ちょっとHぃショートショート

双樹\u3000一

新人8 影使い

「三美神の記憶〜捕らわれし者」の写真集発売で美和と若狭はまたまた注目を浴び 出版社の賞も貰った
モデル名は 単にキトゥンズテイルス とだけ記されて事務所には問い合わせが相次いだが今回は碧が対応してくれるので俺は楽だった
匿名性のおかげでモデルには影響ないしひかりは美和のスタジオ勤務だから自分のモデルとしての評価を直接 感じる事が出来た
怜子と誠は慣れたものだから 誠なんかは梓と第三者の目で写真集を見て笑ったりしている
そんな中 梓は珍しく 仕事休みに執務室のカウチに座って俺の手が空くのを待っていた
俺は溜め込んだデスクワークを誠や梓に決済する為に汗をかいていた

お待たせ で どうした?梓

あの 飛鳥の事 なんですけど

うん 飛鳥をモデルにって奴だな

はい 最初から気になって誘ってたんですけど 今回のひかりに触発されてもう直ぐにでもやりたいって

ほお ひかり効果で願ったりじゃないか
で 何か問題でも?

いざ 撮るとなると どうやったら1番 綺麗に撮れるかな と…

あ〜 迷ってしまったか

はい

あのな 梓 原点に戻ろう 最初 飛鳥のどこに惚れた?

…あのスレンダーでスタイリッシュな身体で…
まだ現役アスリートの恵まれた身長で…

で なにか "無機質に"撮りたいって言ってたぞ
ソリッドにスタイリッシュに って聞いた時に 俺は磨き上げられた金属の光や鏡像 合わせ鏡に映った無限数の裸身 みたいなイメージを持ったけどな

梓は俺を マジマジと見た
この間からよくこんな目で見られる

ご主人様 それ 今 思いついたんですか?

いや 今じゃなくて 梓が撮りたいって言った時 な
俺には具体化する才能がないから 空想するのが 好きなだけだ

じゃ 村井さんに頼んだらこんなの 作ってくれますかね?

梓の中で創作意欲が溢れ出したので午後休 取らせて村井にアポ入れて送り出した

昔から アイツはシレッと思いつきで俺たちの発想を飛び越すんだ 

って 村井さん言ってました

と言って梓は笑った

で 梓の考えてるようなものは出来そうか?

はい 村井さんからもアイデア貰っていいもの 出来そうです

じゃ 飛鳥の期待に応えられそうだな

はい!

梓は飛鳥と打ち合わせて一緒に村井の所へ行ったりスタジオを予約して美和と打ち合わせしたり その合間にエミリの撮影を入れたり忙しくしていた

で ウチの事務所の方に飛鳥が来た
エステのローテーション休らしく平日だ

梓や誠もカウチに座って珈琲タイムだ

珍しいな 飛鳥 初めてじゃないか ウチの方へ来るの
今日は どうした?

あの〜

と なかなか話し出さない

梓が心配そうな顔をしている

なんか撮影に不安があるのか?ヌードNGとか?

いいえ ヌードとかはいいんです ひかりちゃんの仕事を見て 私も!って思って梓さんにお願いして進めて貰ったんですから

梓はあからさまにホッとした顔をした

そうすると 問題は どこかな?

あの…私なんかにこんな費用や時間を掛けて貰っていいのかって…まだ 何も実績が無いのにって

あ〜 そこか
いや 最初に言ったようにウチは各自がやりたい事を追求していいんだ
大体が 最初は梓や誠 ウチの家族のウェディングフォトを撮るって言う極めてプライベートなプロジェクトに皆んなが面白がって乗っかっただけの話しだったし
後 飛鳥の実績や評価の話しになると…

と 碧が纏めてくれているファイルの内 飛鳥関係のを 取り出して 飛鳥の前に拡げた

ウェディングフォトをプロジェクトメンバーのホームページに公開して以来の問い合わせメールの飛鳥の分だ
キトゥンズテイルスのホームページだけじゃなくてメンバーのホームページ分も集めてある
スリムでスレンダーでクールなあの娘は誰か と言うのから 仕事を依頼したい と言うのまで これだけの件数が来てる
勿論 冷やかしのメールだってあるだろうし 仕事はどうしても受けたい訳じゃないから 全部 こちらでブロックしてるけど 新人3人とも世間の評価は高い訳だ
どう?自信にならない?それだけ 梓だって自分の目に自信を持って君を口説いてるんだし 企画も なぁ 飛鳥無しには出来ない企画だものなぁ

はい!勿論です!

だ そうだ 飛鳥
梓に任せてみてはどうだ?

すみません ありがとうございます お願いします!

ついでだから 下のキトゥンズテイルスの事務所にも置いてあるが 今までの作品集や写真集など出して来て 裏話や雑談で盛り上がって帰って行った

梓が飛鳥を送って出た後 テーブルを片付けた誠が

ご苦労様でした ご主人様

と ほっぺにキスをしてニヤッと笑って出て行った

ありがとさん と 溜まった書類に目を落としながら手を振った

飛鳥の撮影が終わって時間も遅かったが梓が見て欲しい と誇らしげに大判にプリントした作品をウチに持ってきた

リビングのテーブルに拡げた作品は 短髪を整髪剤でキチッと撫で付けて金色に染め メタリックな金の顔型のマスクを付けた飛鳥が上半身は裸で金に染められ下半身はメタリックゴールドのピチッとした足首までのスパッツ 裸足は金に染められて ガリレオの有名な人体図のように手足を拡げて宙に浮いていた
そして背後には左右に無限数に増えて奥に収束して行く飛鳥の裸身があった

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