ちょっとHぃショートショート

双樹\u3000一

アートな猫たち2 影使いから

なんの話だあ? と美和たちに混ざった

梓ちゃんが面白い提案してくれて ね と 若狭

うん?梓?

ご主人様 わたし 猫になりたい

猫?

そう あの最初の時の黒いのじゃ無くてホントの猫!

美和が 解説してくれたのが

企画展で見たフィギュアで自分の形が分かったみたいで あの形を活かしつつ 具体的にはミュージカルCATsのような感じに変身したい 作品になりたい って事らしい

うん いいんじゃないか

と 俺が言うと梓は意外そうな顔をした

ご主人様は止めるって言ってたから…

周りの都合でやらせるのは な
自分がやりたい事を見つけてやるなら応援する で 美和 若狭どうする?

受けて立とうじゃない まず メイク

と イメージと具体的なメーク 衣装

梓の考えを尊重しながらなりたい猫の姿を探る
キャットスーツやタイツ系の身に纏うのはボツ
ラテクッスは艶を消しても皮膚感の再現は無理
1番イメージに近かったのは1センチ程の極細繊維を専用コンプレッサで吹き付けると言う方法だったが呼吸器系に悪影響があるのと皮膚に固定する接着方法が問題になりボツ
身体の形 柔らかさ 皮膚感を出すなら ボディペイントが繊細だ
尻尾が必要なら首から背筋だけ薄い鋼の板ばねを入れた偽猫皮を張ってペイントと馴染ませる 猫耳ウィッグは鼻筋まで猫メイクで必要 コレは仮面屋の出番かあ
ボディペイントは? 岡の事務所のデザイナーの女の子が現役のコスプレイヤー メイクの腕も職人だと 女豹のようにならない様に柔らかい感じで リアルは何% ? 50%で 後はファンタジー でも あまり 現実と乖離しない範囲で
セクシーじゃなくて 優美な感じ 柔軟な身体の表現が欲しいな 梓? おう 分かった 凄いな身体 折れないのか じゃ ポージングは大丈夫 と
隅で5人で盛り上がってると なんか面白い事が と 皆んな寄って来てアイデアを出してくる
あれ?木島は? スマン 現実を知らないで空論を吐きやがるから飲ませて潰した 後は頼む え〜 面倒臭そうな予感しかしないぞ アイツ結婚してるのか? 今 シングルらしい 仕事で旦那放置してて 逃げられたらしい そんな爆弾 潰すなよ ままま 後は頼む

お開きの後 タクシーを呼び 梓を途中で降ろし 誠は遥の所へ泊まるから と付いて来た 怜子は日勤で居て 遥は準夜勤でまだ帰って居ない
木島はゲストルームに引きずって行って 酔って潰れているだけなんで 上着だけ脱がせてベッドに放り込んだ
誠は お先に〜 とバスルームに入って行き 俺は怜子が淹れてくれた珈琲を飲みながら梓に芽生えて来た自我について怜子に話していた

頂きました〜 と 誠がパンティだけで横に座って怜子から珈琲を貰った

なんか 梓 楽しそうでしたね〜 と 誠が言う

自分の身体の実物大フィギュアを見て 思うところがあったみたいだ スタイルが良くて美人なのに分かって無かったからな 
ところで 誠は猫 やらないのか?

わたしはいいかなぁ ほら わたし 胸だけ大きいから と 胸を突き出してくる

悪いバストだ と乳首を引っ張ってやったら

わ〜 セクハラ 怜子さ〜ん と 誠が裸で怜子に抱きつく
 
あらあら 他所から女の人を拾って来た上にウチでセクハラですか 警察案件ですね

ね〜 と アルコールの入った誠はノリノリだ

その拾って来た木島だけど アイツはノンケで何も知らんからそのつもりで まあ 誠も何かやりたい事 出来たら言えよ 出来る応援はさせて貰う

今のままじゃいけませんかね このまま

当然 それもしたい事だから いいだろ それ以外にもって事だ

わ〜い ご主人様好き! っと俺と怜子の腕に抱きついた

ま それはいいからパジャマ着ろ 風邪ひくぞ

裸の女が抱きついてるのに ご主人様のいけず セクハラじゃないですか?

法律相談案件よね と 怜子も被せて来た

ここ どこ〜〜っ!! と 言う声が響いたのが午前5時過ぎ
まあ そんな事もあろうと用意して置いたミネラルウォーターとコップを持ってゲストルームに行った

どうだ?気分悪くないか? と 声を掛けたのに 対して

柳クン⁈ やっちゃった?わたし やられちゃったの?

