ちょっとHぃショートショート

双樹\u3000一

守護

壁にある女の裸身の彫像は
猟のトロフィーの様に
壁から上半身を乗り出して両腕の手首は壁に埋まっていて
神話の女神の様に
誇らしげに裸の胸を
突き出していた
支配人の話では 引き揚げられた大航海時代のスペイン帆船の船首を飾っていた船の守り神だと言う事だった
海からもスペインからも遠く離れたホテルのエントランスを飾る女神は何を守るのかしら とトランクを渡しながら女は思った
ホテル側のミスでいつもの部屋が取れていずグレードの上がった部屋に案内される
明日は早出して得意先の早朝会議でプレゼンか とベッドに仰向けに倒れただけなのに寝入ってしまったようで
何かが自分の中に押し入って来る感触で目が覚めた
腰が押し上げられ落とされて熱く甘く力が抜ける
犯されている と切れ切れに思いながら
両手を後ろに引かれ男の上に跨らされている自分を意識する
何とか目を開けると
見覚えのある景色だ
ついさっきチェックインしたホテルの静かなエントランスを見下ろしているのに気付く
後ろから犯されて幾度も意識を飛ばす
乳房も荒々しく鷲掴みにされ身体を押し上げられ落とされて
いつか喜悦の中で溶かされて行く
目を開ければ高所からのホテルのエントランス
そのうち 何度か従業員が見上げているのに気がついた
支配人とも目が合い逸らされる
この位置は壁の女神像の場所だ と何日かして思い至る
ずっと 犯されて溶かされバラバラにされながら考えていた
そうして 何週間 何ヶ月経ったろうか
自分が贄である事に思い至る
何が守護女神か
守護の神に捧げられた羊が私だ と海賊の信仰した神に犯され続けながら思った
奪い攫い犯し殺す海賊神か
私はどうなってしまうのか と快感と喜悦の中に漂いながら考えている
そう言えば攫った女は飽きたら売られるのだったな と投げやりに思いながら快感の叫びを上げていた

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