蛇

私の虹彩はアルビノでも無いのに赤い
きっと白蛇様憑きだからだろう
山村の昔　蚕で栄えた閉鎖的な邑で代々　白蛇様を祀って来た家の出で　後継ぎ娘の私が家を出て来たから　家も邑も潰れた筈だ
いや　正確に言うとそうでは無い
代々　蛇憑きの養女をとって家を伝えて来た　と言うのは表向きで　白蛇様は私の中に居る
白蛇様ごと私が邑を捨てたせいだ
白蛇様は女の精が好きだ
私自身の趣味嗜好は関係ないが　白蛇様のせいで男は知らない
いよいよとなっても白蛇様が男を食いちぎってしまうからだ
今では赤い目のせいでサングラス常用だし170近い身長の痩せ女のパンツルックのせいですっかりマイノリティ扱いで立ち役だと思われている
デザイン関係の売れない自由業としては顔繋ぎとコネを求めて夜毎に流行の予感がする盛り場を彷徨う羽目になる
半地下のカフェの入り口ですれ違った華奢な娘と目が合った
身体の中を白蛇様がヌルっと動く
今夜はこの娘がお気に入りらしい
あの　っと娘から声を掛けられる
ネオンがちらつく通りでサングラスを外して娘を見る
赤い目に魅入られた女がそこに立っている

裏通りに似合いの安っぽいファッションホテルの窓際で荒い息をして立っている娘は真っ白な裸身を私に預けている
150足らずの未成年のような外観からは想像出来ないような成熟した身体つきに白蛇様の好みを見た
後ろから娘を抱きしめて片方の乳房を包みながら撫でて首を振り向かせ口付ける
娘は大きく息を吸って身体の力を抜く
待っていたように白蛇様が私の喉奥から娘の口の中を身体の奥へと降りてゆく
娘は身体をビクッと震わせ　また身を預ける
暫く　娘を楽しんだ白蛇様が娘の女陰から首を出し　私の女陰から入ってくる
長く伸びた白蛇様が口付け合う私と娘の身体を繋ぎ　のたうち精を吸いながら何周も巡る
そのうち　白蛇様は私を出てゆき娘を楽しむようだったので
ベッドに残してシャワーを浴びて来る
独り　缶ビールを煽って　ベッドの端に座ると白蛇様は長い身体で娘に幾重にも巻き付いて喉から女陰まで身体を通し　頭を出している
娘は若いから　まあ大丈夫だろうけど　ほどほどにね　と声を掛けてビールをお代わりする
あまり今夜の娘は幼く見え過ぎて　タイプじゃない
下着だけ付けて　腰を据えて今夜は飲む
娘は喘ぎ　呻きうつ伏せで尻を上げて　後ろの方も　ご所望らしい
白蛇様もいい趣味してるよ
娘は一際　大きな喘ぎ声で白蛇様を受け入れたようだ
まあ　毎晩　養女を犯して楽しんでた女に飽き飽きしてたよね　白蛇様
今夜は長そうだな　と窓の外のネオンを赤い目で見ていた