ちょっとHぃショートショート
アートな猫たち3 影使いから
良かったんですか? と 誠
いやあ いいも悪いも あれはブレーキの効かない車だ
自分の信じた事しか見えないモンスターカーだからな
頭をカチ割らないと事実すら入らない
まあ 探ろとしてあちこちに言いふらされるより いいだろ
かち割るんですか?
俺が悪い顔で ニヤッと笑うと 同じ顔で誠も笑った
問題の日
梓は今日も楽しそうに約束が有る と定時に帰って行った
誠も定時で仕事を終えて青いミニワンピースに着替えた
同色のストッキングに白いハイヒール
約束の時間に木島が来たのでいつもの店で軽くメシを済ませてウチに帰った
木島にしては口数少なく緊張しているようだった
まあ それはそうだろ
認定愛人と浮気男を連れて 本人の妻に事実確認しようとしているのだから
しかし それでも止まらないのがモンスターのモンスターたる所以だろう
ただいまぁ と 誠
ドアを開けて 俺と木島を通してくれる
リビングには明かりが付いて居るが 誰も居ない
ただ いつものカウチの前の低いテーブルが無い
どう言う事?今日 奥さんと話すって来たのに! と モンスターが部屋を見まわして居る間に俺はカウチの真ん中に座った
座ったら どうだ? と 水を向けていると 木島の後ろで衣擦れの音がして 木島が振り向くと 誠が上着とワンピースを脱いで足元に落としている
腰に平打ちの銀チェーンを巻いているのと青いガーターベルトでストッキングを吊っている他は白い肌だけ 秘所も綺麗に無毛に整えている
何?何なの?わたしに何かする気なの?
と 木島が俺を振り返るとカウチの両脇に怜子と遥が猫のように寄り添い座っている
誠と同じ裸身に違うのはストッキングとガーターベルトの色が怜子は白 遥は黒 と言ったところか
木島が口を開けたまま固まっている横を通り 誠が俺の足元のいつもの場所に座って寝そべった
妻の怜子だ 前に挨拶したよな?こっちは遥 誠の姉だ
浮気はしないって言ったよな
これが俺たちの関係で 俺たちの家族
高瀬美希って知ってるだろ 怜子の姉だ
あの柳クンと同じ変態サークルの…
変態サークルって
まあ 趣味嗜好は否定しないけど アレと同期で知り合いでなければ この関係は無かったんだ
…どう言う事?
俺が興信所を辞めて 事務所を立ち上げた時に仕事に困ってな 大学どころか 高校の同級生にまで仕事を頼んで回ったんだ そんな時 俺に仕事をくれたのが美希でな
後はわたしが と 怜子が口を挟んだ
カウチで身を起こしすっと背筋を伸ばした怜子の目は猫科の獣の光があった
その時 わたしは上司に騙されて身体を奪われて被虐趣味を仕込まれた上に 脅されて客まで取らされて居ました
もうこのまま堕ちて行くか死ぬしかない と思った時に姉の依頼で ご主人様がわたし達を助け出してくれたんです
わたし達って?
遥がスルッと身を起こした
わたしもその時の1人です 反社企業まで関わっていたので同僚たち何人もお互いに知らされないまま 被害者として飼われていました
誰が加害者か被害者か分からないので助けを呼ぶ事は出来ませんでした
そんなわたし達の名前を出さないように性加害者達から助け出してくれたんです
どうやってか わたし達の名前は出ないまま 加害者たちお互いが潰し合うようにしてくれて
だ だからって その代わりにアナタたちを自由にしていいなんて事はあり得ない事よ!
怜子は憐れむように木島を見た
わたしがお願いしたんです 飼って下さいって
なんでそんな事!
