ちょっとHぃショートショート
壁龕
ニッチと言うと 今では隙間 と言うように認識されているが本来的には厚い壁を凹ませて花や彫刻などを飾る建築スペースの事で日本語では壁龕と言うふうに翻訳される
これはかなりの大きさだ
2メートルの高さ 幅奥行きは1メートル近くあるだろう
飾られているものを見れば確かにそのくらいの大きさは必要だ
どう見ても 生身の人間にしか見えない
それは若い女性が裸身に薄衣を羽織ってギリシャ彫刻の女神を思わせるポーズで立っている
どうです リアルでしょう
と 白衣の若い男は言った
ニッチに設置して前面を偏光処理した特殊硝子を設置し内部に重いガスを封入した事で光の収束密度が増してチラつきや滲みを抑えた結果の再現性です
静止画像でもこうですが これで
と 手に持ったスマホを触るとニッチの女性はその場でターンをしてポーズを変えた
将来的にはガスに頼らない光線の高密度収束方法の開発なんですが技術のブレイクスルーはもうそこまで来ていますからね
参考になりますか
と 尋ねられた
若い時に書いてヒットを飛ばしたファンタジーっぽいSF小説のお陰で知名度はなんとか残っているせいで出版社の親企業の傘下にあるラボに取材を紹介して貰えた
科学技術の最先端までいくと頭が付いていかないので実現間近な民生技術と言うところの取材だ
凄いですね
ホログラムの原理自体は旧聞に属するものですがリアルと変わらないものを
リアルタイムで再現出来るのももう直ぐですよ
今のこの設備でさえ費用さえ考えなければシアターサイズの施設を作って演劇や音楽ライブの生再現は可能ですからね
ひきあいませんけど
と言って笑った
これでホログラムの歴史から開発時代別の設備 現在 お見せ出来る最先端ハードは全てですけど 先生 何かご質問とか
いやあ 質問とかになると社内秘や開発秘話の未公開部分になる訳で当然 お答え頂けないと思うんで もう暫く見学させて貰えますか 空気感を感じたいので
分かりました このエリア内は先生のゲストキーで立ち入りフリーです それから先生 スマホお持ちですよね これを
と 着信音がしてアプリが送られてきた
インストールして頂いたらこのホログラムの動作アプリが入ります まだ開発中のキーもありますからアクティブになってる所は大丈夫ですから
お帰りの際はラボに声を掛けてください
光量を落とした見学コースは大小のニッチに花瓶の花や水槽の熱帯魚 籠の鳥 跳ねる小さなウサギ 猫 犬 やはり圧巻は肌を晒した女神に尽きる
スマホアプリには単に作品タイトル 女 としか入っていない
タイトルをタップすると操作画面に変わり 動作指示がずらりと並ぶ表示と人型のイラストを直感的にトレスする表示があった
イラストの頭を指で押さえてスッと下に下げる
女神は自然な動作でしゃがみ 私の方を見てニコッと笑った
ん
表情はオートなのかな とスマホに目を落とすとスマホに女の手が伸びて取って行った
え
目の前に女神が居る
そんな機能 あったっけ
いや スマホ取っていく時点でホログラムじゃない
あ 誰ですか
薄衣から透ける乳房から目が離せない
女神はニコッと笑う
見ての通りの女神よ
もしくは 悪魔 ね
は どう言う趣向のイベントなんですか
凝ってるんですけど 何かのプレゼンの試験台ですかね
まあ 信じないよねえ
でも ね こう言う全く正体が無いのに見掛けは人間そのものって言うのは依代にピッタリなのよ 神にも悪魔にも
いちいち 石像や土塊を変換するより簡単だしね
見て
と 自称女神は手を伸ばして産毛の生えている二の腕を見せた
細部まで揃ってるんだから 最高よ しかも 女神でしょ 願ったりだわ
意味が分からない 何を言ってるのか スマホで職員を呼ぼうにも女が持っている
えぇと 結局 あなたは何なんです
言っても分からないようだから あっち 入ってて貰おうかなっと
何やらスマホを弄られたと思ったら 本当の隙間に突っ込まれていた
時空と次元の隙間
あっちへ出て行こうとする化け物魔物が犇いて力を持つ上位のモノほど 楽なルートで出入りしている
何が女神だ アイツ
そこそこの魔物でしか無い
でも 最下層の化け物に堕とされた私は有象無象共と争いながら元の世界に戻ろうと足掻いているのだ
