているのを見て　エッと言う顔をした

それで"ご主人様"？

やっぱり希子は回転が早いな
拾った"猫"たちだから"キトゥン"で　その尻尾みたいな俺　って言う意味なんだ
　
ご主人様はそんな事ばっかり言って茶化すけど　拾って貰わなかったら私は罪を犯して警察のお世話になるか死んでいるか　だったんだから！

と　梓に怒られた

え？皆さん　そうなんですか？誠さんも？
…神じゃ無いですか…

神じゃ無いって
手に負えなきゃ見捨ててるんだから　悪魔だろうよ？
ま　そんなだから対外的には"ご主人様"は言わないように言ってるんだがどうも身内の前じゃ出てしまうみたいだなぁ

あ　そしたら岡代表がひつこかったのは？

あ〜　アイツもあの頃は責任感とか無かったからなぁ
お花畑思考で拾った猫なら１匹　下さいって…

わぁ〜　無い無い！

で　誠を欲しがって纏わりついてたんだ

怜子と遥がクスクス　笑って顔を見合わせた

じゃあ　お風呂で言ってたハーレム願望がないのは…

現実的に眉目秀麗で才色兼備な美女の群れを囲って楽しむなんてアラビアンナイトのお伽話か60年代ハリウッド映画の中しか無理だろう
映画のエキストラ　集めて3、4日の世話を考えるだけでも目が回る

社長は現実主義者ですね

希子と同じだ
だから　これからも宜しくな

分かりました
でも　リアルなハーレムなんじゃ無いんですか？
怜子さんたち５人って…

逆　逆　敢えてハーレム呼びするんなら怜子たちが主人で俺は執事の方だな

あ〜　そう言う…
じゃ　神執事で

やめろ