なんでって わたしは被害者とは言え 過去が明らかになればそんな目で世間はわたしを見るでしょう わたしは被虐趣味を身体に仕込まれてそう言う行為無しには生きていけないようにされたんです
心療内科で何年も通院すれば治るかも知れませんが一生 セックスは出来ず 子供を作る事も無理でしょう
わたしは助け出して貰って 地獄から日常に戻れたつもりでしたけど それが分かって結婚は諦めました
飼っていてもらうだけで良かった
でも ご主人様は遥ちゃんも一緒に暮らしていけるようにしてくれて 結婚までしてくれたんです
その時 遥ちゃんとわたしは一緒に結婚して貰ったんです
だからといって アナタまで一緒に居るって やっぱり弱みを握られて…
遥はニッコリ 笑った 凄絶な笑顔だった
わたしは学生時代から日常は地獄だったんです
わたしは性依存症と診断されました 心療内科に通って居る事を上司に知られて縛られました 怜子さんと同じでもう死のうと思ったら突然 自由になって職場も移動になって やっと苦しまなくて良くなった と思った
でも 駄目でした 身体に刻まれた欲求に焼かれて 行きずりの男と関係を持つ事まで考えていた時に美希さんが現れてこうした事の成り行きを教えてくれたんです わたしは恩人を知りました
美希さんに飼われてひと時は欲求を満たされましたが 駄目になりました
主人様と怜子さんの関係が羨ましくてしょうがなくなっていたら 美希さんがご主人様のところへわたしを捨てて行ってくれたんです
わたしも結婚が出来るとは思いませんでした
ご主人様は優しくて でも身体を差し出すだけの関係だと思っていたのです それが無くなれば捨てられる と
ご主人様は違う と言ってくれました
弱みを握って関係を迫る犯罪者と被害者では無い と
趣味嗜好をお互いが楽しむ為の非日常の演出でプレイ だと
被虐心が満たされていれば 普通に愛し合う関係だと
わたしはやっと日常を取り戻したんです
捨てるつもりはありません
俺も捨てるつもりは無いよ と 遥をポンポンと撫でる
2人はまた 俺の膝に凭れ掛かって寝そべった
自分は男には興味 無かったッス と 態と以前のキャラ口調で誠は言った
自分が変わっているのは学生の頃から分かってたし 学生だったら冗談で済むけど社会人になれば弾かれるのは分かってた
だから 就職面接では半分くらい ホントの事を言ったら全部 落ちて3月も終わってしまってバイトでお金 稼ぎながら将来の事も考えられなくて 途方に暮れてたら 姉さんがご主人様が面接してくれるって知らせてくれて
でも どうせ今度も駄目だ と思ったら自分の変態な性格ごと拾ってくれて
怜子さんと姉さんが一緒にいようって受け入れてくれた
わたしはホントにご主人様が好きだからもうわたし全部がご主人様のモノなんです 浮気ってつまみ食いの事でしょ なら わたしは違う 違います
じゃ じゃあの子は?梓ちゃんもこうなの?
…いや あの子は違う
…あの子は親から捨てられた子だ 俺たちみたいにアブノーマルじゃない まあ危うく被害者になるところを救い出した子だな
年齢に見合った常識が無いんだ
今 やっと自分を認めて自我を育ててるとこだ 美和や若狭のとこで な
俺たちの関係は知って居るけど あの子は本来 こっち側じゃない 本人の意思次第で卒業していくよ
此処に居るのは歪んだ真珠 欠けた陶器 伸び過ぎた樹だけだ
分かったか?
でな 木島 おまえに頼みたい事がある
何 黙ってろって脅すの? と 木島は身構えたが
いや 悪い 言って無かったが この間のカフェラウンジの支配人含め キトゥンズテイルスの面子は皆んな知ってるんだ おまえ以外
そこは確かめて貰っていい
木島の肩から力が抜けてガックリ 前にのめった
誠がキャットマスクを持って来て 皆んなが顔に付けた
仮面屋に無理言って俺に合うサイズ 作って貰ったんだ とカウチの下からクラフト屋で買った新品のゴツい皮ブーツを引っ張り出して履きながら 木島に
俺のカメラで悪いんだが 撮ってくれるか?そこのサイドボードの上にある
美和たちの作品作りの時はなかなか言いづらくてな と マスクを付けて 脚を広げて 間に誠を座らせ 両膝の怜子と遥の頭に手を置いた
美々しい猫科の大型獣の視線が木島を焼いた
木島はノロノロとカメラを構えた
美和や若狭ほどの腕は無く職業カメラマンにはならなかったが美に対する欲望と美を見極める目はある
次第にファインダーを通して熱が入るのが分かり 忙しくフレーミングとポジョンを変えながらシャッターを切り続けた
いやあ いいも悪いも あれはブレーキの効かない車だ
自分の信じた事しか見えないモンスターカーだからな
頭をカチ割らないと事実すら入らない
まあ 探ろとしてあちこちに言いふらされるより いいだろ
かち割るんですか?
