ちょっとHぃショートショート

双樹\u3000一

アーティスト2 影使い

だあかあらあ 誰なんですかあ!あのモデル!教えて下さいよお!

デザイン屋の岡がしつこく食い下がってくる
いつものカフェラウンジのささやかな祝いの席だ
美和と若狭の作品集「再生」の成功を祝って プロジェクトメンバーが集まっての会だ
若手の注目株でどちらかと言うとベテラン勢が論ってやろうと待ち構えていた新作品集だが 皆一様に ぐぬぬ となるしかない出来栄えだったのだ
さっそく メディアでも取り上げられている

あのスリムボディのセクシーさは 誠ちゃんでも怜子さんでも遥さんでも無いし 梓ちゃんでも無い!
誰?教えて下さいよお!

うるさいな!誠に振られたからって俺に絡むな!嫁を呼ぶぞ!…いや おまえがまだ来ないと連絡してやろう そうしよう

あ あ やめて 洒落にならない…

プロジェクトメンバーは ウチのペットと俺の関係を知った上で協力して遊びながら作品を楽しみ仕上げていくプロ集団だ
だから 口の固いメンバーばかりなのだが 取りまとめを任せている岡が1番 信用ならない
だから 木島由香の事はコイツ以外には周知していて いずれキトゥンズテイルスの仕事に組み込んでいく事にしているのだが どうにも頼りない
まあ 仕方ないか…

おまえ 今日呼んでる木島 知ってるな?

知ってるも何も 柳さんと美希さんの同期でしょ?

ああ 美和と若狭の先輩だ なんだ 知ってるのか

知ってますよ!大学時代にちょっと声掛けたら 変態サークルの変態!って叫ばれたんですよ、ボク

その通りじゃないか 

お〜い 由香 ちょっと と由香を呼んだ

え え? なんですか なんで呼ぶんですか? え 由香?

はい なんですか?

あ 由香 コイツ プロジェクトの取りまとめやってるデザイン屋の岡だ 大学も後輩だから
で コイツがおまえの写真見て 身体がセクシーだから紹介してくれってさ

えええ〜!「再生」のモデルが木島さん?

わたしよ 何?

…ぐぬぬ

でも 先輩だったとは思いませんでしたよ

ホント 撮ってても全然 気づきませんでした と美和と若狭

あんな写真映えするんなら もっと早くにモデル 頼むんだった

これまでならモデルなんて無理よ シェイプアップも出来て無かったし
今回のも 柳…さんが騙してノセてくれなかったら 撮ろうとは思わなかったんだし

先輩先輩 と岡が声を潜めて腕を引っ張った

騙したって どうしたんですか?まさか まさか やっちゃって…

お〜い 由香 岡が俺がおまえを騙してやっちゃったんじゃ無いかって言ってるんだが どうだ やられたのか?

あ あ あ 先輩 そんな…

由香は ニッと笑って
さあ どうでしょう?
ねぇ 美和ちゃん若狭ちゃん
と 言った

美和と若狭も ニッと笑って そうですよねぇ と言った

大学時代 美和と若狭も一年足らずの間 俺のペットをやっていた 写真対象を理解する為だったが知ってる奴も居る
ウチのペットたちも知っている
今回 ペットになった由香との関係も知らない と言う事になっているが 由香に不審がられない理由を付けて今夜は欠席している
由香には演技力を期待出来ない とは誠の言葉だ
由香は俺の秘密のペットにして貰い 愛人の地位に甘んじる と言う設定で変態ペットとして美希に調教された自分と訣別して  俺の非日常プレイのパートナーを演じて被虐趣味を満足させる事にした
だから愛人の自分は 怜子たちに知られてはいけない と思っている
怜子や遥の 俺のペットとなった理由も説明してあるのだがまだまだ 他者への共感 と言う部分では未熟な部分がある
まぁ まだ 俺たちのプレイを深く理解しては居ないのだが
美希の性奴隷に甘んじて生きる と言う事の非現実性に目覚められたのはいい事だ
怜子たちは自分たち以外のペットが増えても気にしない と言うか俺が自分たちを捨てないと言う事 俺がペットたちを愛している事で満足しているのだが まだそこまで由香は俺を信用していないんだろう
以前に比べ 随分と人当たりも柔らかくなり 綺麗になった
自分を押し付けなくなったのは 逆に自分に自信がついて余裕が出来たからだろう
しつこい岡を振り払ってカウンターへ1人 移ったら仮面屋村井が横に座った

まさか スーツケースでウチに来たのが木島さんだとは思わなかったなぁ
前にここで会った時は青臭い芸術論を振り回してたのに

あ!そうだ!おまえだ!

何だ いきなり

その時 潰した木島 俺に押し付けただろう?

あ 覚えてたか スマン

いや 違う ある意味 今夜の木島を作ったのは おまえだ!

なんだ?どう言う意味だ?

あれがきっかけで木島と俺に縁が出来たせいで ウチのペットに気がついて 回り回って美希に噛みついたんだ…

うわあ…

で 返り討ちにあった挙句 …なぁ?

…そうなのか?

ああ で 飽きたらウチへ押し付けて ポイ だ

あ それで尻拭い…

何の話をしてるんですかあ? と 由香が真ん中に割り込んで来た

いや 由香が如何にいい女になったか と言う話を村井としてたんだ

そうなの? あ 村井クン この前はびっくりさせて ごめんなさい わたしも村井クンの所へ行くとは知らなくて

いやいや あれが今日の作品集に結びついてるなら 本望だよ しかしあの中は狭いだろうに

あれはその時のわたしくらい狭量で暗がりだったわ 今は世界の広さを知ってるし ね と 俺の腕に抱きついた

柳の周りは いい女が寄って来るんだな

そうか じゃ 美希はおまえに任す 義姉だがな

あいつは悪魔みたいに綺麗だけど悪魔だからな

俺も村井も由香さえ笑った
肉の快楽を美希に教え込まれた由香だが恐怖から日常に回帰し 性の喜びを楽しむ事の出来る身体が残った
本人には言ってないし本人に自覚もないが由香の秘所にはとんでもない名器が隠されていて 美希が開発してしまった
由香は駄犬として飼われてはいるが生来は蛇の精で 男どもを喰らい尽くす強者なのだ
美希は貸出し調教を行わず 俺に対する悪戯か 困らせる為の駄犬兵器として自分の所だけで調教したから気づかなかったが 気づいていたら方向転換して今頃 由香はアンダーグラウンドに消えていたかも知れない
由香の細身の身体は今では滑るように艶があり吸い付くような肌触りで腰の張った長い脚を絡みつけられて 逃げられる男はいないのでは無いか?
俺に関しては由香が主人認定しているからか 常に駄犬の如く従順だ 別に怜子たちと一緒にベッドを共にしたら楽しいだろうが本人は日陰者を望んでいる
これも蛇の精のある意味 プレイなのかも知れない

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