遥　影使いから

絶望だった
その頃のわたしは絶望しか無かった　
外科部長に飼われて縛って楽しむ為の女で　その事で看護師長に脅され外科棟特別室の患者と称して反社からの斡旋で本物の看護士を抱きに来る客の相手をさせられている新人准看護師だった
思春期を過ぎた頃から自慰行為をやめられなくなり流石に自分でも怖くなり親には眠れないから　と言って心療内科を1人で受診した
受信した医師からは思春期には有りがちな事でクラブ活動や自分にあった趣味に興味が向けば自然に治る　と言われた
普通で居る事の強迫観念は上辺は多すぎる程の友達と付き合って居たけど　精神的には孤立して行った
高校二年生で彼氏が出来　彼に執着し依存した　幼い性行為を繰り返したがわたしの余りの執着振りに振られた　何人もの彼氏と同じ事を繰り返し　やはり自分がおかしいと思い返し　心療内科を受診すると性依存症と診断された
常に自分の事を客観視出来る環境を考え
看護学校で准看護師の資格を得て総合病院に就職した
残念な事に心療内科は系列の医療機関だった
外科部長は受診記録からわたしに目を付け　歓迎会の夜に酔い潰されて　外科部長の趣味のマンションの部屋で調教を受け写真を撮られ　脅されて愛人の1人にされた
SM調教のありとあらゆる事をされ　写真を撮られた
ただ　身体に証拠の残るような事は避けられた
もう一生　このままか　と思い始めた時　突然　外科部長の行為がバレて　病院全体を巻き込んだスキャンダルの中　外科部長はじめ１０人くらいの関係者が解雇され　外科部長は反社との関わりを警察からも調べられた
不思議な事にわたしには聴取も無く他にいた筈の外科部長の愛人看護師の噂も聞かないまま　辞令を受け　系列の医療機関へ移った
やっと　普通の人として生活が出来る　と思ったのも束の間　移った職場の環境に慣れた頃から身体が今までの異常な性行為を求め始めた
仕事のストレスが高まる程　異常な夜を思い出した
捨てアカウントで出会い系掲示板を徘徊した　何度もＤＭを送信しようとしては消した
いよいよ　おかしくなる　と思った頃　高瀬美希と言う人物から接触を受けた
高瀬怜子を知ってるか　と
前の職場の一年先輩の名だ　直接の指導は無かったが色々　助けて貰った　外科部長の事はさすがに知られたくなかったけれど
話は驚いた事に先輩も実は被害者で様子のおかしいのに気付いた美希さんが知り合いの「何でも屋」を雇って今回の事件発覚になったのだ　と
調教漬けにされた怜子さんも精神的におかしくなり　その何でも屋さんに預けてある　と言う

ところで　と美希さんは言った

あなた　わたしのペットになって飼われてみない？

子宮がギュッと掴まれたようにわたしの奥で熱くなり

お願いします

と　言っていた