俺が悪い顔で ニヤッと笑うと 同じ顔で誠も笑った
問題の日
梓は今日も楽しそうに約束が有る と定時に帰って行った
誠も定時で仕事を終えて青いミニワンピースに着替えた
同色のストッキングに白いハイヒール
約束の時間に木島が来たのでいつもの店で軽くメシを済ませてウチに帰った
木島にしては口数少なく緊張しているようだった
まあ それはそうだろ
認定愛人と浮気男を連れて 本人の妻に事実確認しようとしているのだから
しかし それでも止まらないのがモンスターのモンスターたる所以だろう
ただいまぁ と 誠
ドアを開けて 俺と木島を通してくれる
リビングには明かりが付いて居るが 誰も居ない
ただ いつものカウチの前の低いテーブルが無い
どう言う事?今日 奥さんと話すって来たのに! と モンスターが部屋を見まわして居る間に俺はカウチの真ん中に座った
座ったら どうだ? と 水を向けていると 木島の後ろで衣擦れの音がして 木島が振り向くと 誠が上着とワンピースを脱いで足元に落としている
腰に平打ちの銀チェーンを巻いているのと青いガーターベルトでストッキングを吊っている他は白い肌だけ 秘所も綺麗に無毛に整えている
何?何なの?わたしに何かする気なの?
と 木島が俺を振り返るとカウチの両脇に怜子と遥が猫のように寄り添い座っている
誠と同じ裸身に違うのはストッキングとガーターベルトの色が怜子は白 遥は黒 と言ったところか
木島が口を開けたまま固まっている横を通り 誠が俺の足元のいつもの場所に座って寝そべった
妻の怜子だ 前に挨拶したよな?こっちは遥 誠の姉だ
浮気はしないって言ったよな
これが俺たちの関係で 俺たちの家族
高瀬美希って知ってるだろ 怜子の姉だ
あの柳クンと同じ変態サークルの…
変態サークルって
まあ 趣味嗜好は否定しないけど アレと同期で知り合いでなければ この関係は無かったんだ
…どう言う事?
俺が興信所を辞めて 事務所を立ち上げた時に仕事に困ってな 大学どころか 高校の同級生にまで仕事を頼んで回ったんだ そんな時 俺に仕事をくれたのが美希でな
後はわたしが と 怜子が口を挟んだ
カウチで身を起こしすっと背筋を伸ばした怜子の目は猫科の獣の光があった
その時 わたしは上司に騙されて身体を奪われて被虐趣味を仕込まれた上に 脅されて客まで取らされて居ました
もうこのまま堕ちて行くか死ぬしかない と思った時に姉の依頼で ご主人様がわたし達を助け出してくれたんです
わたし達って?
遥がスルッと身を起こした
わたしもその時の1人です 反社企業まで関わっていたので同僚たち何人もお互いに知らされないまま 被害者として飼われていました
誰が加害者か被害者か分からないので助けを呼ぶ事は出来ませんでした
そんなわたし達の名前を出さないように性加害者達から助け出してくれたんです
どうやってか わたし達の名前は出ないまま 加害者たちお互いが潰し合うようにしてくれて
だ だからって その代わりにアナタたちを自由にしていいなんて事はあり得ない事よ!
怜子は憐れむように木島を見た
わたしがお願いしたんです 飼って下さいって
なんでそんな事!