しっつれいな奴だな おまえは
仮面屋に押し付けられて妻のある身でおまえを連れて帰って介抱して泊めてやった挙句に犯罪者扱いか 水をやらんぞ

自分の皺くちゃな昨日のままの服を確認して
慌てて 頭を下げた

ごめんなさい 迷惑かけちゃって

いい いい 水飲んで 気分悪くなきゃシャワーでも浴びろ
妻のスウェット バスルームに置いてあるから使え
一度 家に帰るんだろうから 珈琲飲んだらタクシー呼んでやる

恥いってしおしおとシャワーを浴びに行った
随分と反省してるのか 滝に打たれるほどシャワーを浴びていて 髪を乾かしてスウェットでリビングに出て来る頃には怜子も誠も部屋着で珈琲を飲んでいた

土下座せんばかりの木島を引っ張り上げて座らせて珈琲を飲ませた

え?あなたまで巻き込んじゃったの?わたし

まあ お目付役でついて行ってますから一応 奥様に説明してわたしも泊めて頂きました

また 席を滑り降りて土下座しようとする木島を止めて皆で朝食にした
さすがに木島は飯は喉を通らないようだった
呼んであったタクシーに乗ってしおしおと帰って行った

面白い人ですね〜あの人 と 容赦ない誠

う〜ん 俺の同期で美和と若狭の学科とサークルの先輩なんだけど 俺との接点はそこだけであんな面白キャラだとは知らなかったな 視界が狭くてブレーキが効きにくい旧車みたいな奴だ

それ 絶対 事故しますよね?

うん 離婚済みらしい

あら〜 と 誠と怜子は顔を見合わせて笑った

事務所で梓があの後 どうなったか誠に聞いて また 笑い話になった

この間までのハイテンションとは違い 自分でもコスプレ情報や猫の画像や動画を休み時間に検索しているようで 楽しそうで何よりだ
納期の決まった仕事じゃ無し 今日は退社後 若狭と岡の事務所のデザイナーと会う約束らしい

梓ちゃん すっかり親離れみたいですねぇ 少し淋しいかなぁ と 誠が定時に帰った行った梓のデスクを見て言った

お世話がかり ご苦労様だった まだ 見守ってやらないと行けないけど まずは一歩だな
おまえも100からゼロだから 頼りないような気分だろうな

そうなんです そんなわたしを慰めて下さい 飲みに行きましょうよお

よし ただし珈琲だ セクハラされては敵わないからな

え〜 大人気ないですよ その仕返し!

行くのか 行かないのか?

行きます!

まだ薄明るい通りへ出て少し歩くカフェに誠を腕にぶら下げて歩き始めた時に

え⁈ っと言う声が聞こえて

あなた達 やっぱりそう言う関係だったの? と 続いた
振り返ると紙袋を下げた木島が立っている

うん?そう言うとは 何の話だ? と 一応 お作法としてとぼける

だから 事務員たぶらかしてって…

あの〜 自分 男に興味 無いッス と 誠も容赦ない

どう言う事…?

おまえも来るか?今日は梓の親離れ記念と誠のお世話がかり慰労会だ 
ただし おまえも珈琲だ!
セクハラされては敵わないからな!

ご主人様ぁ くどい くどい!

呆気に取られた木島は誠の"ご主人様"呼びにも気づかず 付いて来た

はい まあ 1人増えたが 誠 ご苦労様
まだまだ 歳の近いおまえ頼りのとこ あるから 頼むよ

はーい 任せて下さい 時々 ご褒美も下さい

抜け目ない!…で こっちのアナタは今日は何だったんだ?

昨日のお詫びに …って やっぱりおかしい あなた達 付き合ってるんでしょ?

…付き合ってるのか?誠?

付き合っては 無いですよね?

付き合ってるでしょ!この雰囲気は!誤魔化しても分かるわよ!

付き合ってる と言うのは 俺が怜子に隠れて誠と浮気してるって言ってるのか?

そうよ!奥様 居るのに自分の会社の事務員と!

いや 隠して付き合ったりしてないし 今日の慰労会も

と 怜子宛てのスマホの画面を見せた

"梓の親離れで誠が寂しがっているので「珈琲」飲みに連れて行く 飯は家で食うけど 誠も連れて行く セクハラされないよう 注意する…"
後は気がついた連絡事項だ
木島が見た後 誠が腕を引っ張ってスマホを読んで

あ〜 怜子さんにまで セクハラ書いてる! も〜 しつこいです〜

スマンスマン まあ 珈琲 冷める前に飲め おまえを慰める会だからな
で 木島 誤魔化す気も無いから言うが俺は家庭を壊してまで他所の女と遊び趣味は 断じて ない
おまえは俺の性的嗜好を知っているんだろうが?学生時代から変わってないぞ
そんな男と浮気が出来る女と言うのは非常に稀だと思わないか?
誠 おまえさ 浮気する俺ってどう思う?

浮気ですか?想像出来ないですけど 今の状況で浮気出来るなら超人ですよね 忙しすぎて

…と 言うのが身近な意見なんだが?
ところで 何故 旦那に 逃げられたんだ?

返球は痛い所へ当たって 木島は痛い顔をした

一昨年 わたしの企画が初めて通って 任された企画展の準備で半年 バタバタしてたら会社の部下と浮気して出て行った…

それで か
ホントに視野が狭くなって周りが見えなくなるタイプだな 木島は
オマケにブレーキも緩いし
自分の信じるルールは他人には適用されないって事 覚えて置いた方がいい
おまえを避けろ とか おまえを理解しろ って言うのは強制力 無いからな?
 
木島はダウンを食らったが まだ諦めないボクサーの目で俺を睨んだ

でも やっぱりおかしいから!

わ〜かった 分かった
え〜っと この日ならいいか 木島 この日 飯 済ませてウチに来い いや 一度 ウチの事務所の方がいいか
じゃ 事務所寄って飯食ってから誠と3人でウチに行こう 怜子にも確認したいんだろ?
じゃ それでこの話はそれまで 無しな

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