これはかなりの大きさだ
2メートルの高さ 幅奥行きは1メートル近くあるだろう
飾られているものを見れば確かにそのくらいの大きさは必要だ
どう見ても 生身の人間にしか見えない
それは若い女性が裸身に薄衣を羽織ってギリシャ彫刻の女神を思わせるポーズで立っている
どうです リアルでしょう
と 白衣の若い男は言った
ニッチに設置して前面を偏光処理した特殊硝子を設置し内部に重いガスを封入した事で光の収束密度が増してチラつきや滲みを抑えた結果の再現性です
静止画像でもこうですが これで
と 手に持ったスマホを触るとニッチの女性はその場でターンをしてポーズを変えた
将来的にはガスに頼らない光線の高密度収束方法の開発なんですが技術のブレイクスルーはもうそこまで来ていますからね
参考になりますか
と 尋ねられた
若い時に書いてヒットを飛ばしたファンタジーっぽいSF小説のお陰で知名度はなんとか残っているせいで出版社の親企業の傘下にあるラボに取材を紹介して貰えた
科学技術の最先端までいくと頭が付いていかないので実現間近な民生技術と言うところの取材だ
凄いですね
ホログラムの原理自体は旧聞に属するものですがリアルと変わらないものを
リアルタイムで再現出来るのももう直ぐですよ
今のこの設備でさえ費用さえ考えなければシアターサイズの施設を作って演劇や音楽ライブの生再現は可能ですからね
ひきあいませんけど
と言って笑った
これでホログラムの歴史から開発時代別の設備 現在 お見せ出来る最先端ハードは全てですけど 先生 何かご質問とか
いやあ 質問とかになると社内秘や開発秘話の未公開部分になる訳で当然 お答え頂けないと思うんで もう暫く見学させて貰えますか 空気感を感じたいので
分かりました このエリア内は先生のゲストキーで立ち入りフリーです それから先生 スマホお持ちですよね これを
と 着信音がしてアプリが送られてきた
インストールして頂いたらこのホログラムの動作アプリが入ります まだ開発中のキーもありますからアクティブになってる所は大丈夫ですから
お帰りの際はラボに声を掛けてください
光量を落とした見学コースは大小のニッチに花瓶の花や水槽の熱帯魚 籠の鳥 跳ねる小さなウサギ 猫 犬 やはり圧巻は肌を晒した女神に尽きる
スマホアプリには単に作品タイトル 女 としか入っていない
タイトルをタップすると操作画面に変わり 動作指示がずらりと並ぶ表示と人型のイラストを直感的にトレスする表示があった
イラストの頭を指で押さえてスッと下に下げる
女神は自然な動作でしゃがみ 私の方を見てニコッと笑った
ん
表情はオートなのかな とスマホに目を落とすとスマホに女の手が伸びて取って行った
え
目の前に女神が居る
そんな機能 あったっけ
いや スマホ取っていく時点でホログラムじゃない
あ 誰ですか
薄衣から透ける乳房から目が離せない
女神はニコッと笑う
見ての通りの女神よ
もしくは 悪魔 ね
は どう言う趣向のイベントなんですか
凝ってるんですけど 何かのプレゼンの試験台ですかね
まあ 信じないよねえ
でも ね こう言う全く正体が無いのに見掛けは人間そのものって言うのは依代にピッタリなのよ 神にも悪魔にも
いちいち 石像や土塊を変換するより簡単だしね
見て
と 自称女神は手を伸ばして産毛の生えている二の腕を見せた
細部まで揃ってるんだから 最高よ しかも 女神でしょ 願ったりだわ
意味が分からない 何を言ってるのか スマホで職員を呼ぼうにも女が持っている
えぇと 結局 あなたは何なんです
言っても分からないようだから あっち 入ってて貰おうかなっと
何やらスマホを弄られたと思ったら 本当の隙間に突っ込まれていた
時空と次元の隙間
あっちへ出て行こうとする化け物魔物が犇いて力を持つ上位のモノほど 楽なルートで出入りしている
何が女神だ アイツ
そこそこの魔物でしか無い
でも 最下層の化け物に堕とされた私は有象無象共と争いながら元の世界に戻ろうと足掻いているのだ
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