ちょっとHぃショートショート

双樹\u3000一

遭遇

恐ろしく狡知な異星の野生生物に
隊員が2人 食われ 以降 地球人をコピーして 我々を窺うようになった
元々 左右対称の六足の捕食生物である
最初は子供が粘土で作った人間のカリカチュアのような姿で現われたが その後  よりリアルな人間の姿になった
何らかの感情思考受容器官があると推察される
最初は近親者の似姿 その後 男優女優の姿をとり隊員の油断と逡巡を誘い 再び2人が失われた
美男美女を形成していた異性生物はその後 女性タイプを選択し 絶世の美女化して行った
外観上は ホモサピエンス白人メイルタイプ2メートル近い身長の乳房は大きく 肋骨下部に一対の本来の脚を収納している
全裸の四足疾走するアマゾネス
捕食時に口は顎喉が裂け 鮫のような開口部を形成する
土着生物を捕食する際の動きは人体の可動域を無視する為 トリッキーで我々では翻弄されるのみである
なお この星の他の原生生物にも形態の変容が見られ始めている
女性型ヒューマノイドタイプを選択した中型及び小型捕食生物 固着生命と見られる非捕食生命も捕食者を擬態する為か ヒューマノイド化が始まりつつある
警告の上 隔離を勧告する
ビショップ太陽系惑星エイトには近づくな
繰り返す
人類を近づけるな
残った隊員で精神に異常をきたしていない者はいない
女性隊員は全員 敵対的情緒に晒され精神異常をきたし隔離した
男性隊員は禁を犯し ベースを出て食われる者 隔離中の女性隊員を襲おうとした者 自殺者が続出しベースを維持出来ない
繰り返す
惑星エイトには近づくな

以上を持ってベースからの報告は最後として ログを閉じる
わたしは妻に会いに行かなければならない
義務は果たしたぞ

人類初の移住計画に有望なビショップ太陽系惑星エイト調査ベースからの報告が届いたのが6カ月前
報告書の添付データの解析に2カ月
対応を協議する と称した科学者政治家軍部の会合が 延々6カ月
現場科学者チームによる独断での無人調査機発射で観測データが戻って来たのは丁度 三部会会合がとりあえず無人機による観測を行うべし と指示を出した頃だった
高高度からの観測データには科学文明の痕跡無し
報告通り 惑星赤道付近の巨大大陸に大きな湾が形成されている
そのランドマークにあった筈のベースへ探査機は降りて行く
まだらな色合い
肉色の大地 何かが蠢いている
映像がズームアップされるのと 画面の動きが一瞬 止まるのが同時だった
逞しい裸のアマゾネスたちが一斉に探査機を見上げている
画面横に各個体のスケールが表示される
2メートルをゆうに越えるもの 1.5メートル 1メートル弱 この辺りは悪魔が見せる夢に出て来るような美女たち 乳房 腰 脚
だが 捕食されている小型生物は手が2本に4足を持ったもの
6本の手を持つもの
食いちぎられて良くは分からないものの6足6個の乳房を持つものなど 悪夢に出て来るような異形のものばかりだった
岩や大地を覆う無数の乳房
断崖の壁に裸の胸を晒す上半身が固まって生えている
大地は 食い喰われる地獄絵図にしか見えなかった
ベースは痕跡も無く ベース近い入江にも海洋調査用のポッドが置き捨てられていた
と 見ると海面に女の顔が見える
数人分 見える
探査機のカメラを寄るのと同時に身を翻して海中に消えた彼女らには 2本の腕の他に筋肉質な鰭状の脚が4本見えた

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