なんでって わたしは被害者とは言え 過去が明らかになればそんな目で世間はわたしを見るでしょう わたしは被虐趣味を身体に仕込まれてそう言う行為無しには生きていけないようにされたんです
心療内科で何年も通院すれば治るかも知れませんが一生 セックスは出来ず 子供を作る事も無理でしょう
わたしは助け出して貰って 地獄から日常に戻れたつもりでしたけど それが分かって結婚は諦めました
飼っていてもらうだけで良かった
でも ご主人様は遥ちゃんも一緒に暮らしていけるようにしてくれて 結婚までしてくれたんです
その時 遥ちゃんとわたしは一緒に結婚して貰ったんです
だからといって アナタまで一緒に居るって やっぱり弱みを握られて…
遥はニッコリ 笑った 凄絶な笑顔だった
わたしは学生時代から日常は地獄だったんです
わたしは性依存症と診断されました 心療内科に通って居る事を上司に知られて縛られました 怜子さんと同じでもう死のうと思ったら突然 自由になって職場も移動になって やっと苦しまなくて良くなった と思った
でも 駄目でした 身体に刻まれた欲求に焼かれて 行きずりの男と関係を持つ事まで考えていた時に美希さんが現れてこうした事の成り行きを教えてくれたんです わたしは恩人を知りました
美希さんに飼われてひと時は欲求を満たされましたが 駄目になりました
主人様と怜子さんの関係が羨ましくてしょうがなくなっていたら 美希さんがご主人様のところへわたしを捨てて行ってくれたんです
わたしも結婚が出来るとは思いませんでした
ご主人様は優しくて でも身体を差し出すだけの関係だと思っていたのです それが無くなれば捨てられる と
ご主人様は違う と言ってくれました
弱みを握って関係を迫る犯罪者と被害者では無い と
趣味嗜好をお互いが楽しむ為の非日常の演出でプレイ だと
被虐心が満たされていれば 普通に愛し合う関係だと
わたしはやっと日常を取り戻したんです
捨てるつもりはありません
俺も捨てるつもりは無いよ と 遥をポンポンと撫でる
2人はまた 俺の膝に凭れ掛かって寝そべった
自分は男には興味 無かったッス と 態と以前のキャラ口調で誠は言った
自分が変わっているのは学生の頃から分かってたし 学生だったら冗談で済むけど社会人になれば弾かれるのは分かってた
だから 就職面接では半分くらい ホントの事を言ったら全部 落ちて3月も終わってしまってバイトでお金 稼ぎながら将来の事も考えられなくて 途方に暮れてたら 姉さんがご主人様が面接してくれるって知らせてくれて
でも どうせ今度も駄目だ と思ったら自分の変態な性格ごと拾ってくれて
怜子さんと姉さんが一緒にいようって受け入れてくれた
わたしはホントにご主人様が好きだからもうわたし全部がご主人様のモノなんです 浮気ってつまみ食いの事でしょ なら わたしは違う 違います
じゃ じゃあの子は?梓ちゃんもこうなの?
…いや あの子は違う
…あの子は親から捨てられた子だ 俺たちみたいにアブノーマルじゃない まあ危うく被害者になるところを救い出した子だな
年齢に見合った常識が無いんだ
今 やっと自分を認めて自我を育ててるとこだ 美和や若狭のとこで な
俺たちの関係は知って居るけど あの子は本来 こっち側じゃない 本人の意思次第で卒業していくよ
此処に居るのは歪んだ真珠 欠けた陶器 伸び過ぎた樹だけだ
分かったか?
でな 木島 おまえに頼みたい事がある
何 黙ってろって脅すの? と 木島は身構えたが
いや 悪い 言って無かったが この間のカフェラウンジの支配人含め キトゥンズテイルスの面子は皆んな知ってるんだ おまえ以外
そこは確かめて貰っていい
木島の肩から力が抜けてガックリ 前にのめった
誠がキャットマスクを持って来て 皆んなが顔に付けた
仮面屋に無理言って俺に合うサイズ 作って貰ったんだ とカウチの下からクラフト屋で買った新品のゴツい皮ブーツを引っ張り出して履きながら 木島に
俺のカメラで悪いんだが 撮ってくれるか?そこのサイドボードの上にある
美和たちの作品作りの時はなかなか言いづらくてな と マスクを付けて 脚を広げて 間に誠を座らせ 両膝の怜子と遥の頭に手を置いた
美々しい猫科の大型獣の視線が木島を焼いた
木島はノロノロとカメラを構えた
美和や若狭ほどの腕は無く職業カメラマンにはならなかったが美に対する欲望と美を見極める目はある
次第にファインダーを通して熱が入るのが分かり 忙しくフレーミングとポジョンを変えながらシャッターを切り続けた
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